ご葬儀に参列できず、ご不幸をご葬儀後に知った場合の対応をどうすればいい?
訃報の連絡先が違っていたために届かなかったり、ご家族やご親族などで家族葬が執り行われたなどの事情から、ご不幸をご葬儀後に知ることがあります。このような場合、どのように弔意を表せばよいのでしょうか。ご葬儀後もご遺族は様々な対応に追われているため、ご遺族を慮った行動をしたいものです。
この記事では、何らかの事情からご葬儀後に訃報を知った場合の対応やその際のマナーなどについてご説明します。
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まずはご遺族に電話をして確認
何らかの事情からご不幸をご葬儀後に知ることもあります。そのような場合、できるだけ早急に弔問したいところですが、ご遺族はご葬儀後にもやるべきことが多々あるために、肉体的にも精神的にもお疲れになっています。そのようなご遺族のもとに急に弔問してしまってはご遺族にさらなるご負担をかけてしまうことになります。
そのため、まずはご遺族に電話をして、お悔やみの言葉をお伝えした上で、「お線香を上げさせていただきたい」「是非お伺いしたい」と弔問の希望を伝え、ご遺族のご都合を確認します。
なお、その際にご遺族が「お気持ちだけで十分です」と遠慮なさることもあります。弔問をする際はご遺族の事情やお気持ちを考慮して判断するようにしましょう。
ご葬儀後に弔意を表す方法
日を改めて弔問する
ご遺族に事前に電話で確認をし、後日に弔問を許された場合は、弔問の日程に関してはご遺族に合わせるようにしましょう。
日を改めて弔問する際の時期として一般的によいとされているのは、ご葬儀・告別式が終わって3日ほど空けてから四十九日までがよいとされています。これは、ご葬儀・告別式の直後はご遺族がまだ様々な対応で忙しいこと、逆にご葬儀・告別式から日数が経ってしまってからではご遺族が弔問客を迎える準備がご負担となってしまうことなどが挙げられます。
なお、弔問する際の服装については、平服がマナーになります。喪服で弔問をしない理由としては、少しでもご遺族に悲しみを新たにさせないようにするため、といったご遺族に対する配慮によるものです。
男性は「ビジネススーツやジャケット」「スラックス」、女性は「ワンピースやアンサンブルスーツ」「落ち着いた色の訪問着」などがよいでしょう。
お悔やみの手紙を送る
お住まいが遠方であったり、ご遺族に弔問を辞退された場合は、「お悔やみの手紙」をお送りするのがよいでしょう。その際のポイントを以下に記載しましたのでご参照ください。
・ポイント1 お悔やみの言葉で冒頭を始める
お悔やみの手紙を書く際は、通常の手紙で用いる拝啓や謹啓といった「頭語」や季節を表す「時候の挨拶文」は必要なく、お悔やみの言葉から始めましょう。
- 御尊父様御他界なされた由、ただ驚くばかりで、お慰めの言葉もありません。
- ○○様がご急逝されたとのお知らせに接し、申し上げる言葉がありません。
- ○○様のご逝去を、心からお悔やみ申し上げます。 etc.
・ポイント2 弔問に伺えなかったお詫びを記載する
ご不幸を知らなかったことに対するお詫びを述べましょう。
- ご無沙汰しており、○○様の不幸を存知あげず、お悔やみも申し上げず失礼いたしました。
- ここ数年はご無沙汰していたために、○○様が亡くなられていたことも存じ上げず、弔問にもお伺いせず、申し訳ありませんでした。 etc.
・ポイント3 ご遺族を励ます言葉や気遣う言葉を書く
お悔やみの手紙は、故人様が亡くなられたことへの弔意を示すものになりますが、殊更に悲しみを強調してしまうのはご遺族の心情を考えるとあまり好ましくありません。そのため、ご遺族を気遣う言葉も書くようにしましょう。
- ○○様のご落胆は察するにあまりありますが、お子様たちのたちのためにも、くれぐれもご自愛ください。
- お力落としのことと存じますが、どうぞお気を強くお持ちください。 etc.
・ポイント4 忌み言葉は避ける
忌み言葉は、冠婚葬祭の場などでの使用を避けられる言葉になります。弔事においては、死を連想させる言葉や「重ね言葉」などが忌み言葉とされます。
重ね言葉 |
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重ね重ね(かさねがさね)/益々(ますます)/度々(たびたび)/重々(じゅうじゅう)/次々(つぎつぎ)/再三(さいさん)/いよいよ/くれぐれも/かえすがえす など |
繰り返しが連想されることば |
続く/引き続き/再び/再々/次に/なお/また/追って/追いかける など |
直接的な表現 |
死亡/逝去/死ぬ/生きる/存命中/自殺 など |
不吉な表現 |
浮かばれない/大変なことになる/消える など |
宗教・宗派で使っていけない言葉は避ける |
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・ポイント5 書式や形式にも気を付ける
お悔やみの手紙を用意する際は、使用する便箋や封筒、ペンなどにも注意が必要しましょう。
- 便箋は、基本的に「真っ白」なものを使いましょう。
- 便箋の枚数が2枚になってしまうと「重なる」に通じてしまうため、1枚に収めるようにしましょう。
- 書式は、手書きの縦書きになります。
- 使用するペンは、黒インクの万年筆や薄墨などを使いましょう。
- 封筒は、「不幸が重ならない」ように二重封筒は避けましょう。
<お悔やみの手紙の文例>
母上様ご逝去の報に接し、驚きと悲しみを深くしております。
ここ数年はご無沙汰していたために、母上様が亡くなられていたことも存じ上げず、弔問にもお伺いせずに申し訳ありませんでした。
母上様の太陽のような周りを暖かくする笑顔が今でも思い出されます。まだまだお元気でいらっしゃると思っておりましたのに、ご家族の皆様のご心痛はいかばかりかと存じます。
遅ればせながら、謹んでご冥福をお祈りいたします。
今は、さぞかしお力をお落としのことと存じますが、どうぞ気持ちを強く持って、ご家族のためにもご自愛ください。
心よりご冥福をお祈り申し上げます。
香典はどうするか
ご遺族の許可を得て弔問する際は、香典を持参するようにしましょう。なお、お悔やみの手紙と共に香典をお送りする場合は、「現金書留」で郵送します。現金書留は専用の封筒がありますのでそちらを使用して、その中にお悔やみの手紙と共に香典袋を入れましょう。その際は、お悔やみの手紙の中で香典を同封している旨を記載しておきましょう。
なお、香典をお渡しするとご遺族が香典返しを用意するご負担を掛けてしまうので、香典でなくお花や線香などをお渡しするほか、香典返しを辞退するのもよいでしょう。
間違えのない葬儀社の選び方や注意点をはじめ、さまざまな葬儀の知識・マナーを分かりやすくお伝えします。