2024年のお盆期間はいつからいつまで?地域ごとの違い、過ごし方を解説
お盆とは、ご先祖様の霊をお迎えして供養する仏教行事です。地域によっては盆踊りや打ち上げ花火などの行事が行われるため、すでに参加を検討している方も多いのではないでしょうか。
しかし、慣例行事に参加するには、いつからいつまでがお盆期間なのか把握しておかなければなりません。そこで今回は、2024年のお盆期間をはじめ、適切な過ごし方や伝統行事について詳しく解説します。
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2024年のお盆期間はいつからいつまで?
一般的に「お盆」と呼ばれる期間は、毎年8月13日〜16日までの4日間です。13日(お盆入り)にご先祖様の霊を迎え入れ、16日(お盆明け)に送り出すのが通例となっています。
しかし、お盆の時期は地域によって異なるため、上記の限りではありません。以下では、さまざまな視点から2024年のお盆期間について解説していきます。
2024年のお盆休みの期間
お盆休みとは、言葉のとおりお盆の期間に設ける休暇のことです。会社勤めの方であれば、お盆に長期休暇をいただくのが通例ですが、一般的には月遅れ盆(8月のお盆)を基準に休暇の日数が決められます。
2024年のお盆休みの期間は以下のとおりです。
・お盆入り:8月13日
・お盆の中日:8月14日、15日
・お盆明け:8月16日
2024年は8月13日〜16日までの4日間が基本的なお盆休みです。加えて、8月10日は土曜日、11日は祝日(山の日)、12日は振替休日にあたります。
さらに8月17日は土曜日、18日は日曜日のため、勤め先によっては最大で8月10日〜18日までの9連休の取得が可能です。お盆の予定が詰まっている方は、有給休暇を活用してリフレッシュ期間を設けてみてはいかがでしょうか。
会社や役所のお盆休みは?
前述のとおり、会社のお盆休みは月遅れの盆の時期に合わせて取得するのが通例となっています。したがって、会社勤めの方は8月13日〜16日までの4日間がお盆休みとなる可能性が高いでしょう。
一般的な企業とは異なり、役所ではお盆休みを設けていません。カレンダーどおりに開庁しているため、土日・祝日でなければ利用できます。
新盆(7月のお盆)を行う地域と期間
東京をはじめ、横浜・静岡・金沢などの一部地域では、新盆を採用しています。新盆とは、新暦7月に迎えるお盆のことであり、お盆期間は7月13日〜16日の4日間です。
旧盆(旧暦7月のお盆)を行う地域と期間
沖縄・奄美地方では、旧暦7月にお盆を迎える旧盆が定着している地域もあります。旧盆を採用している地域は、お盆の日程が毎年異なりますが、これは旧暦が月の満ち欠けを軸とする暦であるからです。2024年のお盆期間は8月16日〜18日、地域によっては19日までとなります。
月遅れ盆(8月のお盆)を行う地域と期間
新暦8月に迎えるお盆のことを月遅れ盆といい、全国のほとんどの地域はこの8月盆を採用しています。月遅れ盆の期間は、8月13日〜16日までの4日間です。
お盆の期間が地域によって違う理由は?
お盆の期間が地域によって違う理由は、それぞれの地域で重視する暦が異なるからです。元来、お盆という行事は、旧暦の7月15日を中心に行われていました。
しかし、明治時代に新暦が採用されたことにより、旧暦7月に行われていたお盆が新暦8月に行われるようになったのです。この改暦に伴い、地域による違いが生まれたといわれています。
お盆の意味、由来
お盆の正式名称は盂蘭盆会(うらぼんえ)といい、サンスクリット語で「逆さ吊り」を意味する「ウランバナ」が語源であるというのが通説です。盂蘭盆会は、お釈迦様の弟子である目連尊者(もくれんそんじゃ)が、亡き母を救ったという逸話に由来しています。
お釈迦様の弟子である目連尊者は、神通力の持ち主です。
神通力で亡くなった母親の姿を探したところ、餓鬼の世界に堕ち、逆さ吊りにされて苦しんでいることを知りました。
母親を救うため、目連は食べ物や水を差し出しましたが、口に入る直前に燃え尽きてしまいます。
なすすべがない目連は、お釈迦様に相談すると「夏の修行を終える7月15日に、すべての修行僧に食べ物や飲み物を施せば、その功徳により母を救えるであろう」と説かれます。
後日、目連はお釈迦様の教えのとおりに実践し、その功徳によって母親は極楽往生を遂げたそうです。
この逸話が中国から伝わり、日本でもご先祖様の供養を目的とするお盆が行われるようになったといわれています。ちなみに、日本では西暦606年に初めてお盆の行事が行われたそうです。
江戸時代以前のお盆は、貴族や僧侶などの上層階級で主に催されていました。しかし、江戸時代に入ると、お盆の風習が庶民の間にも普及し始めます。これは、仏壇や提灯などに欠かせないろうそくが大量生産され、安価に入手できるようになったことが大きく関係しているようです。
その後、お盆は宗教や地域によって独自の発展を見せ、現代では親族一同が集まってお墓参りをしたり、久しぶりの再会を楽しんだりする期間としても親しまれています。
お盆期間の過ごし方、やること
大切な仏教行事であるお盆ですが、どのように過ごすのがふさわしいのでしょうか。ここからは、お盆期間の過ごし方とやることについて解説していきます。
迎え火・送り火をしてご先祖様を迎える
お盆ではご先祖様の霊が迷わず帰ってこられるように、初日に玄関先や庭先で「迎え火」を行います。そして最終日には「送り火」を行い、ご先祖様の霊をお見送りするのです。
迎え火や送り火を行う際は、麻の皮を剥いで乾燥させた「おがら」を燃やします。ただし、現在の日本では野外で火を焚くことが難しいため、盆提灯を利用するケースが多いです。
仏壇にお盆飾り・お供えをする
お盆の期間中は、故人様への気持ちを形で表すために、仏壇に盆提灯を飾ったり、精霊馬(しょうりょううま)をお供えしたりするのが通例です。精霊馬とは、古くから伝わるお盆のお供え物のひとつで、ナスやキュウリを使って作る牛や馬の人形のことを指します。
また、精霊を迎え入れるための盆棚(精霊棚)は、迎え火を行う前までに準備をしましょう。盆棚の飾り方は地域や宗教によって異なるため、事前に確認しておくと安心です。
手土産やお供え物の選び方
お盆を迎えるご家庭には、お菓子や線香などの手土産を持参するのが一般的です。先方の負担を考慮し、後に残らないものや日持ちするものを選ぶと喜ばれるでしょう。
なお、お盆の挨拶としての手土産は2,000〜5,000円、仏壇のお供え物は3,000〜5,000円が金額相場の目安です。あまりに高価なものは先方に気を遣わせてしまう可能性がありますので、上記の金額を参考に贈り物を探してみることをおすすめします。
お墓参りをする
ご先祖様の霊をお迎えするお盆の時期には、ご家族でお墓参りをするのが通例です。日にちについては明確な決まりはありませんが、ご先祖様を迎え入れるという意味合いから、13日(お盆入り)のお墓参りが最適とされています。
お墓参りに行けない場合はどうする?
お盆の時期にお墓参りに行けない場合は、自宅で手を合わせ、時間があるときにお参りすれば問題ありません。本来、お墓参りはいつ行っても良いものですので、無理してお盆の時期にお墓へ行く必要はないといえます。
また、ご先祖様への感謝の気持ちを込めて、お土産やお供え物を宅配便で送るのも良いでしょう。しかし前述のとおり、お墓参りのタイミングは13日(お盆入り)が最適とされているため、贈り物はお盆に入る前までに届くよう配慮が必要です。
お盆にまつわる行事
ご先祖様の霊を供養するため、お盆の時期にはさまざまな行事が開催されます。最後に、特に有名なお盆にまつわる行事を4つ紹介します。
精霊流し・灯籠流し
長崎をはじめとする九州の一部では、故人様への弔いとして「精霊流し」と呼ばれる行事が行われます。ご遺族が手作りした船(精霊船)を曳きながら街中を練り歩き、故人様の霊を送り出す伝統行事です。
また、広島や京都などでは「灯籠流し」という行事が行われます。精霊流しとは異なり、灯籠流しはご先祖様の霊を送り出すために、小さな灯籠を川や海に流すのが特徴です。
盆踊り
全国各地で行われている「盆踊り」も、お盆にまつわる有名な行事のひとつです。夏祭りとしてのイメージが強いですが、本来は帰ってきたご先祖様の霊を供養するための踊りとされています。
なお、全国的に有名な「阿波おどり(徳島県)」や「郡上踊り(岐阜県)」も盆踊りの一種です。約700年前から続く「西馬音内(にしもない)の盆踊り(秋田県)」と合わせて、日本三大盆踊りと呼ばれています。
打ち上げ花火
夏の風物詩ともいえる「打ち上げ花火」は、江戸時代から続く歴史のある行事です。美しい花火には鎮魂の意味があることから、ご先祖様をお迎えするお盆の時期に打ち上げられるようになりました。
たとえば、約20,000発の花火を打ち上げることで有名な「長岡まつり大花火大会(新潟県)」は、戦争で命を落とした方々の鎮魂を目的としています。このように、打ち上げ花火には今を生きる方々の気持ちが重ねられているのです。
大文字送り火(大文字焼き)
毎年8月16日に開催される「大文字送り火」は、京都の夏を彩る伝統行事です。お盆に行われる送り火の一種で、ご先祖様の霊をあの世へ送り出すことを目的とします。
通常の送り火とは規模が異なり、京都を囲む5つの山に「大文字」「妙法」「船形」「左大文字」「鳥居形」の火が灯されるのが大きな特徴です。全国的に有名な行事であり、前述した特徴から「京都五山(ござん)の送り火」と呼ばれています。
まとめ
お盆には「旧暦」と「新暦」の2つの基準が存在するため、地域によってお盆の期間は異なります。多くの地域では旧暦を採用していますが、東京をはじめとする一部地域では新暦を採用していますので、この機会に一度確認してみると良いでしょう。
本記事で解説したように、お盆は日本人にとって大切な仏教行事です。ご先祖様の霊を供養するためには、やるべきことが多々ありますので、スケジュールに余裕を持って準備を進めていきましょう。
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