ご遺骨をご自宅に迎える際に行うこととは?ご自宅に迎える際の流れや用意するもの
火葬場で荼毘(だび)にふされたご遺骨は、お葬儀当日に埋葬されない場合は、ご遺骨をご自宅に迎えで安置します。これを「遺骨迎え」と言います。この遺骨迎えですが、一体どのようなことを行い、どのようなものを用意すればよいのか、分からない方も少なくないと思います。
この記事では、荼毘にふされたご遺骨の迎え方や遺骨迎えの際に用意しておくものなどについてご説明します。
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ご遺骨をご自宅に迎えるまで
火葬場でのお骨上げが終わると、骨壺は白木の箱に納められた上で、白布で包み喪主に手渡されます。手渡されたご遺骨は喪主が抱え、その両側に遺影と位牌を持ったご遺族の方が付き、喪主の車を先頭にして帰宅することになります。
なお、この時、白木の箱の中に「埋葬許可証」も一緒に納めてあることが一般的です。「埋葬許可証」はご遺骨を埋葬する際には必ずなければいけないものですので、大切に保管しておきましょう。
ご自宅に入る前は、火葬場に同行されていない方に柄杓(ひしゃく)に汲んだ水を両手にかけてもらう「清めの手洗い」や背中や方に塩を振ってもらう「清めの塩」で身を清めてから入っていただくことになります。しかし、最近では火葬場から戻られた方で清められる場合もあります。
遺骨迎えの儀を執り行う
地域の風習やしきたりによっては火葬後にご葬儀を執り行われたり、火葬の直後に納骨をされたりすることがありますが、ほとんどの場合、火葬されたご遺骨はご自宅に戻って、一般的に忌明けとなる四十九日まで祭壇で安置することになります。その際に執り行われるのが、「遺骨迎えの儀」となります。遺骨迎えの儀は、「安位諷経(あんいふぎん)」や「還骨法要(かんこつほうよう)」などとも呼ばれます。最近では初七日法要と一緒に執り行われるのが一般的となっています。
ご遺骨が安置される祭壇を「後飾り祭壇」と言いますが、後飾り祭壇にはご遺骨や位牌、遺影などを配置され、司式者による読経が執り行われます。その後、全員で焼香を行って、遺骨迎えの儀は終了となります。
遺骨迎え儀を執り行って以降は、ご遺族は忌明けとなる四十九日法要まで、ロウソクを灯し、線香をあげて故人様の冥福を祈ります。ご葬儀後に弔問に来られる方にも、後飾り祭壇で手を合わせてもらいます。
なお、神式のご葬儀の場合、本来は火葬後に墓地におもむいてご遺骨を埋葬します。しかし、近年では一旦ご自宅にご遺骨を持ち帰えられることが多いようです。なお、神式のご葬儀の場合、帰宅後に後飾り祭壇にご遺骨と遺影を安置し、「帰家祭」が執り行われます。
ちなみに、キリスト教式のご葬儀の場合、キリスト教ではそもそも火葬ではなく土葬のため、遺骨迎えの儀や帰家祭のような儀式は執り行われません。
後飾り祭壇の準備について
先述したように、荼毘にふされたご遺骨は四十九日を迎えるまで後飾り祭壇に安置されます(宗派によってはすぐにお仏壇にご遺骨を納めることもあります)。
後飾り祭壇は、ご葬儀当日に葬儀会場に向かう前に用意しておけば、後から準備に慌てずに済みます。なお、葬儀社のスタッフに相談すれば後飾り祭壇を用意してもらえます。
なお、後飾り祭壇は、火葬場に同行されなかったご遺族が用意しても問題ありません。その場合、ご自宅にある小机に白布をかけて、ご遺骨・位牌・遺影・線香・焼香台・鈴・灯明・花立て・供物をお供えしておきましょう。ご葬儀で使われたお花やお供え物も、後飾り祭壇にお供えしても問題ありません。
間違えのない葬儀社の選び方や注意点をはじめ、さまざまな葬儀の知識・マナーを分かりやすくお伝えします。