法事・法要の案内状が届いた際の正しい返信の仕方とマナーとは?
法事・法要の案内状を受け取り、出欠の返信をする際にもマナーがあることをご存知でしょうか。実は、受け取った案内状にある返信はがきに、出欠のどちらかに丸を付けてお送りするだけでは失礼にあたるのです。
この記事では、法事・法要の案内状に返信する際の書き方や送付に関する注意点などについてご説明します。
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案内状の返信は速やかに行う
法事・法要の案内状を受け取った際は、できるだけ速やかに返信をするようにしましょう。
法事・法要を主催する喪主やご遺族は、出席者の人数に合わせた引き出物や会食の手配をしなければいけません。速やかに法事・法要の返信をすることで故人様を偲ぶ想いにつながりますし、様々な手配をする喪主やご遺族への配慮にもなります。
なお、法要・法事の案内を受けた場合、特別な事情がない限りは出席するのが基本的なマナーとなります。
返信はがきの書き方
一般的に、法要・法事の案内状に返信はがき付いており、そちらを用いて出欠の回答を行いますが、返信はがきの書き方にはマナーがあります。以下で、「出席する場合の書き方」と「欠席する場合の書き方」についてまとめましたので、見ていきましょう。
法事・法要に際して声をかけてくださった喪主やご遺族に対して、寄り添う想いを表した返信はがきとなるように心掛けましょう。
法事・法要に出席する際の書き方
まず、はがきの表面に記載されている喪主やご遺族の宛名の下にある「宛」や「行」を、二重線で消します。その際、右側を上、左側を下にして斜めに消しましょう。「宛」や「行」を二重線で消したら、その左横に「様」を加えましょう。
次に、返信はがきの裏面にある「御欠席」の3文字全てを縦二重線で消します。その後「御出席」の「御」の字だけを、先ほどの「宛」や「行」と同様に斜め二重線で消し、「出席」の文字を丸で囲みます。その際、「出席」の下に「いたします」や「させていただきます」といった文言を追記すると、より丁寧な返信になります。
最後に、返信はがき裏面に記載されている「御住所」の「御」の字を「宛」や「行」と同様に斜め二重線で消して、ご自身の住所を下に記載します。さらに、「御住所」の隣にある「御芳名」の「御芳」を縦二重線で消して、ご自身の名前を下に記載します。
以上で法事・法要で出席する場合の返信はがきの記入は完了ですが、裏面にコメント欄や余白が十分ある場合は、そちらに一筆添えておくと更に丁寧な印象を与えます。喪主やご遺族と普段お会いする機会がない時などに、一筆添えておくとよいでしょう。ただし、はがき裏面にコメント欄や十分な余白がない場合は無理に記入しなくても問題ありません。
法事・法要に欠席する際の書き方
法事・法要を欠席する場合も、単純に欠席に丸を付けて終わりということではありません。欠席する理由を記載して、丁寧にお断りするよう努めるのが礼儀になります。
まず、「出席する場合」と同様に、はがきの表面に記載されている喪主やご遺族の宛名の下にある「宛」や「行」に、二重線で消します。その際、右側を上、左側を下にして斜めに消しましょう。「宛」や「行」を二重線で消したら、その左横に「様」を加えましょう。
次に、返信はがきの裏面にある「御出席」の3文字全てを縦二重線で消します。その後「御欠席」の「御」の字だけを、先ほどの「宛」や「行」と同様に斜め二重線で消し、「欠席」の文字を丸で囲みます。その際、「欠席」の下に「いたします」や「させていただきます」といった文言を追記すると、より丁寧な返信になります。
最後に、返信はがき裏面に記載されている「御住所」の「御」の字を「宛」や「行」と同様に斜め二重線で消して、ご自身の住所を下に記載します。さらに、「御住所」の隣にある「御芳名」の「御芳」を縦二重線で消して、ご自身の名前を下に記載します。
以上で法事・法要で欠席する場合の返信はがきの記入は完了ですが、裏面にコメント欄や余白が十分ある場合は、そちらに一筆添えておくと更に丁寧な印象を与えます。喪主やご遺族と普段お会いする機会がない時などに、一筆添えておくとよいでしょう。ただし、はがき裏面にコメント欄や十分な余白がない場合は無理に記入しなくても問題ありませんが、法事・法要のご案内をしていただいた喪主やご遺族のお気持ちを尊重して、別で「お詫び状」をお送りするとよいでしょう。
法事・法要を欠席する際のお詫び状の例文
法事・法要を欠席する場合、返信はがきと共にお詫び状を同封しても問題ありませんが、別にしてお送りする方がより丁寧です。なお、欠席する際に香典を郵送する場合は、現金書留で5,000円程度包むのが一般的です。
謹啓
このたびは、亡●●●●様の三回忌の法要のご案内をいただきまして、誠にありがとうございます。
大変にお世話になった●●様のご法要に会葬し、ご遺族の皆様と一ご緒してご冥福をお祈りしたかったのですが、自病を患っておりまして遠方へ出向くのは控えるように、と医師より指示を受けました。誠に申し訳ございませんが、当日は欠礼をさせていただきたく存じます。
心ばかりではありますが、御香料を送らせていただきました。どうぞ御仏前にお供えくださいますようお願い申し上げます。
ご家族の皆様におかれましては、くれぐれもよろしくお伝えください。
略儀ではありますが、これにて不参のお詫びとさせていただきます。寒さ厳しき折にて、ご家族皆様どうぞご自愛くださいませ。
謹白
なお、ご自身がケガや病気で療養をしているといった理由から欠席する場合は、「骨折をしており自宅で静養している」など具体的な事実を述べてしまっては先方に心配を掛けてしまいますので、具体的な病名などは伏せるようにしましょう。
謹啓
このたびは、亡●●●●様の三回忌の法要のご案内を頂戴いたしまして、誠にありがとうございました。
お世話になった●●様のご法要であり、ご遺族の皆様とご冥福をお祈りさせていただきたかったのですが、当日は取引先との会談がある日に当たります。誠に申し訳もございませんが、欠礼をさせていただきたく存じます。
心ばかりではありますが、別便にて御香料を送らせて頂きましたので、どうぞ御仏前にお供えくださいますようお願い申し上げます。
ご家族の皆様にもどうぞよろしくお伝えください。
略儀ではありますが、これにて不参のお詫びとさせていただきますことお許しください。寒さ厳しき折にて、ご家族皆様どうぞご自愛くださいませ。
謹白
返信用はがきを書く際は何で書けばいいの?
返信はがきを書く際はボールペンでも普通の筆ペンや筆でも問題ありません。丁寧に心を込めて返信はがきを書くのがマナーです。なお、法事・法要の返信はがきでは薄墨は使用しません。法事・法要は、急な知らせではなく、予め日程を決めた上で行われるため、「取り急ぎで墨がよく擦れなかった」や「涙で墨が薄まった」といった意味を持つ薄墨ではなく、普通の墨を使いましょう。
電話やメールで出欠席の返信をしてもいいの?
近年では法事・法要の案内状を出さずに、電話やメールで知らせる方も多くなってきました。このような時は、出欠席の連絡も電話やメールで行っても問題ありませんが、メールは相手がちゃんと確認したのかが送り手からは分からないため、メールで返信をしたら、喪主やご遺族に出欠席の連絡と確認を兼ねて電話を入れるとよいでしょう。
間違えのない葬儀社の選び方や注意点をはじめ、さまざまな葬儀の知識・マナーを分かりやすくお伝えします。