香典を郵送するときのマナーと香典に添えるお悔やみの手紙の書き方とは?
香典はご葬儀に参列する際に持参しますが、仕事の都合や遠方のなどのために参列できず、後日手渡しする場合もできないこともあると思います。そのような場合は、香典を郵送することになりますが、どのような点に気を付ければよいのでしょうか。
この記事では、香典を郵送する際に気を付けたいマナーやその際に添える手紙についてご説明します。
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郵送方法の決まり事と郵送するタイミング
普通郵便や宅配便などで現金を送ることは「郵便法」第17条で禁止されているため、香典を贈る際は郵便局の「現金書留専用封筒」を使用して郵送します。
ここで注意したいのが、現金を「現金書留専用封筒」に直接入れるのではなく、香典袋(不祝儀袋)に入れるという点です。したがって、「現金書留専用封筒」の大きさは香典袋(不祝儀袋)が入る大きさのものを選びましょう。
また、香典を郵送する際には手紙を添えておきましょう。手紙は必ずしも必要ではありませんが、お悔やみの気持ち一言添えておくだけで、非常に丁寧な印象を与えてくれるからです。
香典を郵送するタイミングですが、ご葬儀まであまり時間がないようであれば、ご葬儀を執り行ってから2,3日後を目安に喪主のご自宅に香典を郵送しましょう。逆にご葬儀まで時間があるようであれば、ご葬儀会場「気付」で郵送しましょう。なお、ご葬儀会場によっては郵送された香典の受取に対応していないことがありますので、万が一のためにも事前にご葬儀会場に確認をしておきましょう。
使用する香典袋(不祝儀袋)は何を使うの?
使用する香典袋(不祝儀袋)は、故人様の宗教に合わせたものを選ぶのがマナーです。例えば、蓮の花が印刷された香典袋は仏式で使用し、無地の熨斗袋(のしぶくろ)に白黒や双銀の水引が掛かっている香典袋は神式で、ユリの花や十字架が描かれた香典袋はキリスト教式で使用しますので気を付けしましょう。なお、故人様の宗教が分からないようであれば、水引は白無地で白黒もしくは双銀の結びきりを選びましょう。
宗教宗派ごとの香典袋や香典袋の表書きに関しては以下の記事で詳しく取り上げていますので、ぜひご参照ください。
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先ほども述べましたが、香典を郵送する際、手紙を添えたほうが非常に丁寧な印象を与えますので、可能であれば手紙を書きましょう。その際のポイントを以下になります。
時候の挨拶などの前文はいらない
手紙を書く際は、「頭語」と呼ばれる拝啓のような言葉やや「時候の挨拶」などを書きますが、香典に添える手紙となるお悔やみの手紙の場合はそのような前書きは必要ないため、すぐに本題から入りましょう。
ご遺族を気遣う言葉などを綴る
お悔やみの手紙は故人様が亡くなられてしまったことへの弔意を示すものですが、改めて悲しみを強調するのは好ましくありません。そのため、手紙にはご遺族を気遣う言葉を多く綴りましょう。
手紙を述べている理由を綴る
お悔やみはご遺族に直接お会いして述べるのが正しい方法であり、手紙はあくまで略式です。そのため、ご葬儀に参列できない理由と合わせてお詫びを書きましょう。
薄墨を使って書く
お悔やみの手紙は本来薄い墨で書きますが、薄墨がない場合は弔事用の薄墨の筆ペンで書いても問題ありません。しかし、鉛筆やボールペンは失礼にあたりますので、使用を避けましょう。
「忌み言葉」は使用しない
忌み言葉とは、「死に対する直接的な言葉」や「重ね言葉」を指し、「不幸を繰り返す」「不幸が重なる」といったことを連想させるため避けましょう。
重ね言葉 |
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重ね重ね(かさねがさね)/益々(ますます)/度々(たびたび)/重々(じゅうじゅう)/次々(つぎつぎ)/再三(さいさん)/いよいよ/くれぐれも/かえすがえす など |
繰り返しが連想されることば |
続く/引き続き/再び/再々/次に/なお/また/追って/追いかける など |
直接的な表現 |
死亡/逝去/死ぬ/生きる/存命中/自殺 など |
不吉な表現 |
浮かばれない/大変なことになる/消える など |
宗教・宗派で使っていけない言葉は避ける |
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香典を郵送する際の手紙の例文
ご葬儀に参列できなかった場合
このたびは、思いがけないことで、お悔やみ申し上げます。
突然のことで言葉がございません。お力落としのことと存じますが、どうぞ気持ちを強くお持ちになり、くれぐれもご自愛くださいませ。
本来であれば、すぐにでもお伺いするところではございますが、遠方のためかなわないことをどうかお許しください。
心ばかりのものを同封いたしましたので、御霊前にお供えいただければと存じます。
ご葬儀後に訃報を知った場合
このたびは、ご母堂様の訃報を受け、驚きと悲しみを深くしております。
かねてよりご療養中とは存じておりましたが、ご弔問にもお伺いせず申し訳ございませんでした。
遅ればせながらご母堂様のご冥福をお祈りしたいと思います。
同封のものは心ばかりのものですが、ご母堂様のお好きだったものを御霊前にお供えいただければと存じます。
間違えのない葬儀社の選び方や注意点をはじめ、さまざまな葬儀の知識・マナーを分かりやすくお伝えします。