飛行機でご遺体を搬送するには?流れやかかる時間、費用について解説

ご遺体搬送では陸路を使うのが一般的ですが、さまざまな事情から飛行機を使うこともあります。その場合、具体的にどのような準備を行えば良いのでしょうか。
本記事では、飛行機によるご遺体搬送の流れについて解説します。所要時間や費用の目安、搬送をスムーズに進めるためのポイントもご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
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飛行機でのご遺体搬送が必要となるケース
故人様が遠方でお亡くなりになった場合、ご遺体搬送に飛行機が使われるケースもあります。その一つが陸路では時間がかかりすぎる場合です。代表的な例としては、海外での死亡が挙げられます。
また、費用を節約するために飛行機が選ばれることも珍しくありません。国内の死亡であっても、高速料金や人件費などのコストがかさみ、結果として飛行機のほうが安く済む場合もあります。
飛行機でご遺体を搬送する流れ・かかる時間
ご遺体を飛行機で搬送するにはさまざまな準備が必要です。ここからは、飛行機を使用する場合の手続きの流れや搬送にかかる時間の目安について解説していきます。
国内搬送の場合
国内でのご遺体搬送については、葬儀社に依頼するのが基本です。まずは葬儀社に連絡し、飛行機での搬送を希望する旨と故人様の情報(氏名・年齢・身長・体重)などを伝えましょう。
その後、空輸の手続きに必要な死亡診断書(または死体検案書)、死亡届の写しを提出します。書類の提出を済ませたら、葬儀社にご遺族が飛行機に同乗するかどうかをお伝えください。
これらの手続きを行い、搬送費用や飛行機代を支払えば、ご遺体搬送の開始です。到着先の空港には葬儀社の方が待機しており、専用車両でご遺体を安置場所まで搬送してくれます。国内搬送は1日で完了することがほとんどです。
海外からの搬送の場合
海外からの搬送に関しては、国ごとに手続きの方法が異なるため、現地の大使館や領事館との連携が不可欠です。ご家族の方が海外で亡くなられたときは、情報を受け取った日本の外務省がご遺族に連絡します。
外務省から連絡を受けた後、ご遺族は現地に向かわなければなりません。これはご遺体が本人であるかどうかを確認するためです。ご遺体の確認を終えたら、空輸の手続きに必要な書類の収集を行います。
●故人のパスポート
●死亡診断書
●遺体証明書
●防腐証明書(エンバーミングを施した場合)
必要書類を集めたら、航空便と葬儀社を手配しましょう。現地の空港までご遺体を搬送するときは、領事館の職員や葬儀社のスタッフに協力を仰ぎながら行います。ご遺体の検査が完了すると、国内への搬送が開始され、日本到着後に安置場所へとご移送されるのが基本的な流れです。
また、海外からの搬送は移動距離の長さや手続きの進行状況などにより、所要時間が大きく変動します。以下の表に、主要地域からの搬送にかかる時間の目安をまとめましたので、参考としてご覧ください。
出国先 | 遺体搬送にかかる時間(フライト時間) |
---|---|
韓国・中国 | 約2〜5時間 |
東南アジア | 約4〜8時間 |
北米(アメリカ・カナダ) | 10時間前後 |
ヨーロッパ(EU圏) | 10時間以上 |
飛行機でのご遺体搬送にかかる費用
飛行機でのご遺体搬送にはどれくらいの費用がかかるのでしょうか。ここでは、国内と海外に分けて、費用の目安をご紹介します。
国内搬送の費用
国内搬送にはおおよそ150,000〜350,000円の費用がかかります。費用の大まかな内訳は以下のとおりです。
●人件費
●病院や空港までの移動費用
●搬送するまでの安置費用
●空輸代
●シーツ代
●ドライアイス代
●納棺にかかる費用(湯灌や白布棺の代金)
なお、ご遺体は法律上、貨物として扱われます。重量が100kgを超えたり、大きな棺を使ったりすると、追加料金が発生することも覚えておきましょう。
海外から搬送する費用
海外搬送にはおおよそ1,000,000〜1,500,000円の費用がかかります。費用の大まかな内訳は以下のとおりです。
●航空運賃
●エンバーミング費用
●人件費(手続きの代行業務を含む)
●遺体の安置費用
●寝台車の手配料金
●航空機用の棺代および棺の解体費用
国や地域にもよりますが、航空運賃は約200,000〜500,000円、エンバーミング費用は約200,000〜300,000円が目安です。加えて、人件費をはじめとする諸経費は200,000〜700,000円程度が目安となります。
また、ご遺体の確認と搬送に必要な手続きを行うため、ご遺族は現地に向かわなければなりません。したがって、ご遺族の渡航費や滞在費も必要です。
飛行機でのご遺体搬送にエンバーミングは必要?
ご遺体を飛行機で搬送するときは、「エンバーミング」と呼ばれる処置を施す必要があります。ここでは、エンバーミングについて分かりやすく解説します。
エンバーミングとは
エンバーミングとは、ご遺体の腐敗を遅らせる処置のことです。この処置はご遺体の殺菌・消毒・防腐・修復などを目的に、専門の資格を有する「エンバーマー」が行います。
エンバーミングのやり方については、まずご遺体の洗浄処置を行い、その後に動脈から防腐剤を注入します。これにより、ご遺体を長期的かつ衛生的に保全することが可能です。
エンバーミングが必要となるケース
エンバーミングが必要となるケースとしては、主に以下の4つが挙げられます。
●ご葬儀まで日数がかかる場合
●感染症のリスクがある場合
●元気であった頃の姿で見送りたい場合
●海外から搬送する場合
なお、ご遺体を海外から国内に搬送する際は、安全性の観点からドライアイスを使うことができません。さらに到着まで時間がかかるため、エンバーミングを施す必要があります。国内搬送でもエンバーミングが必要となるケースもありますが、基本的にはドライアイスによる処置のみで搬送することが可能です。
エンバーミングの費用相場
エンバーミングの費用は200,000円前後が相場です。施術費用はご遺体の状態に左右されるため、場合によっては高額になることもあります。
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以下でご紹介する4つのポイントを押さえておけば、もし飛行機でのご遺体搬送が必要になった場合に、よりスムーズに進めることができます。いざというときの準備にお役立てください。
早めに葬儀社へ相談する
前述のとおり、ご遺体搬送は葬儀社に依頼するのが一般的です。その際には故人様の情報を伝えたり、段取りを決めたりする必要があるため、早めに相談するようにしましょう。
航空会社の規定を確認する
ご遺体を飛行機で搬送する場合は、各航空会社の規定に従って納棺しなければなりません。そのため、ご遺体搬送をスムーズに進めるためには、事前に航空会社の規定を確認しておくことも重要です。
搬送前後の手続きを確認する
飛行機でのご遺体搬送を行うには葬儀社の手配や死亡届の提出などさまざま手続きが必要です。搬送前後の手続きを確認し、先にできることから取り掛かれば、ご遺体搬送をよりスムーズに進められるでしょう。
在外公館に相談する(海外搬送の場合)
海外搬送に関する助言や情報提供は、在外公館(現地の大使館や領事館)が行っています。手続きをスムーズに進めるためには、在外公館との連携が欠かせないため、一刻も早く今後の対応について相談することをおすすめします。
まとめ
故人様が遠方でお亡くなりになった場合、飛行機でのご遺体搬送が必要となるケースもあります。飛行機を使用する場合にはさまざまな手続きや書類が必要になるため、早めに葬儀社へ相談し、着実に準備を進めましょう。
また、海外搬送に関しては、手続きの方法が出国先によって異なります。そのため、現地の在外公館に相談し、正確な情報を得ることが重要です。
間違えのない葬儀社の選び方や注意点をはじめ、さまざまな葬儀の知識・マナーを分かりやすくお伝えします。