初盆のお供え物の選び方は?金額相場やタイミング、渡し方も解説

これから初盆を迎える方の中には、お供え物について悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。供物としてふさわしいものもあれば、NGとされているものもあるため、事前に確認しておくと安心です。本記事では、初盆に適したお供え物や金額相場、渡す際のマナーなどについて解説します。
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初盆(新盆)とは?
初盆(新盆)とは、故人様が亡くなられた後(忌明け後)に初めて迎えるお盆のことを指します。四十九日前にお盆を迎える場合は、翌年に初盆を行うのが一般的です。
初盆は、故人様の霊が初めて里帰りする日とされています。そのため、この日には僧侶や親族、故人様とゆかりの深かった方々をお招きし、通常のお盆より手厚く供養するのが通例となっています。
初盆のお供え物に適しているもの
初盆のお供え物は消費することでなくなる物品、いわゆる「消え物」が良いとされています。加えて、香・花・灯燭(とうしょく)・浄水(じょうすい)・飲食(おんじき)の5つからなる「五供」をもとに選ぶのが一般的です。ここでは、初盆におけるお供え物の定番を4つご紹介いたします。
線香・ろうそく
線香は五供の香、ろうそくは五供の灯燭にあたるお供え物です。いずれも故人様の供養に欠かせないものであり、また使用期限がないことから、初盆のお供え物としてよく選ばれています。
花
五供に含まれる花も、初盆のお供え物に適しています。ただし、仏教では棘(とげ)がある花や香りが強い花、つる性の花などをお供えするのはふさわしくないとされているため、これらは避けたほうが無難です。
日持ちするお菓子
初盆のお供え物として、日持ちするお菓子を選ばれる方は非常に多いです。お菓子は比較的食べやすく、さらに日持ちするものは急いで消費する必要がないため、ご遺族にとって負担が少ないお供え物といえるでしょう。
日持ちするお菓子にはクッキーやおせんべいなどの焼き菓子、ゼリーや羊かんなどの水菓子があります。地域にもよりますが、法要後にお供え物を参列者にお配りすることもあるため、基本的には個包装になっているものを選ぶのがおすすめです。
盆提灯
盆提灯とは、お盆の時期に玄関や仏壇周りに飾る提灯のことです。この提灯は故人様の霊が迷わず家に帰ってこられるように目印として飾ります。初盆では、「白提灯」を飾るのが一般的です。
初盆のお供え物としてふさわしくないもの
初盆にお供え物を捧げるのは伝統的な風習ですが、何をお供えしても良いというわけではありません。ここからは、初盆のお供え物としてふさわしくないものを5つご紹介していきます。
生もの(肉・魚など)
生ものは日持ちしないため、お供え物としてふさわしくありません。加えて、生の肉や魚は「四つ足生臭もの」と呼ばれており、殺生を連想させることから、お供えすべきではないとされています。
香りが強すぎるもの
香りが強すぎるものも、お供え物には適していません。仏教では刺激的なにおいは修行の妨げになると考えられており、また仏様が香りを召し上がるという考えもあるため、においが強いものをお供えするのはNGとされています。
例えば、ニンニクやマンゴーなどの食べ物、ユリやカサブランカなどの花は避けるのが望ましいです。強い香りは参列者に不快感を与える原因にもなりかねないため、お供え物を持参するときは、香りにも気を配ることが求められます。
故人様が好きだった、愛用していたもの
初盆は故人様が亡くなられてから日が浅いこともあり、ご遺族の中には心の整理がついていない方もいらっしゃるでしょう。そのような場合、故人様が生前好んでいたものを目にすることで、精神的に辛くなってしまうかもしれません。そのため、故人様が好きだったものや愛用していたものをお供えするのは、基本的には避けたほうが良いでしょう。
お祝いの品として使われるもの
お盆は弔事に該当するため、お祝いの品として使われるものをお供えするのはふさわしくありません。お祝いの場で贈られるものとしては、昆布やかつお節などが挙げられます。お盆には追善供養の意味があり、決しておめでたい席ではないため、慶事のイメージが強いものは選ばないようにしましょう。
宗教・宗派上避けるべきもの
宗教・宗派で避けられているものをお供えするのはマナー違反です。例えば、仏教では殺生をイメージさせる肉や魚、五辛(ごしん)と呼ばれる辛味や臭気が強い野菜(ニンニク、ネギ、ニラ、らっきょう、玉ねぎ)などがそれに該当します。故人様の宗教・宗派にも配慮して、適切なものをお供えしましょう。
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詳しく見る初盆のお供えの金額相場は?
初盆のお供えの金額相場は、品物のみ渡す場合と現金(香典や提灯代)とあわせて渡す場合で異なります。ここでは、2つのケースに分けて、一般的な金額相場をご紹介します。
お供え物のみを渡す場合
お供え物のみを渡す場合、故人様との縁や関係が深い方は5,000〜10,000円程度が相場となります。それ以外の方は3,000〜5,000円が一般的な相場です。このように、初盆のお供えは故人様との関係性を考慮しつつ、適切な金額を見極めることが求められます。
香典や提灯代も包んで渡す場合
香典や提灯台も包んで渡す場合、その金額相場は3,000〜10,000円程度です。品物と現金の両方をお渡しするときは、相場から大きく外れないよう、バランスを考えて金額を決める必要があります。
なお、初盆のお供え物や香典・提灯代の相場は、故人様との関係性だけではなく、地域や宗教・宗派によっても変わってきます。不安な方は初盆を迎える前に、信頼できる方に相談しておくと安心です。
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詳しく見る初盆のお供え物の包み方
初盆のお供え物を用意するときは、包み方にも注意しなければなりません。ここからは、のしや水引の選び方、表書きの書き方について解説していきます。
のし・水引の選び方
初盆のお供え物には「掛け紙」を選び、外のしで包みます。外のしとは、包装紙の上からのし(掛け紙)をかけることです。ただし、お供え物を送付する場合は、のしに折れ目や汚れがつくのを防ぐため、内のしが良いとされています。
また、水引は双銀・黒白・黄白の結び切りが一般的です。水引の色に関しては、地域による違いがあるため、事前に確認しておきましょう。
表書きの書き方
初盆の場合、表書きは「御供」や「御仏前」、「新盆御見舞(にいぼんおみまい)」とするのが一般的です。そして、表書きの下には送り主の氏名を記入します。連名の場合は、目上の方が右側に来るように書くのがマナーですが、人数が多い場合は「〇〇一同」と書いても問題ありません。
初盆のお供え物の渡し方
お供え物の包み方に続いて、渡し方についても解説していきます。いざというときに失礼にならないよう、基本的なポイントを押さえておきましょう。
お供え物を渡すタイミング・挨拶
初盆のお供え物は、法要で会場に訪れたときやご自宅に伺ったときに、ご遺族へ直接お渡しするのが通例です。受付がある場合は、そちらに預けることになります。
また、お供え物を渡すときは、「〇〇さん(故人様の名前)にお供えください」などと一言添えましょう。ご遺族への挨拶を添えることで、より丁寧な印象を与えられます。
訪問が難しく、郵送する場合の対応
初盆法要の参列やご自宅への訪問が難しい場合は、お供え物を郵送しても問題ありません。その場合、お供え物は初盆法要の1週間前から前日までに届くよう手配しましょう。
初盆に限った話ではありませんが、お供え物を郵送するときは、その旨を事前に伝えておくことも重要です。事前に連絡しておけば、ご遺族に負担をかけることもありません。
初盆のお供え物をいただいた場合のお返しについて
初盆のお返しは、お菓子や素麺など日持ちする食品、洗剤やタオルの詰め合わせなど日用品が人気です。お返しの金額に厳密な決まりはありませんが、一般的にはいただいた金額の半額から3分の1程度が相場とされています。
初盆のお返しは早めに渡すのがマナーであり、法要に参列していただいた方にはその場でお渡しするのが一般的です。相手に負担をかけないよう、返礼品の金額はもちろん、重量にも気を配りましょう。
まとめ
初盆は、故人様が亡くなられてから初めて迎えるお盆であり、手厚い供養を行うという風習があります。お供え物は供養に欠かせないものですが、何をお供えしても良いというわけではありません。故人様やご遺族に失礼のないよう、しきたりやマナーを確認した上で、適切なお供え物を用意しましょう。
間違えのない葬儀社の選び方や注意点をはじめ、さまざまな葬儀の知識・マナーを分かりやすくお伝えします。