神道のお盆とは？時期や仏教との違い、迎え方・過ごし方について解説

神道のお盆とは？

神道のお盆はご先祖様の霊がご家族のもとへ帰ってくる期間とされています。仏教と同様に、神道もお盆の期間にはご先祖様の霊をお迎えし、供養するのが一般的です。

そもそもお盆とは、仏教の「先祖供養」と神道の「祖先崇拝」が習合して生まれた行事といわれています。そのため、仏教と神道のお盆にはそこまで大きな違いはありません。

神道における「お盆」の考え方

神道ではお盆の期間にご先祖様の霊を敬い、感謝の気持ちを伝えることで、ご先祖様からの祝福を受けられると考えられています。加えて、神道のお盆には1年間ご家族が無事に過ごせたことや、両親の健康と長寿をお祝いするおめでたい行事としての側面があるようです。

神道のお盆の時期

地域ごとに採用しているお盆の時期はことなりますが、神道のお盆の時期も7月13日～16日、もしくは8月13日～16日の4日間をお盆としています。

仏教のお盆との違い

仏教のお盆との違いとしては、初盆（初めて迎えるお盆）の考え方が挙げられます。仏教では四十九日を過ぎていない場合は翌年のお盆が初盆となり、神道では故人様が亡くなってから初めて迎えるお盆が初盆となります。

また、お供え物にも違いがあり、仏教のお供えは精進料理、神道のお供えは神饌物が基本です。このように、仏教と神道のお盆を比べると、細かい違いが見られます。

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神道のお盆の迎え方

神道のお盆の迎え方は、仏教とほとんど変わりません。大まかな流れは以下のとおりです。

神道でもお盆を迎えるときには、お供え物の用意や祭壇の設置など、事前準備から始まります。それでは、神道のお盆の迎え方について詳しく見ていきましょう。

お供え・祭壇の飾り付け（神饌物や花など）

お盆には「盆棚（精霊棚）」と呼ばれるご先祖様を迎え入れるための祭壇を設置します。神道ではこの祭壇に神饌物（水・酒・米・塩・果物など）をお供えし、ナスやキュウリで作った牛や馬を飾るのが通例です。

また、神道では花の代わりに榊を立てます。お供え物に関する風習は地域差があるため、事前に確認しておくと安心です。

盆提灯

神道でも盆棚の両脇に「盆提灯」を飾ります。この提灯はご先祖様の霊が家に戻られるときに迷わないよう目印として飾るものです。神道では蓮の模様が入った提灯ではなく、白い提灯を飾ります。

迎え火・送り火

迎え盆（13日）の夕方には迎え火を、送り盆（16日）の夕方には送り火を炊きます。いずれも玄関や軒先などでおがら（麻の茎を乾燥させたもの）に火をつけるのが一般的です。そこから出る煙に乗って、ご先祖様の霊があの世とこの世を行き来すると考えられています。

神道のお盆に関するマナー

最後に、神道のお盆に関するマナーを4つの項目に分けてご紹介します。神道においてもお盆は大切な行事とされていますので、この機会に基本的なマナーを押さえておきましょう。

お墓参りのマナー

神道のお墓参りでは水・酒・米・塩といった神饌物をお供えします。加えて、神道では線香をあげず、その代わりとして榊（玉串）をお供えするのが基本です。

供物を捧げた後は、お墓に向かって二礼二拍手一礼を行います。これは神道における拝礼作法ですが、故人様が亡くなってから50日以上経っていない場合は、拍手の際に音を立てないのがマナーです。

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服装のマナー

神道の初盆では、平服を着用するのが好ましいとされています。初盆は、故人様の霊が初めて里帰りするお盆であり、通常のお盆より手厚く供養するのが一般的です。

以上のことから、神道の初盆を迎えるときは、黒と白を基調としたフォーマルな服装がふさわしいといわれています。ただし、服装に関するマナーは地域によって異なるため、不安な方は周囲に相談してみると良いでしょう。

祭祀料や香典のマナー

神主様にお渡しする祭祀料の表書きは、濃墨で「御祭祀料」や「御礼」と書くのが通例です。祭祀料の金額はおおよそ100,000〜500,000円が相場となります。実際に包む金額は神主様の人数や儀式の内容などによって大きく変わるため、事前に確認しておきましょう。

また、訪問先にお渡しする香典の表書きは、「御玉串料」「御榊料」「御神前」と書くのが一般的です。故人様との関係にもよりますが、香典の金額は5,000〜30,000円程度が目安とされています。

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お返しのマナー

お盆のお返しは、消えものが基本です。消えものとは、お菓子などの食べ物や洗剤などの消耗品のように、後に残らないものを指します。手元に残るものをお返しすると、相手に負担をかける可能性があるため、お供え物や香典のお返しには消えものを選ぶのが無難です。

また、初盆のお返しを送るときは、のし紙と挨拶状を添えましょう。のし紙には「志」や「初盆志」などと記載し、挨拶状には無事に初盆を終えられたことなどを記載します。お住まいの地域のルールに則って、のし紙と挨拶状を用意するようにしましょう。

まとめ

お盆とは、ご先祖様への感謝の気持ちを込めて行われる日本の伝統行事です。その目的は先祖供養であり、仏教・神道のどちらにもご先祖様の霊をお迎えし、おもてなしをする風習があります。より良い供養を実現させるために、本記事が少しでも参考になれば幸いです。