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棚経とは?意味や受ける際の準備、当日のマナーについて解説


棚経とは?意味や受ける際の準備、当日のマナーについて解説

お盆の時期にはさまざまな行事が行われますが、その一つに「棚経」というものがあります。棚経は仏教の法要の一つですが、具体的にどのような法要なのか気になっている方もいらっしゃるでしょう。

そこで今回は、お盆の時期に行われる棚経について分かりやすく解説します。必要な準備や当日のマナーについてもご説明しますので、ぜひ参考にしてください。

コンテンツ

棚経とは?

棚経とは、お盆の時期に行われる仏教の法要のことです。僧侶が檀家の家を訪ね、精霊棚(しょうりょうだな)や仏壇の前でお経を唱えます。

ご先祖様を迎えるために用意した棚(祭壇)の前でお経を唱えることから、棚経と呼ばれるようになったそうです。ここでは、棚経の基本知識をご紹介します。

棚経の意味・目的

棚経はご先祖様への感謝の気持ちや仏様への祈りを捧げるための法要です。僧侶がお経を読み上げ、その後に親族がお線香をあげて手を合わせます。

棚経の由来・歴史

棚経の起源は、江戸時代まで遡ります。当時の日本は幕府の方針により、キリスト教を信仰することが禁じられていました。それでも密かにキリスト教を信仰する者、いわゆる「隠れキリシタン」が散見され、その者たちを摘発するために始まったのが棚経だといわれています。

仏教徒を装った隠れキリシタンは、仏壇の引き出しや位牌の裏に十字架やマリア像といった礼拝に必要なものを隠していることが多かったそうです。そのため、棚経に来た僧侶がお経を唱えながら(唱えるふりをして)、キリスト教に関連するものの有無を確認していたといわれています。

棚経の在り方は時代の流れとともに変化しており、宗教の自由が保障されている現代では、追善供養の一つとして位置付けられています。

棚経を行うタイミング

棚経は、お盆の期間中に行うのが一般的です。檀家数が多い寺院の場合、すべての家を訪ねることが難しいため、お盆よりも前に棚経を行うこともあります。この時期の寺院は非常に忙しいので、棚経を依頼するのであれば、早めに依頼したほうが良いでしょう。

棚経を受ける前の準備

棚経を行うためには、さまざまな準備が必要です。ここからは、棚経を受ける前の準備について詳しく解説していきます。

棚経の依頼方法

棚経は、菩提寺に依頼するのが基本です。遠方に住んでいるなど特別な事情がある場合は、菩提寺に相談した上で、お住まいの近くにある寺院に依頼すると良いでしょう。

なお、棚経を一度依頼すると、翌年からはお盆前に寺院のほうから棚経の案内が届くことが多いです。しかし、これはあくまで一般的な傾向であり、案内の有無は寺院によって異なるため、最初に依頼するときに確認しておきましょう。

お供え物の準備

仏教では、お盆の時期に精霊棚(盆棚)を設置し、その棚にお供え物を飾るのが通例です。精霊棚とは、お盆の時期にご先祖様を迎え入れるための祭壇であり、お供え物を飾るための棚でもあります。

お盆の時期にふさわしいお供え物は、季節の野菜や果物などです。これは「百味五果(ひゃくみごか)」という教えによるもので、百味は「たくさんの美味しいもの」、五果は「瓜・茄子・麺・饅・餅」の5種類のことを指します。精霊棚やお供え物は、お盆の前日までに用意するのが望ましいです。

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お布施の準備

棚経を受ける場合は、僧侶にお渡しするお布施も用意しなければなりません。お布施はあくまで謝礼であり、包む金額に明確な決まりはありませんが、一般的には5,000〜20,000円ほどお渡しすることが多いようです。お布施の金額相場は寺院との関係性(檀家であるかどうか)に加えて、地域によっても変わるため、詳しい方に一度相談してみると良いでしょう。

また、お布施の表書きは「お布施」または「御布施」と書き、その下に氏名を書きます。その際、使用する墨は濃墨(通常の墨)で問題ありません。

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御車代や御膳料は必要?

自宅まで足を運んでいただいた僧侶には、交通費として御車代を渡すのが一般的です。御車代の相場は5,000〜10,000円程度とされていますが、実際に包む金額は菩提寺から自宅までの距離や寺院の考え方によっても変わるため、あくまで参考程度に留めておきましょう。

また、僧侶が棚経の後の会食を辞退された場合は、食事代に相当する「御膳料」をお渡しすることが多いです。御膳料の相場も5,000〜10,000円程度とされています。

棚経を受ける当日のマナー

法要にはマナーがつきものですが、棚経を受ける際にはどのような点に気をつければ良いのでしょうか。ここでは、棚経を受ける当日のマナーについて解説します。

服装について

棚経は身内だけで行うことから、参列者の服装は「普段着」で問題ないといわれています。ただし、棚経は追善供養であるため、華美な服装や肌の露出は避け、落ち着いた色味の服装で参列するのが望ましいでしょう。

また、新盆には故人様の友人や知人をお招きして、法要や会食を行うのが一般的です。そのため、新盆では喪服や礼服を着用するのが通例となっています。

僧侶の迎え方について

棚経で僧侶をお迎えするときは、できるだけ快適な環境を整えるのがマナーとされています。お盆の時期は気温が高く、さらに僧侶は多忙な日々を過ごしているため、快くお経を唱えていただけるような配慮が必要です。

日本の夏は非常に暑いので、クーラーや扇風機などを使って部屋を涼しくしておきましょう。熱中症対策の観点からも、部屋を涼しくすることは重要なポイントといえます。余裕がある場合は、おしぼりや茶菓なども用意しておきましょう。

棚経後の会食やおもてなしについて

棚経の後には、会食を行うことも多いです。法要後に行う会食のことを「お斎(おとき)」といい、参列者に対するお礼として食事や茶菓を振る舞います。仏教には殺生を禁じる戒律があるため、精進料理をお出しするのが一般的ですが、近年では食材や調理方法にこだわらないご家庭が増えてきています。

お布施の渡し方について

お布施は渡す直前に袱紗(ふくさ)から取り出し、切手盆や袱紗の上にのせて両手で差し出すのがマナーです。直接手渡しするのはマナー違反ですので、間違えないようご注意ください。

宗派ごとの棚経の違い

棚経は仏教の法要ですが、その内容は宗派によって異なります。以下の表に、代表的な宗派の棚経の特徴をまとめましたので、そちらもあわせてご覧ください。

宗派 棚経の特徴
曹洞宗 ・故人様の 食事を用意する(1日3食+午前・午後のおやつ)
・最終日に「精霊流し」を行う地域がある
浄土真宗 棚経を行わない(自宅に僧侶を招いたり、歓喜会に参列したりすることはある)
真言宗 一般的なお供え物に加えて、水の子や閼伽水(あかすい・あかみず)もお供えする

このように、棚経の内容が宗派によって異なるのは、死生観の違いが大きく関係しています。例えば、浄土真宗では「人は亡くなるとすぐに成仏する」と考えられているため、一般的なお盆の行事は行いません。棚経を依頼するときは、それぞれが信仰する宗派の教えにも注目しながら、着実に準備を進めましょう。

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まとめ

棚経とは、お盆の時期に行われる法要であり、現代では追善供養の一つとして認知されています。棚経を行うためには、お供え物やお布施などの準備が必要です。お盆の時期の寺院は非常に忙しいため、棚経を受けたいと考えている方は、早めに依頼することをおすすめします。

記事の制作・編集家族葬コラム編集部
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