キリスト教のお墓参りとは?お墓参りの際の持ち物や流れについてご紹介
文化庁宗務課が毎年発行している『宗教年鑑 令和元年版』(発行:2019年12月)では、日本における各宗教の信者数の割合は、神道が48.1%、仏教が46.5%、キリスト教が1.1%との統計が示されています。この統計から見るに、キリスト教のお墓参りに携わる機会がそれほど多くはないと思われるかもしれませんが、キリスト教のお墓参りに関して知っていなくてよいというわけではありません。
この記事では、キリスト教におけるお墓の考え方やお墓参りの際の持ち物、お墓参りの流れなどについてご説明します。
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キリスト教におけるお墓の考え方
我々が目にする機会が多い、仏教におけるお墓は「肉体の魂が眠る場所」と考えられていまが、一方のキリスト教におけるお墓とは「故人様を偲ぶ場所」であると考えられています。
仏教では人が亡くなると、目に見えない「精神の魂」は形ある「肉体の魂(白骨)」は大地に還るとされています。つまり、人には2つの魂が宿るという考え方であり、それぞれの魂の名残を宿す場所が、「位牌」と「お墓」になります。位牌には精神の魂が、お墓には肉体の魂が眠るという考え方です。
一方のキリスト教では、死後の魂はすぐに天に召されると考えられており、お墓は「故人様を偲ぶ場所」という考え方になります。つまり、その方が生きた記念碑という位置づけになるのです。
キリスト教におけるお墓参りとは?
キリスト教には大きく分けるとカトリックとプロテスタントという宗派がありますが、共に仏教のようなお彼岸やお盆などのようなお墓参りの習慣はありませんが、教会での集まりの際や故人様の命日の際にお墓参りをされることが多いようです。
・カトリック 故人様が亡くなられてから3日目、7日目、30日目に教会で「追悼集会」が行われます。また、「死者の日」とされている毎年11月2日にも故人様を偲ぶ特別な集会が行われます。
・プロテスタント 故人様が亡くなられてから1ヵ月後に自宅や教会で「昇天記念日」という集会が行われます。以降は特別の決まりやしきたりはありませんが、毎年記念として集まったり、1年後や3年後などに教会で「追悼集会」が執り行われることもあります。
お墓参りの際の持ち物
キリスト教のお墓参りの際の持ち物としては、
があるとよいでしょう。なお、数珠は仏教でしか使用しませんので、間違えて持っていかないように注意しましょう。
キリスト教のお墓参りの方法とは
先述しましたが、キリスト教は大きく分けるとカトリックとプロテスタントがありますが、お墓参りにおいて変わらず、以下のような流れが一般的です。
- お墓の掃除をする
- お花を供える
- 神に祈りを捧げる
1.お墓と周囲を掃除する
仏教ではお墓参りの際に、その場にいる方々でお墓の掃除を行いますが、キリスト教では集会の参加者が一堂に会してお墓を掃除することはほぼありません。そのため、集会の前後にお墓や周囲を掃除しておくとよいでしょう。
2.お花を供える
キリスト教では仏教のようにお線香やお供え物を供えることはありません。その代わりに、白い花を墓石に供える習慣があります。花は白いユリ、白いカーネーションなどが一般的です。また、生前に故人様が好んだ花でもよいでしょう。
3.神に祈りを捧げる
キリスト教のお墓参りでは、故人様に祈るのではなく、神に感謝を捧げる祈りを行います。その際に十字を切るのですが、十字の切り方は宗派によって異なりますが、一般的に口頭、または心の中で「父と 子と 聖霊の み名によって。アーメン」と唱えながら右手で額・胸・左肩・右肩の順に十字を切り、胸の前で手を合わせます(プロテスタントの場合は十字を切りません)。なお、祈りを捧げる際は両手を胸の前で合わせて行っても、膝をついて行っても問題ありません。
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