香典に5,000円を包むのはどんなとき?書き方や入れ方、マナーについて解説
香典では「5,000円」という金額が一つの目安とされています。では、具体的にどのようなときに5,000円を包むのでしょうか。今回は、香典に5,000円を包むケースをはじめ、表書きの書き方やお札の入れ方などについて解説します。
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香典に5,000円を包むのはどんなとき?
前提として、香典の金額に明確な決まりはありません。しかし、目安となる金額はあり、以下のケースでは香典に5,000円を包むことが多いです。
●友人や知人のご葬儀に参列するとき
●職場関係者のご葬儀に参列するとき
●20代でまだ働いていないケース
●親戚の法要に参列するとき
一般的に、親戚以外のご葬儀に参列する際は、香典に5,000円ほど包みます。これは5,000円という金額が、社会人として包む香典の最低金額の目安とされているからです。
しかし、香典の金額相場は、故人様との関係性や年齢によって異なります。加えて、地域によっても相場が異なるケースもあるため、信頼できる身近な方に相談してみるのが良いでしょう。
香典に5,000円を包む方法
香典の包み方にはさまざまなマナーがあるため、あらかじめ確認しておくと安心です。ここでは、香典に5,000円を包む方法について詳しく解説します。
香典袋(不祝儀袋)の選び方
香典袋(不祝儀袋)は、包む金額に合わせて選ぶのがマナーです。香典に5,000円を包む場合は、水引が印刷されている簡素なものを選びましょう。
なお、紐状の水引があしらわれているものは、包む金額が10,000円を超える場合に用います。香典において5,000円は最低金額にあたるため、その金額に見合わない上等な香典袋を使用するのは避けるのが無難です。
表書きの書き方
水引の上部に記入する表書きは、故人様が信仰する宗教・宗派によって異なります。香典における表書きの具体例は、以下のとおりです。
宗教・宗派 | 表書きの一例 |
---|---|
仏教(浄土真宗以外) | 御霊前 |
仏教(浄土真宗) | 御仏前 |
神道 | 御玉串料 |
キリスト教(カトリック) | 御花料・御ミサ料 |
キリスト教(プロテスタント) | 御花料・忌慰料 |
また、水引の下部には名前をフルネームで記入します。連名の場合は、「〇〇一同」などと書き入れるのが一般的です。
上記に加えて、香典袋には包んだ金額や渡す方の住所も記入します。これらは中袋がある場合とない場合で書き方が異なるため、その違いについても確認していきましょう。
中袋がある場合
中袋がある場合は、その中袋の表面に包んだ金額を「旧漢字」で記します。香典に5,000円を包むのであれば、「金伍仟圓」または「金伍仟圓也」と記入しましょう。
また、中袋の裏面には送り主の名前と住所を書き入れます。左側の下部に「住所→名前」の順番で、それぞれ縦書きで書きましょう。住所は郵便番号から番地までを記入し、名前はフルネームで書くのが通例です。
中袋がない場合
中袋がない場合は、香典袋の裏面の左下に金額と住所を記入します。送り主の名前は表面で確認できるため、裏面に記入する必要はありません。
中袋があるときと同様に、香典の金額は「旧漢字」で書くのがマナーです。金額は住所の横(左側)に書くことになるため、ご遺族の方が見やすいよう、住所よりも大きめの字で書くことをおすすめします。住所に関しては、郵便番号から番地までを記入しましょう。
香典袋へのお札の入れ方
香典を包むときに見落としがちなのが、お札の入れ方です。中袋の有無に関係なく、お札は香典袋の表面に対して、肖像画を裏向き・下側にするのがマナーとされています。この作法には、「悲しみに暮れて顔を伏せる」という意味が込められており、お悔やみの気持ちを表すのが目的です。
なお、お札の向きに関しては、地域によって違いが見られます。昔ながらの礼儀を重んじる方もいらっしゃるため、事前に確認しておくと安心です。
香典に5,000円を包む際のマナー
香典に5,000円を包む際は、以下の4つの点に注意しましょう。
●新札やボロボロなお札を使わない
●枚数が偶数にならないようにする
●肖像画が下になるように揃えて入れる
●袱紗(ふくさ)に包む
上記のマナーについては、以下で詳しく解説します。
新札やボロボロなお札を使わない
香典を包むときは、新札を使わないのが基本です。新札を使用すると、「訃報を予測していた」という印象を与えかねないため、香典には不向きとされています。手元に新札しかない場合は、折り目をつけてから包めば問題ありません。
また、ボロボロのお札を使うのも好ましくありません。ご遺族の気分を害してしまう恐れがあるため、香典を用意するときは、適度な使用感があるお札を使うようにしましょう。
枚数が偶数にならないようにする
香典に包むお札の枚数は、奇数が良いとされています。これは偶数が割り切れる数字であり、「縁が切れる」といった不吉な出来事を想起させるためです。
香典の金額が5,000円の場合は、5,000円札が1枚、1,000円札が5枚というように、いずれもお札の枚数が奇数になります。そのため、偶数になるかならないかという心配は無用です。
なお、ご遺族は多くの香典をまとめなくてはなりません。その点を踏まえると、できれば5,000円札1枚でお渡しするのが望ましいといえます。
肖像画が下になるよう、揃えて入れる
前述のとおり、香典はお札の肖像画が下になるように包みます。複数枚のお札を包むときは、必ず向きを揃えてから入れましょう。
袱紗(ふくさ)に包む
香典を持ち歩くときは、「袱紗(ふくさ)」と呼ばれる布に包むのがマナーです。袱紗は、大きく分けて「包むタイプ」と「挟むタイプ」の2種類があります。本記事では、前者の袱紗を使った香典の包み方をご紹介いたします。
1.袱紗を裏向きにして、ひし形になるように広げる(爪は左側)
2.袱紗の中心からやや右に香典袋を置く
3.袱紗の端を右→下→上→左の順に折り込む
4.はみ出した左端の布を裏側へ折り込む(または爪をかける)
袱紗にはさまざまなデザインがありますが、香典では紫やグレーなど、寒色系のものを使うのが一般的です。突然のことで袱紗を用意できない場合は、寒色系のハンカチで代用しても問題ありません。
香典の渡し方
香典を渡すことになったとき、初めての場合は「どうやって渡せばいいのだろうか」と不安になる方もいらっしゃるでしょう。ここからは、香典の渡し方について解説していきます。
香典を渡すタイミング
香典は、お通夜やご葬儀に参列するときに渡すのが一般的です。お通夜とご葬儀の両方に参列する場合は、どちらか一方でお渡しすれば問題ありません。
香典は受付を済ませた後に袱紗から取り出し、受付の方から見て文字が読める向きで渡します。受付がない場合は、喪主やご遺族に直接渡したり、拝礼した後に御霊前に供えたりするのが通例です。
香典を渡すときの挨拶
香典をご遺族や受付の方に渡すときは、お悔やみの言葉を添えましょう。よく使われるお悔やみの言葉としては、「この度は突然のことでお悔やみ申し上げます」「この度はご愁傷様です」などが挙げられます。故人様の宗教・宗派によって使える言葉が異なるため、事前に確認しておくと安心です。
香典を郵送する場合の送り方
お通夜やご葬儀に参列できない場合は、香典を郵送しても問題ありません。香典は現金書留で送ることができますが、封筒に現金を直接入れるのではなく、必ず香典袋に入れてから郵送するようにしてください。香典を郵送する場合は、ご葬儀後から1週間、遅くとも1ヶ月以内には届くように送りましょう。
香典で5,000円をいただいた場合のお返しは?
香典で5,000円をいただいた場合は、その半額である2,500円を目安に、返礼品を選ぶと良いでしょう。いわゆる香典返しは、いただいた香典の金額の2分の1〜3分の1が目安とされています。
一般的に、香典で5,000円をいただいたときは「半返し」、すなわちいただいた金額の半分をお返しすることが多いです。したがって、2,500円相当の品物が相応しいといえます。
なお、香典返しの定番はお菓子や洗剤などの「消え物」です。不祝儀である弔事のお返しは、後に残らないものが良いとされているため、基本的には消え物を選ぶのが無難です。
まとめ
香典の金額に明確な決まりはありませんが、親族以外の方が亡くなったときは5,000円を包むことが多いようです。しかし、この金額はあくまで目安のため、信頼できる方に相談しながら金額を決められると良いでしょう。
また、香典に関するマナーは少なくありません。いざというときに、本記事の内容が少しでも参考になれば幸いです。
間違えのない葬儀社の選び方や注意点をはじめ、さまざまな葬儀の知識・マナーを分かりやすくお伝えします。