納骨袋とは?使用する目的や購入方法について解説。自作もできる?
日本では遺骨を埋める際に、納骨袋と呼ばれる袋を使用することがあります。存在自体は知っているものの、具体的にどのような袋なのか知らないという方も多いのではないでしょうか。本記事では、納骨袋の概要や使用する目的について解説します。購入方法や価格相場、自作の納骨袋 についてもご説明しますので、ぜひ最後までご覧ください。
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納骨袋とは?
納骨袋とは、名前のとおり遺骨を納める袋のことです。骨袋とも呼ばれており、基本的な用途は骨壷と同じですが、分骨の際に用いられることもあります。
納骨袋は天然素材でできている
納骨袋のほとんどは天然素材でできており、コットンやシルク、リネンなどの素材が使われています。形や色に関する決まりはありませんが、一般的には木綿のさらしでできた白無地の袋が使われることが多いです。
納骨袋が使われない場合もある?
遺骨を納める際、必ずしも納骨袋を使うわけではありません。なぜなら、納骨方法は地域や宗派によって異なるからです。例えば、関西地方のお墓は、他の地域と比べてカロート(遺骨を安置するスペース)が小さめという特徴があります。そのため、お墓に納骨をする際には、遺骨を納骨袋に移して埋葬することが多いです。
一方で、関東地方では骨壷のまま納骨するケースが多く見られます。北海道などの寒い地域においては、冬の寒さで骨壷が割れてしまう可能性があるため、その対策として納骨袋を用いることもあるようです。
納骨袋を使用する目的
遺骨を納める容器として納骨袋を使うのは、それなりのメリットがあるからです。ここでは、納骨袋を使用する3つの目的をご紹介します。
遺骨をカビから守る
納骨袋はコットンやリネンなどでできており、通気性が良く、湿気が溜まりにくいです。そのため、遺骨にカビが生えにくいというメリットがあります。
一方で、骨壷は材質上、通気性が悪く湿気が溜まりやすいものが多いです。遺骨をカビから守るという点において、納骨袋は有用であるため、実際に使用されるケースは少なくありません。
かさばらないようにする
骨壷よりもコンパクトな納骨袋は、カロート内を省スペース化できるというメリットもあります。一般的な骨壷は6〜7寸ほどの大きさがあり、納骨袋と比べると、どうしてもかさばりやすいです。
カロート内がいっぱいになったときは、遺骨を土に還したり、粉骨したりしなければなりません。納骨袋を使用すれば、カロート内のスペースを確保でき、より多くの遺骨を納めることができます。
自然に還りやすい
骨壷と比較して、納骨袋は自然に還りやすいです。日本では故人様のご遺体を火葬しますが、焼骨されたお骨は土に還るまで数百年かかるといわれています。
なお、上記の事実が判明したのは比較的最近のことです。実際には土に還らないとしても、「遺骨は土に還る」とみなし、なるべく自然に還りやすい状態で埋葬することに意味があると考えられています。
納骨袋を購入する方法
実際の納骨袋を使用する場合、どこで購入すれば良いのでしょうか。ここでは、納骨袋の入手方法について詳しく解説します。
納骨袋を購入できる場所
納骨袋を購入できる主な場所は、以下のとおりです。
●石材店
●仏具店
●オンラインショップ
納骨袋による埋葬を検討している方は、石材店に依頼するのがおすすめです。お墓に納骨する場合、石材店にカロートを開ける作業を依頼することになります。その際、納骨袋についても依頼すれば、ご自身で購入する手間を省けます。
また、仏具店では実物を確認することが可能です。スタッフに相談できる点も、仏具店で納骨袋を購入するおすすめポイントとして挙げられます。
ご自宅の近くに仏具店がない場合は、オンラインショップでの購入が便利です。自宅から簡単に購入できるため、なかなか買い物の時間が取れない方にも向いています。多くの種類の納骨袋を比較検討できる点も、オンラインショップの魅力です。
納骨袋の価格
納骨袋の価格ですが、無地のものは1,000円前後で販売されています。刺繍入りなど手が込んでいるものは3,000〜5,000円程度、高価なものはおおよそ10,000円が目安です。
納骨袋の選び方
納骨袋は、宗派によって使用する種類が異なる場合があります。例えば、浄土真宗では「南無阿弥陀仏」と書かれている納骨袋を使うのが一般的です。そのため、納骨袋を選ぶときは、それぞれの宗派に合ったものを選択しましょう。なお、木綿のさらしでできた白無地の袋であれば、宗派に関係なく使用できます。
また、埋葬先の霊園や寺院から指定がある場合は、そちらに従うようにしましょう。特に指定がなければ、故人様が好きだった柄や色味を選択しても問題ありません。
納骨袋は自分で作ることもできる
納骨袋は、自分で作るという選択肢もあります。前述のとおり、納骨袋には形や色に関する決まりがなく、また手作りのものは使ってはいけないというルールも存在しません。
納骨袋は、天然素材の布と裁縫道具(針、糸、はさみ、メジャー)を用意すれば、誰でも簡単に作ることが可能です。以下では、納骨袋の作り方の一例をご紹介します。
1.用意した布を縦150cm、横35cmほどの長さにカットする
2.中表で二つ折りにする(折り返しの部分が底になるようにする)
3.縦の片側を縫い合わせる(耳から5mmほど内側を縫う)
4.口になる部分を三つ折りにし、紐を通せるように縫い合わせる
5.縦の反対側を縫い合わせる
6.表に返して紐を通す(紐は余った布で作ってもOK)
上記の作り方はあくまで一例であり、遺骨が入る大きさで中身が出ないようにしておけば、基本的には問題ありません。使用する布については、一般的な白無地のもので構いません。また、故人様が好きだった柄のものを選んでも良いでしょう。
まとめ
納骨袋とは、遺骨を納める袋であり、基本的な用途は骨壷と同じです。遺骨を納骨袋に移し替えることで、遺骨にカビが生えにくくなったり、カロート内を省スペース化できたりなどのメリットを享受できます。
また、納骨袋は石材店や仏具店、オンラインショップから購入可能です。ご自身で作るという選択肢もありますが、信仰している宗派や霊園、寺院の考え方に則り、適切なものを用意する必要があります。
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