慶弔とは?企業における慶弔休暇や慶弔費、場面別のマナーを解説
慶弔とは、人生の節目となる出来事を表す言葉ですが、日常的に用いる言葉ではありません。そのため、慶弔の読み方や意味をはじめ、具体的に何を指しているのか分からないという方もいらっしゃるでしょう。
そこで今回は、慶弔の読み方や意味、種類などをご紹介します。企業における慶弔休暇や慶弔費、事前に知っておきたい慶弔に関するマナーについても解説しますので、ぜひ参考になさってください。
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慶弔とは?
慶弔とは、お祝い事とお悔やみ事の両方を指す言葉です。はじめに、慶弔に関する基礎知識をご紹介します。
慶弔の読み方・意味
慶弔の読み方は「けいちょう」です。慶という字は「よろこび」とも読み、お祝い事(慶事)を指します。また、弔という字は「とむらい」とも読み、お悔やみ事(弔事)を指します。慶事・弔事のどちらか片方ではなく、その両方を指すのが慶弔です。
慶弔の種類
慶弔には、企業に関するものや冠婚葬祭など、さまざまな種類があります。ビジネスやプライベートにおける慶弔の主な種類は、以下のとおりです。
項目 | 主な種類 |
---|---|
ビジネス | 開店・開業、就任・昇進、叙勲・褒章、創立記念など |
プライベート | 結婚、出産、お通夜、ご葬儀、傷病見舞いなど |
企業における慶弔休暇について
慶弔休暇とは、慶事や弔事があったときに取得できる特別休暇の一種です。福利厚生の一部として定められているため、休暇の種類や内容は企業によって異なります。一般的な慶弔休暇の種類は、以下のとおりです。
休暇の種類 | 概要 |
---|---|
結婚休暇 | ご自身や子どもが結婚するときに取得できる休暇 |
出産休暇 | 配偶者が出産するときに取得できる休暇 |
忌引き休暇 | ご家族やご親族が亡くなったときに取得できる休暇 |
なお、女性従業員が出産する際に取得する「産前産後休暇」や「育児休暇」は、法定休暇に当たります。
慶弔休暇と忌引きの違い
慶弔休暇は、慶事や弔事を理由に取得する休暇です。一方で、忌引き(忌引き休暇)は、ご親族のご葬儀に参列するために取得する休暇です。したがって、忌引きは慶弔休暇の一部といえます。
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慶弔休暇の日数は企業によって異なりますが、一般的な目安は以下のとおりです。
休暇の種類(取得理由) | 日数の目安 |
---|---|
従業員本人の結婚 | 3〜5日 |
従業員の子どもの結婚 | 1〜2日 |
従業員の配偶者が出産 | 1〜3日 |
0親等(配偶者)が死亡 | 10日 |
1親等(父母・配偶者の父母・子ども)が死亡 | 5〜7日 |
2親等(祖父母・兄弟姉妹)が死亡 | 1〜3日 |
当然のことながら、慶弔休暇は本人や本人に近い方の慶事・弔事ほど日数が長くなります。先ほども述べたように、休暇日数は企業によって異なるため、必ず就業規則を確認するようにしてください。
慶弔休暇における給与の取扱い
慶弔休暇は法律で定められているわけではありません。そのため、給与の取扱いは企業の規則によって異なります。有給の場合もあれば、無給の場合もあるため、申請する前に就業規則を確認しておきましょう。詳細は後述しますが、無給の場合でも福利厚生の一環として「慶弔費」が支払われることもあります。
慶弔休暇の申請方法
慶弔休暇の申請方法も、企業によってさまざまです。一般的には申請書類に必要事項(申請者の氏名や休暇の取得理由)などを記載し、総務課に提出するという方法が定着しています。
また、休暇の取得理由がご葬儀である場合、その証明として「会葬礼状」が必要になるケースも多いです。慶弔休暇を利用する機会が訪れたときは、勤務先のルールに則って申請するようにしましょう。
慶弔休暇を導入するには?
慶弔休暇を制度として導入するためには、就業規則にさまざまな規定を設ける必要があります。前述のとおり、慶弔休暇は法定休暇ではないため、企業内におけるルールを明確にしておかなければなりません。慶弔休暇を導入する際は、以下のような規定を設けるのが一般的です。
●取得対象となる事由(結婚やご葬儀など)
●利用対象者(雇用形態や勤続年数など)
●申請方法(申請書類の内容や証明書の有無など)
●取得日数
●取得時期
●給与の取扱い
また、就業規則を変更する場合は、管轄の労働基準監督署に届け出ることが義務付けられています。加えて、慶弔休暇の制度をより実用的なものにするためには、すべての従業員に当制度について周知することが重要です。
慶弔費(慶弔見舞金)について
慶弔費(慶弔見舞金)とは、従業員やそのご家族の慶弔時に、会社から支払われるお金のことです。福利厚生の一環であり、具体的には祝い金や見舞金、香典などが慶弔費に当たります。
慶弔休暇と同様に、慶弔費にも法律はありません。そのため、支給される金額や支払い方法は企業によって異なります。あくまで目安ですが、慶弔費の金額相場は以下のとおりです。
慶弔費の種類 | 金額相場 |
---|---|
結婚祝い金 | 10,000〜30,000円 |
出産祝い金 | 10,000〜30,000円 |
死亡弔慰金(本人) | 50,000〜100,000円 |
死亡弔慰金(ご家族) | 10,000〜50,000円 |
傷病見舞金 | 10,000〜30,000円 |
災害見舞金 | 20,000〜100,000円 |
なお、社員に支払われる慶弔費は非課税です。注意点として、祝い品や贈答品などの物品を購入した場合、課税取引(消費税)が発生することを覚えておきましょう。
慶弔におけるマナー
最後に、慶弔に関するマナーをまとめてご紹介します。いずれも大切なことばかりですので、一つずつチェックしてみてください。
慶弔休暇を取得する際のマナー
慶事に関しては、あらかじめ日程が分かっていることがほとんどです。そのため、慶事を理由に休暇を取る場合は、事前に連絡や申請、仕事の引き継ぎを済ませておくことが前提となります。
一方で、弔事は突然起こることが多いです。忌引き休暇を取得する場合は、電話や口頭で直属の上司に伝えて、その後は指示に従って申請手続きを済ませましょう。
慶事と弔事が重なった場合のマナー
日本では慶事と弔事が重なった場合、弔事を優先するのがマナーとされています。なぜならば、故人様との最後のお別れはその日限りのことであり、慶事のお祝いは後日行うことができるからです。
ただし、身内が結婚式を行う場合は、慶事を優先しても問題ないとされています。優先度が高いのは弔事ですが、相手との関係性などによっては、その限りではないことも頭に入れておきましょう。
慶事に出席する際のマナー
慶事に出席する際は、正装・礼服を着用するのがマナーです。男性はブラックスーツ、女性はドレスや着物が基本ですが、ドレスコードは会場によって異なります。
また、披露宴に出席する場合は、祝意を表すためにご祝儀を用意します。ご祝儀の金額相場は、友人や同僚の場合は30,000円、上司の場合は30,000〜50,000円、親族の場合は30,000〜100,000円が目安です。なお、割り切れる偶数は別れを連想させることから、基本的には避けたほうが良いとされています。
弔事に出席する際のマナー
弔事に出席する際は、男女ともに黒の喪服を着用するのがマナーです。華やかさを感じさせる素材や装飾、また殺生を連想させる毛皮などは弔事の場にふさわしくありません。加えて、必要以上に肌を露出しないことも基本マナーとされています。
また、日本のご葬儀では数珠を持ち込むのが一般的ですが、これは仏教における作法です。神道やキリスト教のご葬儀に参列する場合は、間違って持ち込まないように注意しましょう。
香典に関しては、近年では受付でお渡しすることが多いです。香典の金額相場は、故人様との関係性やお渡しする方の年齢、地域によって異なります。さらに香典には「お札の枚数は奇数にする」「新札の使用は避ける」といった基本的なマナーがあるため、いざというときに備えて確認しておくと安心です。
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どうしても都合が合わず、結婚式に出席できない場合は、その理由とあわせて欠席する旨を伝えましょう。招待状を受け取った後に出席できなくなったときは、できるだけ早く伝えることが大切です。ご祝儀については、後日お渡ししても問題ありません。
また、ご葬儀に参列できない場合は、やむを得ない事情で参列できない旨を伝えます。その際、参列できない理由を詳しく説明する必要はありません。もしもご葬儀に参列できないことがあれば、弔電を打ったり、後日ご遺族のもとを訪れたりして弔意を示すことも大切です。
香典に関しては、現金書留で送ることが可能です。その他、知り合いに託す、後日渡すといった方法がありますが、いずれも失礼になることはありません。
まとめ
慶弔とは、お祝い事を示す「慶事」と、お悔やみ事を示す「弔事」の両方を指す言葉です。多くの企業では慶弔休暇の制度を導入しており、中には祝い金や香典などの慶弔費を支給してくれるところもあります。
なお、慶弔休暇や慶弔費に関するルールは企業によって異なります。この機会に就業規則を確認しておけば、いざというときに落ち着いて対応できるでしょう。
間違えのない葬儀社の選び方や注意点をはじめ、さまざまな葬儀の知識・マナーを分かりやすくお伝えします。