お墓を買うお金がないときの対処法は?お墓以外の供養方法も解説
一般的に、お墓を建てるには1,000,000〜3,000,000円程度の費用がかかります。ある程度まとまった資金が必要なため、「すぐにお墓を購入するのは難しいのではないか」と不安になっている方もいらっしゃるでしょう。そこで今回は、お墓を買うお金がないときの対処法をご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
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お墓を買うお金がないときの対処法を5つ
お墓は決して安い買い物ではないため、実際に「すぐにまとまったお金を用意するのは難しいのではないか」と悩んでしまう方は少なくありません。ここでは、お墓を買うお金がないときの対処法を5つご紹介します。
①ローンを組んで分割払いをする
お墓は、金融機関や石材店のローンを利用すれば、分割払いで購入することが可能です。以下では、金融機関と石材店のローンについて簡潔に解説します。
金融機関のローン
金融機関では、フリーローンやメモリアルローンといったサービスが利用できます。
ローンの種類 | 主な特徴 |
---|---|
フリーローン | ・資金の使い道に制限がない ・多くの金融機関で取り扱いがあり、利用しやすい |
目的別ローン | ・資金の使い道に制限がある(墓地・墓石の購入など) ・フリーローンに比べて金利が安い傾向がある |
ローンの資金使途や適用金利、申し込み方法などは、利用するサービスによって変わってきます。事前に内容をよく確認した上で、ご自身に合ったローンを組みましょう。
石材店のローン
石材店では、メモリアルローンというサービスを利用できます。「墓石ローン」「建墓ローン」とも呼ばれており、石材店が提携している信販会社のローンを利用することで、お墓を分割払いで購入できるというサービスです。
メモリアルローンは、金融機関のローンに比べて審査に通りやすい傾向があり、また低金利で借りられるのが魅力です。ただし、すべての石材店がメモリアルローンを取り扱っているわけではないため、事前に確認しておくことをおすすめします。
②親戚からお金を借りる
お墓を買うお金がない場合は、親戚に相談してみるのも一案です。前提として、お墓の購入者に決まりはなく、兄弟姉妹や親族同士で費用を分担しても問題ありません。
お墓は贅沢品ではありませんし、親戚にとっても大切なものですから、通常の金銭の貸し借りよりも対応してもらえる可能性が高いでしょう。もしも親戚からお金を借りる場合は、無用なトラブルを防ぐためにも、借用書を作成することをおすすめします。
③買うお金が貯まるまで自宅で保管する
納骨のタイミングに決まりはないため、お墓の購入資金が貯まるまで、遺骨を自宅で保管することもできます。ローンを組んだり、親戚からお金を借りたりといったことに抵抗がある方は、こちらの方法を検討してみると良いでしょう。
④遺産相続後に買う
遺産を相続することが決まっている場合、相続財産を使ってお墓を購入しても問題ありません。故人様が亡くなってから遺産を受け取るまでは時間がかかりますが、まとまったお金を用意できるのは大きなメリットといえるでしょう。
⑤お金があまりかからない供養方法を選ぶ
前述の通り、お墓を建てるとなると、一般的には1,000,000円以上の費用がかかります。高額な費用がネックになっている方は、お金があまりかからない別の供養方法を検討してみてはいかがでしょうか。
近年ではお墓に納骨をせず、散骨や手元供養といった方法を選択する方が増えてきています。これらの供養方法であれば、費用面の負担を大幅に軽減することが可能です。詳しくは後述しますので、気になる方はぜひ参考にしてみてください。
お墓を買うお金がないときに検討したい、その他供養方法
ここでは、お墓を買うお金がないときに検討したい5つの供養方法をご紹介します。どのような供養の形があるのか、どれくらい費用がかかるのか、一つずつ確認していきましょう。
永代供養
永代供養とは、寺院や霊園などに遺骨の管理・供養を代行してもらう埋葬方法のことです。お墓の購入・設置費用がかからないため、出費を大幅に抑えられます。費用はお墓の種類や供養の内容などによって変動しますが、相場はおおよそ100,000〜1,500,000円です。
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納骨堂とは、遺骨を納めるための屋内施設のことです。こちらの施設を利用すれば、お墓を建てずに遺骨(骨壷)を保管できます。施設や地域にもよりますが、費用相場は500,000〜1,500,000円程度です。
散骨
散骨とは、粉状にした遺骨を海や山などの自然環境に撒いて供養する方法です。自然葬の一つであり、お墓を建てる費用や墓地の利用料などがかからないため、一般的な埋葬方法よりも安く抑えられます。
海洋散骨の場合、粉骨から散骨までを業者に委託すれば、50,000円前後で行うことが可能です。ご遺族が乗船して散骨する場合は、100,000〜300,000円程度の費用がかかります。
手元供養
手元供養とは、ご自身の手元や自宅に遺骨を保管して供養する方法です。お墓に関する費用を抑えられるほか、故人様を身近に感じられるというメリットがあることから、近年では手元供養を選択する方が増えています。
火葬場で骨壷に納めた遺骨をそのまま自宅に安置する場合は、特に費用はかかりません。手元供養品(ミニ骨壷やペンダントなど)を購入したり、遺骨の一部のみを取り出して散骨したりする場合は、別途費用が発生します。
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樹木葬とは、樹木や草花を墓碑にする埋葬方法です。お墓を建てる必要がないため、費用面での負担が少なく、さらに維持・管理の手間がかからないというメリットがあります。
ほかの方の遺骨と一緒に埋葬する合祀型の場合、費用相場は50,000〜300,000円程度です。樹木葬にかかる費用は埋葬方法や埋葬人数、立地、運営母体などによって変わってきます。
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先祖代々のお墓がない
関西や北陸などの一部地域には、先祖代々のお墓がない無墓制(むぼせい)という家が存在します。こちらの家では、信仰している宗派の本山に納骨するため、基本的にはお墓を建てることはありません。
墓じまいをした
墓じまいとは、今あるお墓を撤去し、遺骨を別の場所に移すことです。親が墓じまいをした場合、子どもたちにはお墓がありません。そのため、お墓以外の供養方法を選択する方もいらっしゃいます。
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承継者がいない場合、お墓を建てても無縁墓になってしまうため、死後のことを考えてお墓を建てない方も多いです。日本は未婚化や少子化といった背景から、お墓の承継者がいないご家庭が増えており、近年ではお墓離れが深刻になっています。
宗教・宗派上の理由
宗教・宗派上の理由から、お墓を建てない方も少なくありません。例えば、日本では無宗教の方が増えており、お墓を建てる必要はないと判断される方もいらっしゃいます。
また、浄土真宗は教義上、追善供養を必要としません。お墓を持たなくても信仰できる宗派といわれているため、遺骨を散骨したり、手元で保管したりする方も多いです。
まとめ
今回は、お墓を買うお金がないときの対処法について解説しました。お墓は決して安い買い物ではないため、費用面に不安がある方はローンを利用したり、遺産相続後に購入したりといった方法を検討してみましょう。
また、お金があまりかからない供養方法を検討してみるのも一案です。本記事の内容を参考に、ご自身やご家庭に合った方法を選択してみてください。
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