故人様への手紙は棺に入れていい?例文や書くときの注意点・マナーを解説
大切なご家族や友人が亡くなったとき、自分の思いを伝える方法として「手紙」があります。しかし、いざ故人様への手紙を書くとなると、「棺に入れてもいいのか」「書く内容に決まりはあるのか」と不安になるものです。
そこで今回は、故人様への手紙に関するマナーについて詳しく解説します。例文や書くときの注意点などもご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
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故人様への手紙は棺に入れていい?
故人様への手紙は、棺に入れても問題ありません。手紙は大切な方への気持ちを伝えるものであり、火葬の妨げになる心配がほとんどないため、副葬品としてよく使われています。
故人様への手紙に書く内容
故人様への手紙については、絶対にこう書かなければいけないという厳格なルールはありません。ご自身の気持ちを率直に書き記し、あなたらしい手紙に仕上げましょう。
また、封筒や便箋も明確な決まりがないため、故人様やご自身の好みに合わせて選ぶことが可能です。ただし、封筒は参列者の目に触れる可能性がありますので、まわりの方に配慮して落ち着いたデザインを選ぶのも一案です。
思い出や感謝の気持ちを書く
故人様との思い出を盛り込めば、より気持ちがこもった手紙に仕上がるでしょう。生前に伝えられなかったことを書いても問題ありませんので、本人に直接伝えたかったことや感謝の言葉などをしたためてみてはいかがでしょうか。
故人様への手紙の例文
続いて、故人様への手紙の例文をご紹介します。以下の例文はあくまでも一例ですので、自分の言葉に置き換えてしたためてみましょう。
お父さんへ
私のことを育ててくれて本当にありがとう。
恥ずかしくて直接伝えることはできなかったけど、感謝の気持ちでいっぱいです。
小さい頃からお父さんが仕事に打ち込んでいる姿を見てきたけど、すごくかっこよかったよ。
私もお父さんみたいにかっこいい人になれるように頑張るね。
向こうに行ったらゆっくり休んで、お母さんたちと楽しい時間を過ごしてください。
今まで本当にありがとう。
〇〇(自分の名前)より
故人様への手紙に書く内容に決まりはなく、頭語や時候の挨拶は不要です。大切な方に向けて書く個人的な手紙ですから、あまり堅苦しく考えず、相手に語りかけるような感覚で書くと良いでしょう。
また、お悔やみの手紙の書き方については、別記事で詳しく解説しています。基本的な書き方やマナー、文例を知りたいという方は、そちらの記事も併せてご覧ください。
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詳しく見る故人様への手紙を書くときのポイント
ここからは、故人様への手紙を書くときに注意すべきポイントをご紹介していきます。
忌み言葉を避けるなど、言葉遣いに気をつける
弔事に関する文書では、縁起が悪いとされている忌み言葉を使わないのがマナーです。具体例としては、以下のようなものが挙げられます。
避けるべき表現 | 具体例 |
---|---|
生死を直接的に表す言葉 | 死ぬ、急死、生きてい たころなど |
不幸・別れを連想させる言葉 | 終わる、薄い、壊れるなど |
不幸が続くことを連想させる言葉 | 再び、引き続き、追ってなど |
不幸が重なることを連想させる言葉(重ね言葉) | 重ね重ね、ますます、次々など |
また、宗教・宗派によって使ってはいけない言葉(忌み言葉)があるので注意が必要です。例えば、キリスト教の信仰者に対して、「冥福」「成仏」「供養」といった仏教用語を使うのは適切ではありません。
あくまでも個人的な手紙ですので、忌み言葉を過剰に意識する必要はないかもしれません。しかし、大切な方に向けて書く手紙であるからこそ、基本的なマナーは押さえておきたいところともいえます。
もう一つ注意したいのが句読点の使用です。弔事に関する書面では、「儀式が滞りなく終わりますように」という意味を込め、句読点を使わないのがマナーとなっています。
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詳しく見る薄墨を使う
お悔やみの手紙は、薄墨で書くのが基本です。これは古くから伝わる風習の一つで、薄墨には「悲しみの涙で墨が薄まった」という意味が込められています。
薄墨を用意できない場合は、万年筆やボールペンを使っても問題ありません。使用するインクはブラックやグレーなど、弔事の場にふさわしいものを選びましょう。
ご葬儀で故人様への手紙を棺に入れるタイミング
一般的に、故人様への手紙は出棺の直前に入れることが多いです。近親者である場合は、お通夜の前に行われる納棺の際に入れることもできます。
故人様への手紙を棺に入れる際のマナー
最後に、故人様への手紙を棺に入れる際のマナーを3つご紹介します。より良い供養を実現させるためにも、最低限のマナーを押さえておきましょう。
ご遺族でない場合は、あらかじめ承諾を得ておく
ご遺族でない場合は、手紙を棺に入れてもいいのか、あらかじめ確認しておきましょう。その際、ご自身と故人様との関係性を伝えた上で、承諾を得ることが大切です。
もし棺に入れることが叶わなくても、誠実に気持ちをお伝えすれば、お墓や仏壇などに供えてもらえるかもしれません。
写真を同封する場合は、写っているものに注意する
写真を同封すること自体は問題ありませんが、写っているものには注意が必要です。俗説ではありますが、ご存命の方が写っている写真を棺に入れて火葬すると、亡くなった方とともに彼岸に渡ってしまうといわれています。
どうしてもご存命の方が写っている写真を入れたいという場合には、無用なトラブルを避けるため、本人に相談するのが賢明です。ちなみに、ペットや動物の写真に関しては、特に問題ないとされています。
手紙以外の副葬品ルールにも気をつけよう
副葬品として棺に入れることができないものは、意外と多いです。手紙に関していえば、包装用のビニール袋や金属製のクリップなどが付いていると、棺に入れることができないので注意が必要です。基本的に、燃えないものはNGと覚えておきましょう。
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詳しく見るまとめ
故人様への手紙を棺に入れることで、ご自身の思いを直接伝えることができます。しかし、手紙の書き方にはさまざまなマナーがあることを忘れてはいけません。本記事でお伝えしたポイントを押さえておけば、丁寧かつ自分らしい文章に仕上がるでしょう。
間違えのない葬儀社の選び方や注意点をはじめ、さまざまな葬儀の知識・マナーを分かりやすくお伝えします。