法事で挨拶をするタイミングは?場面別の正しいやり方を例文つきで解説
故人様が亡くなった後、初七日法要や四十九日法要などの追善供養を行うのが一般的です。法事では施主による挨拶が欠かせませんが、どのような場面で何を伝えれば良いのでしょうか。
本記事では、法事で挨拶をするタイミングや正しいやり方について解説します。場面別の例文もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
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法事で挨拶をするタイミングは?
法事では、施主として挨拶をする場面がいくつかあります。まずは挨拶をするタイミングを確認しておきましょう。
法要が始まるとき
僧侶が入場した後、読経が始まる前に施主からの挨拶を行います。参列者への感謝や法要の概要を述べ、最後に僧侶へ読経開始の合図を送るのが一般的です。
法要が終わるとき
法要が終わるときにも、施主からの挨拶を行うのが通例です。改めて参列者に感謝を述べ、法要の終了を告げましょう。法要後にお墓参りや会食を行う場合は、そちらのアナウンスも行うようにしてください。
会食のとき
会食がある場合は、その始まりと終わりのタイミングで挨拶をします。始まりの挨拶ではお集まりいただいたことに対する感謝を、終わりの挨拶ではお開きであることや今後の支援を願う旨などを伝えましょう。
【場面別】法事での挨拶例文
ここからは、場面別に法事での挨拶の例文をご紹介していきます。以下の内容も参考に、スムーズに挨拶ができるよう準備しておきましょう。
法要が始まるときの例文
法要が始まるときの挨拶は、式の進行に影響が出ないよう、できるだけ手短に済ませます。例文は以下のとおりです。
皆様、本日はお忙しい中、お集まりいただきありがとうございます。
開始のお時間となりましたので、これより父〇〇の〇〇法要を始めたいと思います。
それでは、〇〇寺・ご住職様 よろしくお願いいたします。
法要が終わるときの挨拶
法要が終わるときの挨拶では、参列者へのお礼に加えて、故人様への思いや近況報告なども伝えます。法要後にお墓参りや会食をする場合は、その旨を伝えましょう。以下では、法要の種類別に例文をご紹介します。
改めて、本日は〇〇の初七日法要にご列席いただき、誠にありがとうございました。
おかげ様で無事に法要を終えることができました。改めてお礼申し上げます。
まだ気持ちの整理がつかない状況ではありますが、〇〇(故人様の名前)に心配をかけないよう一日も早く立ち直り、家族と力を合わせて生きていこうと思います。
今後とも、私たち家族を何卒よろしくお願い申し上げます。
ささやかではございますが、お食事をご用意しています。
お時間の許す限り、どうぞお寛ぎくださいませ。
本日は、誠にありがとうございました。
本日はお忙しい中、〇〇の四十九日法要にお集まりいただきありがとうございました。
皆さまのおかげで、無事に法要を執り行うことができ、〇〇(故人様の名前)も安心していることかと存じます。
今後とも、家族一同に変わらぬご支援のほどよろしくお願い申し上げます
つきましては、ささやかではございますが、別席にて心ばかりの会食の席をご用意させていだただきました。
お時間の許す 限り、思い出話などをしながら、ゆっくりとお過ごしいただければ幸いです。
本日はご列席 いただきまして、誠にありがとうございました。
〜上略(感謝の言葉や法要の概要)〜
母が旅立ってから、早いもので一年が過ぎました。
少しずつではありますが、私たち家族も前に進んでおります。
今後とも、皆さまの変わらぬご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
また、ささやかではございますが、お食事をご用意しております。
お忙しいとは存じますが、お時間の許す 限り、どうぞお寛ぎくださいませ。
本日は、誠にありがとうございました。
〜上略(感謝の言葉や法要の概要)〜
〇〇(故人様の名前)のいないこの三年は、私ども家族にとって長い年月でした。
皆様方もそれぞれに、三年の年月を重ねられておられます。
どうぞ父の分まで、健やかにお過ごしいただき、今後ともご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
会食の挨拶
会食を始める前にはお集まりいただいたことへの感謝を述べ、終わり頃には締めの挨拶を行います。それぞれの例文は以下のとおりです。
本日は、誠にありがとうございました。
こうして父を偲ぶ席にお付き合いいただくことができ、本当に嬉しく思います。
ささやかではございますが、父の思い出話でもしながら召し上がっていただければ、何よりの供養になると思います。
お時間の許す限り、どうぞゆっくりとお寛ぎください。
本日はお忙しい中、最後までお付き合いいただきありがとうございました。
名残は尽きませんが、この辺りでお開きとさせていただきたいと思います。
今後とも、何かと皆さまのお力添えを賜ることがあるかと存じますが、どうぞよろしくお願いいたします。
改めまして、本日はありがとうございました。
また、会食の際には故人様への敬意を表して「献杯」を行うこともあり、施主または依頼された方が献杯の挨拶をします。その際は、以下のように挨拶をすると良いでしょう。
皆様、本日はご多用のところ、お集まりいただきましてありがとうございます。
おかげ様で、法要も滞りなく終えることができ、〇〇も安心していることかと思います。
今日は懐かしい思い出話でもお伺いできればと思っております。
それでは、献杯させていただきます。献杯。
法事で挨拶をする際に注意すること
法事の挨拶にはさまざまな注意点があるため、この機会に覚えておきましょう。ここでは、特に注意すべき5つのポイントをご紹介します。
手短に済ませる
挨拶が長すぎると、法要の進行が遅れたり、大事なことが伝わらなかったりする可能性があります。そのため、長くても1分程度にとどめましょう。
忌み言葉や重ね言葉、直接的な言葉を避ける
弔事の場では、不吉なことをイメージさせる忌み言葉や、不幸が続くことを連想させる重ね言葉を避けるのがマナーです。「死ぬ」や「生きていたころ」といった直接的な表現も使うべきではないとされていますので、十分に注意しましょう。
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法事の挨拶は、ご列席していただいた方々に対し、感謝の意を伝える大切な機会です。いろいろと話したいこともあると思いますが、まずはお礼の言葉を述べましょう。
会食の挨拶前にまわりの様子を確かめる
会食後の挨拶をするときは、事前にまわりの様子を確認しておきましょう。挨拶をするタイミングによっては、話の腰を折ってしまう可能性があります。
また、料理を食べ終えていない方もいらっしゃるかもしれません。そのため、全員が落ち着いたタイミングを見計らい、締めの挨拶を行うことも大切です。
献杯をする人はあらかじめ決めておく
献杯の挨拶をする方に決まりはなく、施主が行っても良いですし、ほかのご遺族や故人様の友人が行っても問題ありません。法要当日に混乱することがないよう、あらかじめ誰が挨拶をするのか決めておきましょう。
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今回は、法事における挨拶のタイミングや正しいやり方について解説しました。法事の挨拶は、参列していただいた方に対し、ご自身の思いを伝える大切な場面です。本記事でご紹介した例文や注意点を参考に、自分の言葉で感謝の気持ちを伝えましょう。
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