自然死とは?定義や亡くなる理由、今からできる備えについて解説
死は誰にでも訪れるものですが、「できれば天寿を全うしたい」というのが多くの方の望みだと思います。自然死は老化によって起こるものと考えられがちですが、健康な若者にも起こる可能性があるため、正しい知識を身につけておくことが大切です。
本記事では、自然死の定義や亡くなる理由について解説します。今からできる備えについてもご説明しますので、ぜひ最後までご覧ください。
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自然死とは?
自然死とは、病気や外傷などの原因によらず、身体機能の低下によって死に至ることをいいます。いわゆる老衰とほぼ同じ意味です。
死は誰にでも訪れるものですが、その原因は実にさまざまです。病気や外傷でもなく、また事故や災害に巻き込まれずに天寿を全うすることを自然死といいます。
外因死との違い
外因死とは、病気以外の原因で亡くなることです。具体的には、自殺や他殺、事故などで亡くなるケースを指します。
一方で、自然死は病気だけでなく外的要因も含まれないため、それぞれ意味が異なることが分かるでしょう。なお、病気全般で亡くなることを内因死といいますが、自然死はこの内因死に含まれます。
尊厳死や安楽死との違い
尊厳死とは、延命治療を施さずに自然な最期を迎えることです。自然死と同一視されることもありますが、その中身は大きく異なります。
もう一つの安楽死とは、回復の見込みがない患者さまを本人の希望に従って、苦痛の少ない形で人為的に死をもたらすことです。現在の日本において、安楽死は認められていません。
自然死によって亡くなる理由
天寿を全うすることを自然死といいますが、亡くなる理由はさまざまです。ここでは、自然死によって亡くなる理由について解説します。
加齢・老衰
自然死によって亡くなる理由として真っ先に挙げられるのが、加齢による老化、つまり老衰です。老化のスピードには個人差がありますが、人は年を重ねるにつれて身体機能が低下していき、その結果として自然死に至ります。
急性症状
自然死は老衰のイメージが強いかもしれませんが、心不全や呼吸不全などの急性症状により、突然亡くなることも少なくありません。このように、健康だと考えられていた方が、急速に死(自然死)に至ることを突然死といいます。医学的には、「発症から24時間以内の死亡」と定義づけられています。
自然死により亡くなる人が増える年齢
自然死は、高齢になるほど割合が増加します。これは加齢によって身体機能が低下し、自然死に至る可能性が高くなるからです。
若者でも自然死の可能性はある
前述のとおり、自然死によって亡くなる理由には突然死があります。つまり、若者でも自然に至る可能性があるのです。
実際、成長期の若い方が何の前触れもなく亡くなることもあれば、生まれたばかりの赤ちゃんが病気もないのに急死してしまうこともあります。自然死は年齢や性別に関係なく、誰にでも起こる可能性があるということを覚えておきましょう。
自然死に備えて、今のうちにできること
自然死は誰にでも起こりうる可能性がありますが、万が一に備えて何かできることはあるのでしょうか。ここからは、自然死に備えて今できることをご紹介していきます。
意思表示をする
人生の最期が近づいたとき、どのような治療やケアを受けたいのか、何をしてほしいのかを周囲に伝えることができなくなるかもしれません。そのため、心や身体が元気なうちに、自然死に至った場合のことを考えて意思表示をしておくと安心です。
エンディングノートを書く
エンディングノートとは、ご自身の死後に備えて必要な情報を書き留めておくノートのことです。書き方に決まりはありませんが、以下の内容を記載しておくと、ご家族がさまざまな手続きを進めたり、判断したりする際に役立ちます。
項目 | 具体例 |
---|---|
ご自身の基本情報 | 本籍地、年金証書など |
財産・資産に関する情報 | 保険の証書・通帳・印鑑の保管場所など |
身の回りに関する情報 | パソコンやSNSのパスワード・IDなど |
ご葬儀の希望 | ご葬儀の形式や参列者についてなど |
また、ご家族への思いを書き留めておくのも良いでしょう。注意点として、エンディングノートに法的効力はないため、遺産分割の方法などを指定したいのであれば遺言書を作成する必要があります。
葬儀社を予約する
自然死はいつどこで起こるか分からないため、事前に葬儀社を予約している方もいらっしゃいます。生前予約には、元気なときに落ち着いてご葬儀について考えられるというメリットがあり、ご自身が希望するご葬儀を実現しやすいです。
また、ご葬儀にかかる費用を事前に把握できたり、前もって支払いを済ませたりすることもできます。ご自身が亡くなった後、「できるだけ家族に負担をかけたくない」と考えている方にも、生前予約はおすすめです。
自然死についてよくある質問
最後に、自然死についてよくある質問に対して回答していきます。知っておいて損はないことばかりですので、ぜひ参考になさってください。
自然死の場合に死亡保険金は受け取れる?
自然死によって亡くなった場合でも、死亡保険金は受け取れます。老衰は「多臓器不全」という扱いとなり、病死と同じ扱いになるため、死亡保険金を受け取ることが可能です。
自然死が起きた物件に告知義務はある?
基本的に、自然死が起きた物件に告知義務はありません。国土交通省では「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」が公表されており、自然死の場合には「原則として告知の必要はない」という旨が記載されています。
ただし、自殺や他殺、火災による死亡があった場合など、一部のケースでは告知義務があります。詳細についてはガイドラインをご確認ください。
まとめ
人生の最期の迎え方として自然死を望む方は多いですが、必ずしも老衰で亡くなるとは限りません。健康だと考えられていた方が急速に死に至ることもあるため、元気なうちにできる限りの備えをしておくことをおすすめします。
間違えのない葬儀社の選び方や注意点をはじめ、さまざまな葬儀の知識・マナーを分かりやすくお伝えします。