ご葬儀後にかける労いの言葉とは?タイミングや注意点、状況別に例文を紹介
悲しみに暮れるご遺族に対し、「どのような言葉をかければいいんだろう」と悩んでしまう方は少なくありません。労いの言葉は、伝え方次第でご遺族の負担になってしまう場合もあるため、事前にマナーを把握しておくことが大切です。
今回は、ご葬儀後にかける労いの言葉のマナーについて解説します。状況別に例文もご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
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ご葬儀後に労いの言葉をかけるべき?
弔事における労いの言葉には、「ご遺族に寄り添う」という意味合いがあります。心身ともに疲弊しているご遺族からすれば、「ご自愛ください」「何かあればいつでも連絡ください」といった一言が心の支えになるものです。したがって、ご葬儀後に労いの言葉をかけることは大切な心遣いといえるでしょう。
ご葬儀後に労いの言葉をかけるタイミング
ご葬儀後に労いの言葉をかけるタイミングに、明確な決まりはありません。しかし、ご葬儀当日のご遺族は参列者の対応に追われるため、疲れが溜まっていることが考えられます。
そのため、労いの言葉をかけるのであれば、早くてもご葬儀の翌日以降が望ましいでしょう。相手の負担にならないよう、タイミングにも気を配ることが大切です。
ご葬儀後に労いの言葉をかける場合の注意点
ご葬儀後に労いの言葉をかける際は、さまざまなことに注意しなければいけません。相手に不快な思いをさせないよう、基本的なマナーを押さえておきましょう。
重ね言葉を使わない
重ね言葉とは、「たびたび」「重ね重ね」「ますます」など、同じ意味の語を重ねて表現した言葉のことです。弔事の場では不幸が繰り返すことを連想させるため、使用するのはマナー違反とされています。加えて、「再び」「続く」「引き続き」といった表現も繰り返しを連想させるため、避けたほうが無難です。
忌み言葉を使わない
忌み言葉とは、弔事や慶事など特定の場において、不吉なことを連想させる言葉です。具体的には、故人様との別れを連想させる言葉や、生死に関する言葉などが忌み言葉に該当します。
●終わる
●離れる
●死亡
●4(死)・9(苦)
ご葬儀後に労いの言葉をかける際、忌み言葉を使用するのもマナー違反となります。上記以外にも避けるべき表現がありますので、この機会に確認しておくと良いでしょう。
死ぬ、亡くなるなどの直接的な言葉を使わない
先ほども軽く触れましたが、ご葬儀後に労いの言葉をかける際、「死ぬ」「亡くなる」といった直接的な言葉も使ってはいけません。故人様の死に触れるときは、「旅立つ」や「ご逝去」など、遠回しな表現を用いるのがマナーです。
死因を尋ねない
ご遺族と挨拶を交わすとき、故人様の死因について触れることもあるかもしれません。相手から話してくれる分には問題ありませんが、自ら死因について切り出すのはマナー違反です。病気や事故などで亡くなられている場合もありますから、ご葬儀後は労いの言葉をかけるのにとどめておきましょう。
安易な励ましの言葉をかけない
「頑張って」「元気を出して」といった安易な励ましは、かえってご遺族に負担をかけてしまう恐れがあります。そのため、早く立ち直ることを促す言葉ではなく、「私にできることがあればいつでも連絡ください」など、寄り添う気持ちを伝えるほうが望ましいです。
簡潔にまとめて伝える
ご遺族の負担を考慮し、労いの言葉は簡潔にまとめて伝えることを心掛けましょう。話したいこともあると思いますが、ご遺族は儀式の準備・進行や参列者の対応などで疲労が溜まっているはずです。労いの言葉でさらに負担をかけてしまっては本末転倒ですので、手短に済ませるようにしましょう。
ご葬儀後にかける労いの言葉の例文
最後に、ご葬儀後にかける労いの言葉の例文をご紹介します。以下の内容を参考に、少しでもご遺族の力になれるような労いの言葉をかけましょう。
直接伝える場合の例文
労いの言葉を直接伝える場合、あまり形式張らないほうがご自身の気持ちが伝わりやすいです。いくつか例文をご紹介しますので、ニュアンスの違いにも注目してみてください。
このたびはご愁傷様でした。
〇〇さん(相手の名前)の悲しみを思うと、慰めの言葉もありません。
私にできることがあれば、いつでも連絡ください。
〇〇様のご逝去の訃報に、まだ信じられない気持ちです。
本当に大変だったと思います。
何か手伝えることがあれば、いつでも声をかけてください。
どうか無理せず、落ち着いたら身体を休めてくださいね。
このたびは、誠にご愁傷様でございます。
長く連れ添われた奥様とのお別れは、本当にお辛いことでしょう。
お忙しいと存じますが、どうかお身体に気をつけてお過ごしください。
私でお役に立てることがあれば、何なりとおっしゃってください。
近親者や親しい友人などに労いの言葉をかける際は、最低限のマナーを押さえておけば、普段と同じような言葉遣いで問題ないでしょう。上記の例文を見て堅苦しさを感じる方は、ご自身の言葉に置き換えて気持ちを伝えていただければと思います。
また、相手が上司など目上の方である場合は、より丁寧な表現が求められます。いざというときに落ち着いて対応できるよう、この機会に労いの言葉を考えておくのも一案です。
メールやLINEで伝える場合の例文
労いの言葉をメールやLINEで伝えるのは略式のため、丁寧な言葉遣いを心掛けましょう。さらに直接伺えないことに対するお詫びの言葉や、返信に気を遣わせない言葉を添えると、より丁寧な印象になります。
お母様の訃報に接し、心よりお悔やみ申し上げます。
お元気な姿を拝見したばかりでしたから、大変驚いています。
疲れを感じる頃かと思いますので、ご自愛専一にてお過ごしください。
私でお役に立てることがあれば、いつでも連絡してください。
このたびは、心よりお悔やみ申し上げます。
葬儀が終わり、さぞお疲れのことと存じます。
どうか気を落とさず、お身体にお気をつけください。
何か力になれることがあれば、いつでも連絡してくださいね。
なお、メールの返信は不要です。
ご尊父様の訃報に接し、心よりご冥福をお祈りいたします。
ご家族の皆様の悲しみはいかばかりかとお察し申し上げます。
大変なときとは思いますが、どうかご自愛ください。
本来であれば直接お悔やみを伝えるべきところではございますが、略儀ながらメールにて失礼いたします。
なお、返信の気遣いは不要です。
上記はあくまでも一例であり、相手と親しい間柄であれば、少し砕けた表現になっても問題ありません。しかしながら、人の死に関わるデリケートな事柄ですから、砕けすぎた印象にならないように気をつけましょう。
まとめ
弔事における労いの言葉には、「ご遺族に寄り添う」という意味合いがありますが、伝え方によってはご遺族に負担をかけてしまうこともあります。そのため、労いの言葉をかけるのであれば、ご葬儀の翌日以降に伝えたり、なるべく手短に済ませたりといった配慮が必要です。
本記事を読んで基本的なマナーを確認し、いざというときにも落ち着いてご自身の気持ちを伝えられるようにしておきましょう。
間違えのない葬儀社の選び方や注意点をはじめ、さまざまな葬儀の知識・マナーを分かりやすくお伝えします。