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水葬とは?日本でできるのか、歴史や世界での風習、海に還す方法を解説


水葬とは?日本でできるのか、歴史や世界での風習、海に還す方法を解説

現代の日本では火葬が主流ですが、かつては「水葬」という方法が採用されていました。この方法であれば、故人様を海に還すことができますが、今の日本でできるかどうか気になっている方もいらっしゃるでしょう。

本記事では、水葬の種類や歴史について解説し、現代の日本における水葬の可否についてもご説明します。

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水葬とは?

水葬とは、海や川などの水に関連した場所にご遺体を流すという葬儀方法です。現代の日本においては馴染みのない葬法といえますが、かつては日本でも水葬が行われていました。以下では、水葬の種類と特徴について解説します。

水葬の種類① 海葬

海葬(かいそう)とは、亡くなった方のご遺体をそのまま海に流す方法です。海の先に死者の国があると信じられてきたことから、海葬が行われるようになったといわれています。

水葬の種類② 舟葬

舟葬(しゅうそう)とは、亡くなった方のご遺体を小さな船に乗せて海に流す方法です。前項で解説した海葬との違いは、舟の有無にあります。現代では考えにくいことですが、一部の地域では死期が近づいた方を舟に乗せて海に流すという風習もあったようです。

日本における水葬の歴史

前述のとおり、かつての日本では「海の先に死者の国がある」と考えられていたことから、水葬が行われていました。現在、日本で水葬は行われていませんが、各地に残る「精霊流し」や「灯籠流し」の風習は、水葬の名残ではないかと考えられています。

現代の日本でも水葬はできる?

2024年現在の日本では、水葬を行うことはできません。なぜかというと、個人の判断で海や川にご遺体を流した場合、死体遺棄罪の罪に問われてしまうからです。

なお、船舶の航行中に乗組員・乗客が亡くなった場合、特定の条件を満たせば水葬を行うことが認められています。ご遺体が海に浮かばないような処置を施す必要があるなど、細かい規定が設けられているため、希望してできるものでないと理解しておきましょう。

世界での水葬の現状

日本では違法にあたる水葬ですが、世界各地ではどのように考えられているのでしょうか。ここからは、世界での水葬の現状について解説していきます。

インド

インドは人口の約8割がヒンズー教といわれており、宗教儀礼としてガンジス川流域で水葬が行われています。日本の水葬とは異なり、インドの水葬はご遺体を火葬した後に遺骨し、遺灰を流すという形式が一般的です。

しかし、火葬費用が払えない貧困者も多く、ご遺体をそのまま川に流すケースも珍しくありません。加えて、特定の条件(蛇の毒が死因・赤ちゃん・妊婦など)に当てはまる場合も、火葬されずにそのまま川に流されることもあるそうです。

チベット

チベットでも、インドほどは一般的ではないものの水葬が行われています。チベットではさまざまな葬儀方法が用いられていますが、そのなかで水葬は経済的に恵まれない方や伝染病で亡くなった方に対して行われることが多いようです。

ヨーロッパ

ヨーロッパでも水葬が行われてきた歴史があります。例えば、スウェーデンやノルウェーのご葬儀では、水葬の一種である舟葬が用いられてきました。しかし、現代では衛生などといった観点から、一部の地域を除いては水葬が行われなくなっています。

アメリカ

アメリカでは土葬や火葬が主流ですが、新たな選択肢として水葬が注目されています。他国とは異なり、アメリカにおける水葬は、アルカリ加水分解でご遺体の処理を行うのが特徴です。

具体的には、ご遺体を特殊な機械で液化処理し、最終的に遺骨と体内にあった金属が残る状態にします。アルカリ加水分解はコストが安いほか、環境にやさしいといったメリットがあることから、今後も注目を集めていくことが予想されます。

遺灰を海にまく海洋散骨について

日本では例外を除いて海葬を行うことは認められていませんが、遺灰を海にまく「海洋散骨」は認められています。海洋散骨とは、故人様やご遺族の希望により、遺骨を粉末状にして海に還すという新しい葬儀方法です。以下では、海洋散骨の特徴や流れについて解説します。

海洋散骨のメリット・デメリット

海洋散骨のメリットは、「自然に還る」という希望を叶えられることです。同じ自然葬である土葬や樹木葬でも自然への回帰を体現できますが、これらの方法に比べて実現のハードルが低い点もメリットとして挙げられます。

また、お墓を建てる必要がないため、墓石や土地の購入費用がかかりません。さらに、お墓の管理が不要になることから、ご遺族の負担を軽減できるというメリットもあります。

一方で、海洋散骨にはお墓参りができなくなるというデメリットがあります。この問題を解決するため、遺骨の一部を海に散骨し、それ以外はお墓に納骨するプランを選択する方も少なくありません。ほかにも、一般的な葬儀方法ではないことから、周囲の理解を得られない場合があるというデメリットもあります。

海洋散骨ができる場所

海洋散骨は、どこで行っても良いというわけではありません。地域によっては散骨を条例で禁止していたり、独自のルールを定めていたりすることもあるため、各地域のルールにも注意する必要があります。

これらの点については、散骨業者が責任を持って対応してくれるはずですが、ご遺族側も希望する地域の条例やルールについて確認しておくとより安心です。

海洋散骨の流れ

ここでは、海洋散骨の当日の流れについて解説します。プラン内容にもよりますが、基本的な流れは以下のとおりです。

<海洋散骨の当日の流れ>

●開式

●黙祷

●散骨

●献水・献酒

●閉式

散骨業者のホームページには、儀式の流れについて明記されていることが多いので、詳細はそちらでご確認ください。

海洋散骨の費用

海洋散骨の費用は、100 ,000〜500,000円程度が相場です。プランごとに金額が大きく変わりますので、目的と予算に合わせて選ぶようにしましょう。

例えば、「できるだけ葬儀費用を抑えたい」という方は、複数のご遺族で同じ船を利用する「合同散骨」がおすすめです。合同散骨の費用は100 ,000円程度が相場となっていますので、ほかのプランよりも費用を安く抑えられます。

まとめ

現在の日本では、水葬は原則として禁止されています。故人様の「自然に還りたい」という意思を尊重したいとお考えの場合は、合法的に遺灰を海にまける海洋散骨を検討してみると良いでしょう。

記事の制作・編集家族葬コラム編集部
インターネット葬儀社が一般的になり、さまざまなトラブルが起こる昨今。
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