【ご遺族向け】自宅葬とは|費用相場やメリット・デメリットをわかりやすく解説
自宅葬では、思い出が詰まった自宅で故人様との最期の時間を過ごせます。その特長から自宅葬を検討している方も多いかもしれませんが、いくつか注意点もあるため事前に確認しておくと安心です。
本記事では、自宅葬がどのようなものなのか分かりやすく解説します。気になる費用相場やメリット・デメリットも併せてご紹介しますので、ぜひ参考になさってください。
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そもそも自宅葬とは
自宅葬とは、故人様の自宅でお通夜・ご葬儀を執り行うことをいいます。現代では斎場で儀式を行うこと が主流ですが、かつてはご自宅で儀式を行うのが主流でした。
自宅層が減少した理由については、病院で亡くなる方や集合住宅で暮らす方が増えたことなど、現代に暮らす方々の生活環境の変化が大きく関係しています。
自宅葬を執り行う際のメリット
ここからは、自宅葬のメリットについて解説していきます。特筆すべきメリットは、主に以下の4つです。
●最期まで思い出が詰まった自宅で過ごせる
●葬儀場の費用がかからない
●時間が気にならない
●制限が少なく自由なご葬儀ができる
それでは、各メリットについて詳しく見ていきましょう。
最期まで思い出が詰まった自宅で過ごせる
最期まで思い出が詰まった自宅で過ごせるのは、自宅葬ならではのメリットです。健康上の理由から自宅に帰ることが叶わず、「住み慣れた家で最期を迎えたい」と希望する方も少なくありません。本人が望んだ形でお別れができるのは、故人様にとってもご遺族にとっても大きなメリットといえるでしょう。
葬儀場の費用がかからない
自宅葬の場合、葬儀場の費用が一切かかりません。そのため、 費用を抑えやすい点もメリットといえます。
時間が気にならない
自宅葬には、時間が気にならないというメリットもあります。葬儀場 の場合、葬儀場が設けている制限時間内に儀式を済ませなければなりません。時間の制約がない自宅葬であれば、故人様との時間をゆっくり過ごせます。
制限が少なく自由な葬儀ができる
葬儀場では、葬儀場が設けているルールのもと、儀式を進行しなければなりません。一方で、自宅葬は制限が少なく、基本的には喪主の判断で自由に進めることができます。参列者の人数も限られ、周りの目を気にする必要もないため、マナーに不安がある方も穏やかな気持ちでお見送りできるでしょう。
自宅葬を執り行う際のデメリット・注意点
続いて、自宅葬のデメリットについて解説していきます。事前に知っておくべき注意点は、以下のとおりです。
●ご近所へ配慮する
●十分なスペースが必要
●準備・進行・片付けが大変な可能性もある
後悔のない選択をするためにも、デメリットと注意点もしっかりと確認しておきましょう。
ご近所へ配慮する
自宅でお通夜・ご葬儀を行う場合、ご近所への配慮は欠かせません。当日には参列者や棺が出入りするため、あらかじめご近所の方へ声をかけておくことが大切です。多くの方が参列される場合は、ご迷惑がかからないように駐車スペースを確保しておきましょう。
また、人の話し声や読経の音なども、近隣住民の迷惑になることが考えられます。事前に近隣住民への挨拶を済ませておけば、不要なトラブルに巻き込まれる心配もありません。
十分なスペースが必要
自宅葬を行う場合、儀式を執り行うためのスペースの確保が必要です。一般的に、自宅葬は6畳ほどのスペースがあれば可能とされていますが、祭壇の有無や参列者の人数によって必要なスペースは変わってきます。
また、集合住宅ではエレベーターに棺を乗せられなかったり、自宅葬が禁止されていたりすることも珍しくありません。その場合、自宅葬以外の方法を検討する必要があります。
準備・進行・片付けが大変な可能性もある
自宅葬では儀式の準備と進行、片付けをすべてご遺族で行わなければなりません。葬儀社に依頼すれば設営の準備や片付けを行ってくれるため、負担を軽減することが可能です。
しかし、儀式を行う場所の掃除や接待で使用した食器の片付けなどは、ご遺族が対応しなければなりません。葬儀社に依頼してもそれなりの負担がかかりますので、心配な方は準備から片付けまでを一任できる一般葬を検討してみると良いでしょう。
自宅葬にかかる費用相場
自宅葬にかかる費用相場は、400,000〜1,000,000円程度とされています。儀式の規模やプランによって金額は変わってきますので、目安としてご参考になさってください。
自宅葬の一般的な流れ
ここからは、自宅葬の一般的な流れについて解説していきます。スムーズに儀式を進められるよう、具体的にどのような手順で行うのか把握しておきましょう。
お通夜の流れ
はじめに、自宅葬におけるお通夜の流れをご紹介します。
1.納棺
2.祭壇の設営
3.僧侶による読経
4.参列者による焼香
5.喪主の挨拶
6.通夜振る舞い(会食)
自宅・葬儀場 のどちらを選択しても、お通夜の流れはほとんど変わりません。通夜振る舞いは無理に行う必要はありませんが、その場合は感謝の意を込めてお渡しする粗供養品(そくようひん)を用意しておくと良いでしょう。
ご葬儀の流れ
続いて、自宅葬におけるご葬儀の流れを見ていきましょう。
1.祭壇の設営
2.僧侶による読経
3.参列者による焼香
4.喪主の挨拶
5.出棺
6.火葬(火葬場へ移動)
7.収骨
8.精進落とし(会食)
9.後片付け(自宅へ移動)
ご葬儀に関しても、基本的には斎場で行う場合と同じ流れで進行していきます。祭壇の設営から出棺までは自宅で行いますが、火葬・収骨は火葬場にて行いますので、自宅葬でも移動が必要なことを覚えておきましょう。精進落としについては、自宅やほかの場所で行っても問題ありません。
自宅葬を執り行う際のマナー
葬儀場 と比べると、自宅葬は比較的自由度が高いですが、誰もが穏やかな気持ちでお見送りできるよう、最低限のマナーは押さえておきましょう。
服装は「喪服」が一般的
自宅葬に参列するときの服装は、喪服が一般的です。喪服は格式の高い順に正喪服・準喪服・略喪服の3つに分けられますが、自宅葬の場合はそれほどかしこまる必要がないため、略喪服で参列しても問題ないとされています。
お通夜・ご葬儀に参列する際、服装について悩まれる方は少なくありません。マナーに詳しくない方もいらっしゃいますので、案内状に「平服でお越しください」といった内容を記載しておくと、より丁寧な印象を与えられます。
香典を辞退する場合はあらかじめ伝える
近年では「お返しの準備が大変」「参列者に負担をかけたくない」といった理由から、香典を辞退するケースも珍しくありません。香典を辞退することについては問題ありませんが、その場合は関係者にあらかじめ伝えておく必要があります。
香典はお悔やみの気持ちを込めて渡すものであり、当日になって「受け取れない」と言われたら、香典を用意した方が困惑してしまうかもしれません。予期せぬトラブルに発展してしまうこともありますので、案内状などを通じて事前に伝えておくことが大切です。
参列者の範囲を明確にする
自宅葬は故人様との最期の時間をゆっくり過ごすため、ご遺族や近親者のみで慎ましく行うのが一般的です。もちろん身内以外の方をお招きしても良いですが、スペースの問題もあるため、参列者の範囲を明確にする必要があります。
なお、参列をお断りする場合は、相手を困惑させないよう正直に伝えることが大切です。その際、故人様の希望、もしくはご家族の希望であることを伝えれば、気持ちを汲み取って納得していただけるでしょう。
まとめ
自宅葬には、思い出が詰まった自宅で最期の時間を過ごせるほか、ご葬儀にかかる費用を抑えやすいといったメリットがあります。一方で、ご近所への配慮や十分なスペースが必要であり、ご遺族にかかる負担が大きいというデメリットがあるのもまた事実です。本記事でご紹介したメリット・デメリットを参考に、ご家族と相談しながら自宅葬を行うべきか検討してみてください。
間違えのない葬儀社の選び方や注意点をはじめ、さまざまな葬儀の知識・マナーを分かりやすくお伝えします。