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50日祭とは?儀式の流れや事前準備、服装・お供え物などのマナーを解説


50日祭とは?儀式の流れや事前準備、服装・お供え物などのマナーを解説

神道の儀式の一つに「50日祭」がありますが、その目的や内容について理解している方は多くありません。50日祭は故人様にとってもご遺族を含む参列者にとっても重要な意味を持ちますので、事前に儀式への理解を深めておくことが大切です。

本記事では、神式で執り行われる50日祭について詳しく解説します。儀式の流れや必要な事前準備のほか、押さえておくべきマナーについてもご説明しますので、ぜひ最後までご覧ください。

コンテンツ

50日祭とは?

まず、50日祭がどのようなものなのか解説していきます。この機会に儀式を行う目的やタイミングをしっかりと理解しておきましょう。

神式における儀式

50日祭とは、亡くなった方を家の守り神としてお迎えする神道の儀式です。宗教ごとに死生観は異なりますが、神道では50日祭をもって、故人様がご家庭をお守りする守護神になると信じられています。

なお、霊祭(仏式の法要にあたる神式の行事)は神社で行われることがありません。神道には「死は穢れ(けがれ)」という概念があり、忌中の方が神社に入ることはタブーとされているため、50日祭はご自宅や斎場で行われるのが一般的です。

50日祭を行う目的

50日祭は亡くなった方を神様としてお迎えすることを目的とします。仏教では故人様の御霊を極楽浄土へ送り出しますが、神道では新しい守護神として迎え入れるのが通例です。

50日祭を行うタイミング

神道では亡くなった日を1日目として数えます。つまり、50日祭を行うタイミングは、亡くなった日を含めた50日目です。この日は仏教における四十九日にあたり、神道では50日祭をもって忌明けとなります。

50日祭で行う儀式

50日祭は仏教の四十九日法要にあたる重要な霊祭ですが、具体的にどのような形で執り行われるのでしょうか。ここからは、一般的な儀式の内容について解説していきます。

献饌(けんせん)

献饌とは、祭壇や墓前にお供えをする儀式のことです。こちらの儀式では故人様が生前好んでいたものや米・酒・海産物などをお供えします。参列者はお菓子や果物の詰め合わせを用意するのが一般的ですが、近年ではお供え物の代わりとして現金を渡すケースも増えているようです。

祝詞奏上(のりとそうじょう)

祝詞とは、神様に対して感謝や敬意を表すための言葉であり、神官が祭壇の前で読み上げることを祝詞奏上といいます。仏教での僧侶による読経にあたるもので、神道の50日祭では祝詞奏上が必ず行われます。

玉串奉奠(たまぐしほうてん)

玉串とは、榊の枝に紙垂(しで)と呼ばれる白い紙を結びつけたものです。この玉串を祭壇に捧げる儀式を玉串奉奠といい、一般的には「喪主→ご遺族→故人様の友人・知人」の順番で行われます。玉串奉奠は、仏教における焼香にあたる儀式です。

直会(なおらい)

直会とは、祭壇に捧げたお供え物を下げ、参列者全員でいただくことです。この儀式によって神様との結びつきが強くなり、神力が分け与えられると考えられています。会食形式で行われる直会は、参列者同士で故人様を偲び語り合う場としての役割もあります。

清祓の儀(きよはらいのぎ)

清祓の儀とは、神棚に貼られている白い紙を剥がす儀式のことです。この白い紙は死の穢れから神様をお守りするために貼るものですが、50日祭のタイミングで通常の状態に戻し、ご遺族は忌明けとなります。

なお、清祓の儀は50日祭の翌日に行うのが正式です。しかし、時代の流れとともに儀式の作法も変化しており、現代では50日祭当日に行うケースが増えています。

50日祭の事前準備

50日祭までにやるべきことは意外と多いため、着実に準備を進めていく必要があります。結論からいうと、ご遺族がやるべきことは以下のとおりです。

<50日祭の事前準備>

1. 日程を決める

2. 神官と打ち合わせをする

3. 食事会場を手配する

4. 案内状を出す

5. お返しを用意する

6. 祭祀料を用意する

7. 祭壇を飾り付ける

以下では、①〜⑦までの事前準備について解説していきます。

①日程を決める

はじめに、神官と相談をして50日祭の日程を決めます。一般的に、参列者がスケジュール調整しやすいよう、50日目より前の土日祝に設定するご家庭が多いようです。

②神官と打ち合わせをする

50日祭は神官とご遺族が一緒になって行うものであるため、事前にしっかりと打ち合わせをしておく必要があります。スケジュールのすり合わせのほか、儀式について何か気になることがあれば、打ち合わせの際に確認しておくと良いでしょう。

③食事会場を手配する

50日祭の日程が決まったら、参列者との会食を行う食事会場を手配しましょう。具体的な日時のほか、おおよその人数なども連絡します。また、いつまでに最終人数を報告するかなど、よく打ち合わせをしておくことも大切です。

④案内状を出す

続いて、50日祭にお招きしたい方へ案内状を出します。早く出しすぎると返信を忘れてしまう可能性があり、逆に遅すぎると日程調整が難しくなるため、当日の1ヶ月前くらいを目安に送付するのがおすすめです。

また、ご遺族は参列者の人数に合わせて会場や食事を手配しなければなりません。早めに出席・欠席の連絡をもらえるよう、往復はがきを使ったり、返信の期日を設けたりすると良いでしょう。

⑤お返し(引き出物)を用意する

出席人数が確定したら、参列者にお渡しする返礼品を用意します。仏式の香典返しと同様に、神式の50日祭のお返しも、すぐに消費できるお菓子や洗剤といった消え物がおすすめです。高齢の方や遠方から訪れる方に配慮し、賞味期限が長いものや軽くて持ち運びやすいものを選べば、大きな負担をかけることもありません。

⑥祭祀料を用意する

祭祀料とは、神道の儀式を行っていただいた神官への謝礼としてお渡しするお金のことです。仏式のお布施にあたり、50日祭における祭祀料の相場はおおよそ30,000〜50,000円とされています。同日に納骨も行う場合の相場は、おおよそ50,000〜70,000円です。

⑦祭壇を飾り付ける

50日祭当日には、お供え物や遺影などを安置するための祭壇を設置します。以下に祭壇の飾り付けの基本をまとめましたので、ぜひ参考になさってください。

<祭壇の飾り付け方>

1. 八足の三段棚を設置し、白い布で覆い被せる

2. 上段に故人様の遺影・遺骨を置く

3. 中段の真ん中に霊璽(れいじ)を、両側に榊を入れた榊立てを安置する

4. 下段の両端にろうそくを立てた火立てを置く

5. 中断・下段の隙間にお供え物を安置する

祭壇に必要なものは葬儀社が準備してくれることが多いので、スムーズに準備を進められるでしょう。ご自身で準備しなければいけない場合は、ネットでのレンタルを検討してみるのも一案です。

50日祭におけるマナー

50日祭は、故人様にとってもご遺族にとっても一つの区切りとなる大切な日です。参列するにあたって、いくつか気を付けたいマナーがありますので、この機会に覚えておきましょう。

服装のマナー

50日祭に参列する際喪主やご遺族は正喪服を着用するのが正式なマナーです。しかし、、現代では、やや簡易的な服装である準喪服を着用するケースが増えています。

また、一般参列者は仏教のご葬儀のときと同様の服装であれば問題ありません。男性は黒のスーツ、女性は黒のワンピースなどを着用し、派手なアクセサリーや露出を避けた常識ある服装を心掛けましょう。仏教とは異なり、神道では数珠は不要です。

お供え物・玉串料のマナー

50日祭のお供え物には故人様が生前好んでいたものや米・酒・海産物などが用いられることが多いです。一般参列者として出席する場合は、お菓子や果物の詰め合わせといった定番のものを選ぶと良いでしょう。

また、50日祭に参列する際は、仏式の香典にあたる玉串料も用意する必要があります。以下に玉串料に関するマナーをまとめましたので、そちらもあわせてご覧ください。

・表書きの書き方

封筒の上段には「御玉串料」や「玉串料」と記入し、下段にはお金を包んだ方のフルネームを記載します。仏式の香典と同様に、玉串料の表書きも薄墨の毛筆、もしくは薄墨の筆ペンで書くのがマナーです。

・包み方

50日祭は祝い事ではないため、玉串料は「不祝儀袋」に納めてお渡しします。ただし、他の宗教を連想させる蓮の花や十字架などが描かれているものは避けるようにしてください。

なお、水引は結び切りやあわじ結びのものを選びましょう。色は黒白が基本ですが、地域によって考え方に違いが見られますので、事前に確認しておくことをおすすめします。

また、お札の向きは全て同じ方向に揃えるのがマナーです。中袋を開けたときに肖像画が見えるように入れるのが一般的ですが、こちらも地域によって考え方が異なります。

・渡し方

不祝儀袋に納める玉串料は「寒色系の袱紗(ふくさ)」に包んで持参するのが一般的です。渡すタイミングについては、会場に到着後すぐの挨拶時にお渡しするのが良いでしょう。

言葉遣いのマナー

50日祭は神道の儀式であり、仏教用語を用いるのはマナー違反となります。「冥福」「成仏」「供養」「往生」などは仏教で用いる言葉なので、使わないように気を付けましょう。

まとめ

50日祭は神式における儀式の一つであり、亡くなった方を神様としてお迎えすることを目的とします。仏教の四十九日法要と似ている部分が多いですが、神道と仏教では根本的な考え方が異なりますので、しっかりと区別して理解することが大切です。誰もが50日祭に参列する可能性がありますが、この記事が少しでもお役に立てれば幸いです。

記事の制作・編集家族葬コラム編集部
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