一周忌法要で必要な持ち物は?喪主や参列者、家族のみで行う場合など解説
故人様が亡くなってから1年後に執り行われるのが一周忌法要です。年忌法要の中で最も重要とされている仏事ですが、当日に持参する持ち物について気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回は、一周忌法要で必要な持ち物を施主側と参列者側に分けてご紹介します。安心して法要に参列できるよう、この機会に準備すべき物を確認しておきましょう。
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一周忌法要とは?
一周忌法要とは、故人様が亡くなってから1年後の命日に行う法要のことです。はじめに、一周忌法要の概要からご紹介します。
一周忌法要を行うタイミング
一周忌法要を行うタイミングは、故人様が亡くなってから1年後の同月同日である「祥月命日(しょうつきめいにち)」が一般的です。仏教では一周忌までを喪中としており、喪が明ける節目として一周忌法要を執り行います。
なお、施主側が準備する一周忌法要の案内状は、祥月命日の1ヶ月前までに送るのがマナーです。残り1ヶ月を過ぎてからでは、多くの方がスケジュール調整に苦労してしまいますので、祥月命日の2ヶ月前までには案内状を用意しておくと良いでしょう。
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詳しく見る一周忌法要の流れ
当日の流れは寺院や地域によっても異なりますが、一周忌法要の基本的な流れは以下のとおりです。
<一周忌法要の流れ>
1.司式者の入場
2.施主の挨拶
3.読経
4.焼香
5.法話
6.お墓参り
7.施主の挨拶
8.会食(お齋)
一般の参列者をお招きする場合、儀式の始まりと終わりに施主の挨拶がありますが、親族のみで執り行う法要では省略するケースもあります。
【喪主・ご遺族】一周忌法要で必要な持ち物は?
一周忌法要で必要な持ち物は、施主側と参列者側で異なります。まずは喪主・ご遺族が用意する物から確認していきましょう。
遺影・位牌
一周忌法要では、故人様の遺影を用意するのが一般的です。新たに準備する必要はなく、ご葬儀の際に使用した遺影を飾っても問題ありません。ただし、会場の大きさと合わない場合には、サイズの変更を検討した方が良いでしょう。
また、故人様の依代(よりしろ)となる位牌も用意する必要があります。法要の場に位牌がなければ、故人様の供養は行えませんので、必ず持参するようにしましょう。
お布施
一周忌にお呼びする僧侶への謝礼として、お布施も用意しなければなりません。お布施の相場ですが、納骨をしない場合は30,000〜50,000円、納骨をする場合は前述した金額より10,000円ほど多く包むのが目安となります。地域によって相場は異なりますので、周囲の方と相談しながら妥当な金額を決めると良いでしょう。
数珠
どのような立場であっても、一周忌法要に参列する際は数珠が必要です。一般的に、数珠の貸し借りはマナー違反とされていますので、持参し忘れないよう注意しましょう。
花・お供え物
施主側は会場に飾るお花も用意します。四十九日までは白を基調としたお花を用意するのが一般的ですが、一周忌では淡い色を加えたり、故人様の好みに合わせたりするケースが多いです。
また、お供え物として果物やお菓子のほか、寺院によっては野菜や海産物などを用意することもあります。お花やお供え物は参列者からいただくこともありますので、そちらも考慮しながら準備を進めていくと良いでしょう。
引き出物・お返し
参列者からお供え物をいただいた場合には、感謝の気持ちを込めて返礼品を渡すのがマナーです。一周忌法要におけるお返しの相場は、一般的にいただいたお供え物の5〜7割が目安とされています。
香典返しのように消え物を用意する必要はありませんが、参列者に負担をかけないよう重たい物やかさばる物は避けるといった配慮が必要です。
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ご自宅で一周忌法要を行う場合には、焼香を行うための設備や本尊をお祀りするための仏壇も準備しなくてはなりません。必要な仏具や準備の仕方について分からないことがあれば、菩提寺に相談してみることをおすすめします。
納骨を行う場合は各種書類・卒塔婆も準備する
法要当日に納骨を行う場合は、「埋葬許可証」や「墓地使用許可証」など各種書類の準備も必要です。加えて、霊園にご遺骨を納める場合は、追善供養のために立てられる「卒塔婆(そとうば・そとば)」の準備が必要なケースもあります。
服装は正喪服または準喪服
ご葬儀の時と同様に、一周忌法要においても喪主・ご遺族は正喪服を着用するのが正式なマナーです。しかし、近年では準喪服を着用するケースが増えており、正喪服ではなくても問題ないという考え方が定着しつつあります。
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続いて、一周忌法要における参列者の持ち物について解説していきます。周りの方に対して失礼な印象を与えないよう、必要な物と選び方をチェックしておきましょう。
香典
施主側から香典を辞退する連絡を受けていない場合、参列者は香典を持参するのがマナーです。ご葬儀の時と同様に、香典は袱紗(ふくさ)に包んで持参するようにしてください。
一周忌法要での香典の金額相場
一周忌にお渡しする香典の金額相場は、故人様との関係性で決まることが多いです。以下、香典の大まかな目安となります。
故人様との関係 | 金額相場 |
---|---|
両親 | 10,000~50,000円 |
兄弟姉妹 | 10,000~30,000円 |
祖父母 | 10,000~30,000円 |
配偶者の親 | 10,000~30,000円 |
会社関係の人 | 5,000〜1,000円 |
友人・知人 | 5,000~10,000円 |
また、一周忌法要の香典は会食の有無やご自身の年齢、立場に応じて金額を調整するのが一般的です。香典の金額については明確な決まりはありませんので、不安な場合は周囲の方に相談してみると良いでしょう。
香典袋の書き方
四十九日以降の香典には、表書きとして「御仏前(御佛前)」や「御香料」などと記すのが一般的です。そして、水引きの下に香典を差し出す方の名前を記載します。ただし、宗教によって香典袋の表書きや名前の書き方は異なりますので、事前に作法を確認してから用意することが大切です。
数珠
法要に参列する際は、仏具である数珠を身に付けるのがマナーです。参列者の中には宗派に適した数珠(本式数珠)を持参する方もいらっしゃいますが、異なる宗派の数珠や略式数珠を持参しても問題ありません。
花・お供え物
お花やお供え物に関しては、参列者にとって必須の持ち物ではありません。ただし、地域によっては参列者同士で話し合い、持ち寄るケースもありますので、その場合には慣習に合わせ用意すると良いでしょう。
服装は準喪服
参列者の服装は、施主側が着用する正喪服よりも格式が低い準喪服を選ぶのが適切とされています。具体的な服装は、以下のとおりです。
参列者 | 服装 | |
---|---|---|
男性 |
・ブラックスーツ+無地の白シャツ ・黒色のネクタイ ・黒色の革靴 |
|
女性 |
・ワンピースやアンサンブルなど (ブラックフォーマルと呼ばれる服) ・黒色の靴 |
|
子ども | 学生 | 制服 (制服がない場合は白いシャツ+灰色のズボン・スカート) |
幼児 | 黒色・灰色を基調としたシンプルな服 |
※アクセサリーは身に付けないのが基本(結婚指輪・婚約指輪は着用可)
なお、冬の寒い時期に参列する場合には、防寒対策として暗めの色のコートやジャケットを羽織ることをおすすめします。また、黒色のヒートテックをはじめとする保温性のあるインナーを着用すれば、不格好にならず寒さを凌ぐことが可能です。
また、案内状に「平服でお越しください」と記載されている場合は、法要の場にふさわしい平服(暗めの色のスーツやワンピースなど)で参列していただいて問題ありません。加えて、ご家族のみや親しい身内だけで法要を営む場合にも、平服で参列するのが通例です。
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日本では仏教のほか、神道やキリスト教を信仰している方も多く、儀式の際に準備する物に違いが見られます。最後に、神道やキリスト教における特筆すべき持ち物をご紹介しますので、ぜひ参考になさってください。
神道の場合
神道では故人様が亡くなってから1年後の命日に「一年祭」という神式の法要を行います。用意する物については仏式の法要とほとんど変わりませんが、お供え物として米や酒、川魚などを送る風習があるのは、神道ならではの特徴といえるでしょう。
また、仏教の一周忌法要と同じように、神道の一年祭でもいわゆる香典を用意します。その際、香典の表書きは「御神前」や「御玉串料」と記載するのが一般的です。
キリスト教の場合
キリスト教にも一周忌法要に相当する追悼行事がありますが、そのやり方は宗派によって異なります。例えば、カトリックでは「死者記念ミサ」、プロテスタントでは「記念集会(記念式)」という儀式を行い、故人様を偲ぶのが通例です。
キリスト教にはお花をお供えするという風習があり、仏教でいう香典の概念も存在します。香典として現金をお渡しする場合、カトリックでは「御花料」や「御ミサ料」、プロテスタントでは「御花料」や「忌慰料」と表書きすることが多いです。
まとめ
一周忌法要は、年忌法要の中で最も重要視されている仏事です。この法要を営むにあたって、喪主・ご遺族・参列者ともにさまざまな物を用意しなければなりません。より良い追善供養を行うため、そして周囲の方に不快な思いをさせないためには、法要で必要な持ち物と適切な服装を把握しておくことが大切です。
間違えのない葬儀社の選び方や注意点をはじめ、さまざまな葬儀の知識・マナーを分かりやすくお伝えします。