一周忌法要のお礼状の書き方|例文や注意すべきマナーを分かりやすく解説
一周忌法要に参列していただいた方や、お供え・香典などを送っていただいた方に対しては、返礼品にお礼状を添えて送るのが一般的です。しかし、いざ準備するとなると、「どのように書けばいいのだろう」と悩んでしまうかもしれません。
そこで今回は、一周忌法要のお礼状の書き方に加え、注意すべきマナーなどを分かりやすく解説しますので、ぜひ参考になさってみてください。
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一周忌法要とは
一周忌法要とは、故人様が亡くなってから1年目の祥月命日(しょうつきめいにち)に営まれる法要のことです。故人様のご遺族や親しい間柄の友人などが参列し、供養の意味が含まれる読経や焼香などが行われます。
一周忌法要の後にお礼状を送る
一周忌法要を終えた後には、参列していただいた方やお供え・香典などを送っていただいた方に対し、お礼状を送るのが一般的です。必ず送らなければいけないという決まりはありませんが、返礼品と一緒にお礼状も送ることで、より感謝の気持ちが伝わるでしょう。
一周忌法要のお礼状を送るタイミング
一周忌法要に参列していただいた方には、法要の当日に返礼品と併せてお礼状をお渡しします。一方で、参列できなかった方に対しては、後日お礼状を送付することになりますが、その場合は法要が終了してから1週間以内を目安に送るのが望ましいです。
しかし、何かしらの事情で、返礼品の発送が遅れてしまう可能性も十分に考えられます。法要からあまりにも期間が空いてしまうと、先方への感謝の気持ちが伝わりにくくなってしまいますので、先にお礼状だけでも届けるようにしましょう。
一周忌法要のお礼状の例文
一周忌法要のお礼状は、故人様が生前にお世話になった方々へ、感謝の意を表するものです。そのため、最低限のマナーを守りつつ、送る相手によって表現を変えながら作成することが求められます。
現代にはお礼状のテンプレートがいくつも存在しますので、それらを参考にして作成するのがおすすめです。以下では、4パターンに分けて書き方の具体例をご紹介いたします。
例文①:返礼品にお礼状を添える場合
はじめにご紹介するのは、一周忌法要の当日に、返礼品と併せてお礼状を送る場合の例文です。
今般 亡父〇〇儀 一周忌法要に際しましては
過分なるお心遣いを賜りまして 厚く御礼申し上げます
つきましては供養のしるしに 心ばかりの品をご用意いたしました
何卒 お納めいただければ幸いに存じます
略儀ながら 書中をもってお礼のご挨拶とさせていただきます
令和〇年〇月〇日(一周忌法要当日の日付)
〒〇〇〇-〇〇〇〇 〇〇県〇〇市〇〇町〇〇丁目〇〇番地〇〇号
施主 〇〇〇〇(施主名の横に「親族一同」の記載も可)
一周忌法要に限った話ではありませんが、お礼状は文章をシンプルにまとめるのが無難です。あくまで感謝の気持ちを伝えるものですので、私的な内容を記載するのは控えた方が良いでしょう。
ご紹介した例文のように、参列のことには触れず「お心遣い」という表現を用いる書き方は、お供えや香典のお礼を伝える際にも使えます。
例文②:お供え・香典をいただいた場合
次にご紹介するのは、一周忌法要を欠席され、お供えや香典などをいただいた方へのお礼状の例文です。
拝啓
この度 亡母〇〇儀 の一周忌法要に際しまして
ご多用中のところご鄭重なるご厚志を賜り心より厚く御礼申し上げます
お蔭をもちまして 一周忌法要を滞りなく済ませることができました
ささやかながら 供養のしるしに心ばかりの品をお送りいたしますので ご受納くださいますようお願い申し上げます
まずは略儀ながら 書中をもちまして御礼申し上げます
敬具
令和〇年〇月〇日(一周忌法要当日の日付)
〒〇〇〇-〇〇〇〇 〇〇県〇〇市〇〇町〇〇丁目〇〇番地〇〇号
施主 〇〇〇〇(施主名の横に「親族一同」の記載も可)
一周忌法要の出欠に関わらず、お礼状の基本的な構成は変わりませんが、文章表現を変えることは可能です。上記の例文を参考に、先方への感謝の気持ちを表現しやすい文言を用いていただければと思います。
例文③:お呼びできなかった方への報告する場合
続いてご紹介するのは、故人様の希望やご遺族の事情などにより、一周忌法要にお呼びできなかった方へ報告する場合の例文です。
謹啓
この度 亡祖父〇〇 の一周忌法要を相済ませましたのでご報告申し上げます
家族一同 ようやく気持ちの整理がつき おかげさまで元気に過ごしております
故人が生前中に賜りましたご厚情に深くお礼申し上げますとともに 皆様のご健勝を心よりお祈り申し上げます
本来は直接ご挨拶を申し上げるべきところではございますが、略儀ながら書中をもちまして ご挨拶申し上げます
謹白
令和〇年〇月〇日(一周忌法要当日の日付)
〒〇〇〇-〇〇〇〇 〇〇県〇〇市〇〇町〇〇丁目〇〇番地〇〇号
施主 〇〇〇〇(施主名の横に「親族一同」の記載も可)
一周忌法要に参列できなかったことにより、ご遺族の現状を気にされる方は少なくありません。そのため、お礼状には「法要を無事に済ませた」という旨を記載するのが一般的です。
また、「元気に過ごしております」といったご遺族の様子が伝わる言葉を添えれば、より安心していただけるでしょう。
例文④:家族葬の報告とお詫びをする場合
後にご紹介するのは、一周忌法要をご家族だけで済ませた場合の報告とお詫びを兼ねた例文です。
拝啓
この度の 亡祖母〇〇儀 一周忌法要につきましては
誠に勝手ではございますが 家族のみでささやかに営ませていただきました
本来であれば 皆様のご参列を賜り法要を営むところでございますが
ご報告のみとなりますことを深くお詫び申し上げます
皆様のご健勝をお祈りいたしますとともに 略儀ではございますが 書中にてご挨拶申し上げます
敬具
令和〇年〇月〇日(一周忌法要当日の日付)
〒〇〇〇-〇〇〇〇 〇〇県〇〇市〇〇町〇〇丁目〇〇番地〇〇号
施主 〇〇〇〇(施主名の横に「親族一同」の記載も可)
一周忌法要を身内のみで行った場合は、お礼状に誰の法要を済ませたのかを明記し、その後にお呼びできなかったことに対するお詫びの言葉を添えるのが通例です。お礼状は必ず送らなければいけないものではありませんが、報告とお詫びをすることで、より丁寧な印象を与えられます。
一周忌法要のお礼状で注意すべきマナー
通常の手紙とは異なり、一周忌法要のお礼状には注意すべきマナーがいくつか存在します。お世話になった方々に不快な思いをさせないためにも、この機会に注意点もしっかりと確認しておきましょう。
参列者への返礼品をお渡しする
一周忌法要に参列していただいた方には、お供えや香典のお返しとして返礼品をお渡しするのがマナーです。返礼品の金額相場は、いただいたお供えの5〜7割が目安とされています。
ただし、地域によっては会食代と返礼品を合わせて同等の金額になるように、お返しを準備するところもあるようです。ご自身で判断することが難しい場合には、仏事に詳しいご親戚や知人の方に尋ねてみると良いでしょう。
句読点を用いない
お礼状では、句読点を使わないのが一般的です。その理由は諸説ありますが、かつての日本は毛筆文化で句読点を使わなかったため、その慣習から由来しているともいわれています。
しかしながら、文章の中に句読点がないことで、読みにくいと感じる方も少なくありません。できるだけ文章を読みやすくしたいのであれば、文と文の間にスペースを入れるようにしましょう。
重ね言葉を用いない
「たびたび」「追って」などの重ね言葉は、不幸が続くことをイメージさせるため、お礼状では避けるべき表現とされています。また、不吉な出来事を連想させる忌み言葉を使用するのも厳禁ですので、十分に注意しましょう。
お礼状は手書きでも印刷でも問題ない
全てのお礼状を手書きで作成するのは手間や時間がかかるため、印刷でも問題ないとされています。より丁寧に気持ちを伝えたい場合は手書きがおすすめですが、印刷でも失礼に当たりませんので、状況に応じて対応すると良いでしょう。
返礼品は消えものが好ましい
食品や洗剤など、使ったらすぐになくなるものを「消えもの」といいます。返礼品では「不幸を残さない」という意味合いから、消えものを選ぶのが好ましいとされています。
ただし、肉や魚といった生ものは殺生をイメージさせるため、返礼品としてふさわしくありません。また、参列者が持ち帰るときに負担がかからないよう、重いものや壊れやすいものも控えた方が良いでしょう。
まとめ
現代はネット社会であり、弔事に関する報告やお礼をメールで伝えることも珍しくありません。しかし、古くからの慣習を大切にされている方もいらっしゃいますので、基本的にはお礼状という正式な方法で対応するのが無難です。
また、機械的なメールよりも人の手によって書かれるお礼状の方が、より丁寧な印象を与えられます。本記事でご紹介した例文やマナーを参考に、心を込めて着実に準備を進めていきましょう。
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