四十九日法要のお礼状の書き方を文例付きで解説!ルールやマナーもご紹介
四十九日法要を終えた後は、香典のお返しと一緒に「お礼状」を送るのがマナーです。しかし、日常的に行うことではないため、「どうやって書けばいいんだろう」「いつまでに送ればいいのだろう」と悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、四十九日法要のお礼状の書き方について分かりやすく解説していきます。事前に知っておくべきルールやマナーもご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
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四十九日法要のお礼状(挨拶状)とは?
四十九日法要のお礼状とは、ご葬儀に参列してくださった方や香典・お供え物をいただいた方に対し、お礼の気持ちを伝えるために書くものです。また、法要が無事に終了したことを報告する意味合いもあります。
近年は香典返しを郵送するケースが増えており、その際にはお礼状を添えるのがマナーです。既に香典返しが済んでいる場合や、忌明けの報告が目的である場合は、お礼状のみを送ることもあります。
お礼状を送るタイミングは?
お礼状を送るタイミングは、四十九日法要を終えてから1ヶ月以内が目安とされています。前述の通り、お礼状は感謝の気持ちや法要の終了を伝えるものですから、忌明け後になるべく早く送るのが望ましいといえるでしょう。ただし、年末年始やお祝い事にかかる場合は、その時期を避けて送るように配慮しなくてはなりません。
四十九日法要の後にお礼状を送る理由
四十九日法要の後にお礼状を送る主な理由として、以下の3つが挙げられます。
<四十九日法要の後にお礼状を送る理由>
●参列者に対して感謝の気持ちを伝えるため
●香典・お供え物へのお礼を述べるため
●法要を無事に終えたことを報告するため
上記の理由から、日本では古くよりお礼状を書くという慣習が大切にされています。なお、直接お会いして感謝の気持ちを伝える場合は、お礼状を用意する必要はありません。
四十九日法要のお礼状に書く内容
四十九日法要のお礼状には、以下の4つの内容を記載するのが一般的です。
<四十九日法要のお礼状に書く内容>
●法要が済んだことの報告
●直接お礼に伺わないことへのお詫び
●香典返しの内容
●差出人の氏名
それでは、ご紹介した4つの内容について詳しく見ていきましょう。
法要が済んだことの報告
お礼状には「おかげさまで四十九日法要を滞りなく営めました」といった内容を書き、先方に法要を終えたことを報告します。四十九日の呼び名には「七七日」や「満中陰」などがありますが、どれを選択しても問題ありません。
直接お礼に伺わないことへのお詫び
現代では、香典返しを郵送するケースが増えていますが、本来は直接手渡しするのがマナーです。そのため、お礼状には「文章で失礼いたします」というように、直接お礼に伺わないことへのお詫びの言葉も記載します。
香典返しの内容
香典返しを送る場合は、「供養のお印に心ばかりの品をお送りいたします」などの文言を用いて、お返しの品について触れるようにします。お礼状のみ送るのであれば、この工程は不要です。
差出人の氏名
お礼状の最後には、差出人(喪主)の氏名を記載するのが一般的です。連名で送る場合は、喪主の方は氏名の前に「喪主」と書き、その他の方は「故人様との続柄」を記載します。人数が多い場合には「親族一同」と書いて送ると良いでしょう。
四十九日法要のお礼状の文例
ここでは、四十九日法要のお礼状の書き方を文例付きで解説します。3つのケースに分けてご紹介しますので、作成の際の参考としてお役立てください。
文例①戒名・香典返しの記載がないシンプルなケース
故人様の戒名を入れず、香典返しを送らない場合は、以下のようにシンプルにまとめると良いでしょう。
謹啓
先般 亡父〇〇(故人様の名前)儀 葬儀に際しましては ご多忙中にもかかわらずご懇篤なるご弔慰を賜り 誠に有難く厚くお礼申し上げます
お陰をもちまして この程四十九日の法要を滞りなく相営みました
早速拝趨の上 お礼礼申し上げるべきところ 失礼ながら書中をもってお礼かたがた御挨拶申し上げます
謹白
令和〇年〇月〇日
〒〇〇〇-〇〇〇〇
〇〇(差出人の住所)
〇〇(差出人の氏名)
四十九日法要のお礼状は、先方に対する感謝の言葉を述べた後、法要が無事に済んだ旨を伝えるのが基本です。はがきを用いる場合は記載するスペースが限られますので、ご紹介した例文のようにシンプルにまとめることを意識しましょう。
文例②香典返しがあるケース
香典返しを送る場合は、その旨をお礼状に記載するのが一般的です。
拝啓
先般 母〇〇(故人様の名前)死去の際はご丁重なるご弔詞をいただき その上 ご香志まで賜りまして 誠に有難く厚く御礼申し上げます
お陰をもちまして この度七七日忌明の法要を相営みました
つきましては供養の印までに心ばかりの品をお届けいたしましたので 何卒ご受納くださいますようお願い申し上げます
早速拝趨の上 お礼を申し上げるべきところではございますが 略儀ながら書中にて御礼かたがたご挨拶を申し上げます
敬具
令和〇年〇月〇日
〒〇〇〇-〇〇〇〇
〇〇(差出人の住所)
〇〇(差出人の氏名)
香典返しについて記載する際は、「供養のお印として心ばかりの品をお送りさせていただきます」といった文言を用いることで、より丁寧な印象になります。また、直接お礼に伺えないことへのお詫びの言葉も忘れずに記載するようにしましょう。
文例③戒名・香典返しがあるケース
故人様の戒名を入れ、香典返しを送る場合は、以下のような構成に沿って記載すると良いでしょう。
謹啓
先般 亡祖父〇〇(故人様の名前)儀 永眠の際はご厚志を賜り厚くお礼申し上げます
お蔭をもちましてこの度
〇〇(戒名)
四十九日忌法要を滞りなく相営みました
つきましては供養の印に心ばかりの品をお送りいたします 何卒ご受納賜りたくお願い申し上げます
早速拝趨の上お礼申し上げるべきところ 略儀ながら書中をもちまして謹んでご挨拶申し上げます
敬具
令和〇年〇月〇日
〒〇〇〇-〇〇〇〇
〇〇(差出人の住所)
〇〇(差出人の氏名)
戒名は仏様の世界における故人様の新しい名前であり、お礼状に記載することは珍しくありません。しかし、近年は「あまり堅苦しい挨拶状にしたくない」「簡単に済ませたい」などの理由から、記載しないケースが増えているようです。
なお、戒名を入れなくてはいけないという決まりはありませんので、お礼状に書くかどうかはそれぞれで判断していただければと思います。
四十九日法要のお礼状についてのルール・マナー
最後に、四十九日法要のお礼状に関するルールやマナーをご紹介します。書き方によっては先方に失礼な印象を与えかねませんので、作法もしっかり確認しておきましょう。
忌み言葉を使わない
お礼状をはじめ、ご葬儀に関連する書面では「忌み言葉」を使わないのがマナーです。忌み言葉とは、不吉な意味を連想させる言葉のことを指します。以下に具体例をまとめてみましたので、ぜひご参考になさってください。
忌み言葉 | 代表例 |
---|---|
不幸を連想させてしまう言葉 | 再び・追って・引き続き・また・次に |
重ね言葉(不幸が重なることを連想させる言葉) | ますます・たびたび・いよいよ・次々 |
これらの言葉を使用すると、先方に不快な思いをさせてしまう可能性がありますので、事前に確認しておくと安心です。
句読点を使わない
お礼状では「。」や「、」の句読点を使わないのが一般的です。これは「書状を書くときに毛筆を使い、句読点を用いることがなかった」という慣習に由来しているといわれています。
しかし、句読点を使わずに文章を書くことで、読みにくいと感じてしまう方も少なくありません。基本的なマナーを守りつつ、できるだけ文章を読みやすくしたい場合は、文と文の間にスペースを入れると良いでしょう。
はがきでも、封筒に入れて送っても問題ない
お礼状には「奉書紙(ほうしょがみ)」と呼ばれる紙を使うのが正式なマナーでしたが、現代ではより手軽に使えるはがきや封筒でも問題ないとされています。香典返しがさほど高価でない場合や、既にお返しを済ませている場合には、はがきを用いるケースが多いです。
なお、はがきや封筒よりも手紙の方が丁寧とされており、奉書紙は最も丁寧というのが一般的な見解です。そのため、お礼状を目上の方や大変お世話になった方に送るときは、手紙や奉書紙を用いることをおすすめします。
できれば印刷ではなく、直筆で書くのが望ましい
お礼状は毛筆で書くのが正式なマナーであるため、できれば印刷ではなく、直筆で書くのが望ましいです。また、機械を使わずに手書きで作成した方が、より丁寧な印象を与えられます。
前述の通り、お礼状は忌明けの報告を兼ねていますので、直筆で書くときは濃い墨を使うのが適切です。
まとめ
四十九日法要のお礼状は、ご葬儀に参列してくださった方や香典・お供え物をいただいた方に対し、お礼の気持ちを伝えるものです。また、お世話になった方々へ、忌明けを報告する挨拶状でもあります。
本記事で解説したように、お礼状の書き方にはルールやマナーが存在しますので、事前に確認してから作成するようにしましょう。
間違えのない葬儀社の選び方や注意点をはじめ、さまざまな葬儀の知識・マナーを分かりやすくお伝えします。