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六文銭とは?意味や由来、ご葬儀で棺に入れる際の注意点について解説


六文銭とは?意味や由来、ご葬儀で棺に入れる際の注意点について解説

仏式のご葬儀には、故人様とともに「六文銭」を棺に納めるという習わしがあります。真田家の家紋にもなっている六文銭ですが、本来の意味や由来をご存知でしょうか。

また、副葬品として用いる場合、いくつか守るべきルールが存在するので注意が必要です。本記事では、六文銭の基礎知識に加え、棺に入れる際の注意点について詳しく解説します。

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六文銭(ろくもんせん)とは?

六文銭(ろくもんせん)とは、かつての通貨である「一文銭」が6枚揃っている状態を指します。納棺時に、六文銭を入れるという風習がありますが、その意味や由来を知らない方は少なくありません。

ここからは、六文銭が持つ意味や、棺に納めるようになった経緯について解説していきます。

ご葬儀で使う副葬品のひとつ

六文銭は、仏式のご葬儀で使用する副葬品のひとつです。古くから三途の川を渡るために必要なものと考えられており、「冥銭(めいせん)」とも呼ばれています。

宗教や宗派にもよりますが、仏教では「人は亡くなると冥土へ旅立ち、四十九日目に成仏する」との考え方が一般的です。旅の途中には三途の川に辿り着くとされており、川を渡るために必要な舟の運賃が六文といわれています。

その背景から、「あの世でお金に困ることがないように」との願いを込め、六文銭を棺に納めるようになったというのが有力な説です。なお、一昔前までは本物の貨幣が使われていましたが、現代では木や紙で作られた貨幣を使う方法に変更されています。

六文銭の由来・歴史

六文銭を棺に納めるようになった由来として主要なものに、「六道銭(ろくどうせん)」が挙げられます。六道銭とは、仏教における6つの世界(六道)のいずれに転生しても、救いの手を差し伸べてくれるという「六地蔵」に納めるお賽銭のことです。

こちらのお賽銭が、後に三途の川の渡し賃になったといわれており、六道銭から六文銭へと、呼び方が変わっていったと考えられています。

六文銭を知るうえで重要な「六道」について

六文銭を知るうえで、特に重要なポイントになるのが「六道」です。六道とは、仏教における6つの世界の総称であり、人間はこの世界のなかで生死を繰り返していると考えられています。

【仏教の輪廻思想における6つの世界(六道)】

地獄道(じごくどう) 六道のなかで最も苦しく過酷な世界
餓鬼道(がきどう) 常に飢えと渇きに苦しむ世界
畜生道(ちくしょうどう) 人間以外の動物が住まう弱肉強食の畜生の世界
修羅道(しゅらどう) 鬼神である阿修羅が住まう争いが絶えない世界
人間道(にんげんどう) 人間が生きており仏教の教えを学べる世界
天道(てんどう) 最も楽しいことが多い世界
(極楽浄土ではないため、迷いや悲しみは存在する)

上記のいずれの世界に転生しても、救いの手を差し伸べてくれると信じられているのが「六地蔵」という存在です。本記事を読んでいる方のなかには、寺院や道端で6体のお地蔵さまが並んでいる光景を見たことがある方も多いのではないでしょうか。

そちらの6体のお地蔵さまこそが六地蔵であり、衆生(しゅじょう)を救うとされている地蔵菩薩が、六道へ行くために姿を変えたものです。六地蔵へのお賽銭には六道銭(後の六文銭)が使われていたこともあり、仏式のご葬儀で六文銭が用いられるようになったのは、六道という概念が大きく影響していると考えられています。

六文銭は真田家の家紋になっている

諸説あるものの、戦国武将の真田幸隆(さなだゆきたか)が、六文銭を真田家の家紋に採用したのは有名な話です。六文銭はあの世で使うお金であることから、真田幸隆は「いつ戦場で命を落としても構わない」という強い意志を示すため、六文銭をモチーフにしたと考えられています。

また、大河ドラマで話題になった真田幸村(さなだゆきむら)も、祖父の幸隆から受け継いだ六文銭を背負って、戦いに臨んでいました。そのため、世間一般では「六文銭=真田家の家紋」というイメージが定着しています。

六文銭の貨幣価値

六文銭に見られる「文」とは、江戸時代などで使われていた、かつての通貨単位です。現在使用されている1円玉が当時の一文銭に該当するため、今の価値に当てはめれば六文銭は6円になります。

また、一文を現代の貨幣価値に換算した場合、おおよそ30円〜50円というのが一般的な意見です。その意見をもとに、六文銭を現代の貨幣価値に換算してみると、おおよそ180円〜300円と考えられます。

六文銭は葬儀社に用意してもらえる

葬儀社によっては、棺に納めるための六文銭の代替品を用意してくれるところがありますので、ご希望の方は専門スタッフに相談してみると良いでしょう。かつては本物の貨幣が使われていましたが、現代では木や紙で作られた六文銭を使用します。

なお、日本の法律上、本物の貨幣を棺に納めることはできません。もし六文銭(6枚の一文銭)をお持ちの場合でも、棺には入れないようにしてください。

棺に六文銭を入れる際の注意点

ここまでの内容を見て、大切な方のために六文銭を納めたいと考えている方もいらっしゃるでしょう。以下では、棺に六文銭を入れる際の注意点について解説していきます。

本物の貨幣を使ってはいけない

日本の法律では、貨幣を故意に破損させる行為が禁止されています。副葬品として本物の貨幣を納める行為も、違法に当たるので注意が必要です。

しかしながら、故人様が死後の世界でお金に困ることがないように、本物の貨幣を納めたいと考える方もいらっしゃいます。その場合は、棺ではなく骨壷に納める方法を検討してみると良いでしょう。

木製または紙製のものを使ってもよい

副葬品として本物の貨幣を使うことは禁止されています。しかし、木製または紙製のものであれば使っても問題はありません。

葬儀社によっては、オプションとして六文銭の代用品を用意しているところもありますので、そちらも活用していただければと思います。もし取り扱っていない場合は、オンラインショップなどでの購入も可能です。

仏教以外の宗教では使わない

仏教以外の宗教では、ご葬儀の際に六文銭を使うことはありません。六文銭を棺に納めるという儀礼は、仏教の考えをもとに行われているものであるためです。

宗教ごとに、死後の世界や葬法に関する考え方は異なりますので、仏式のご葬儀以外では六文銭を使わないよう注意しましょう。

その他入れられない副葬品にも注意する

本物の貨幣の他にも、副葬品として棺に入れられないものは数多く存在します。簡単にまとめると、燃えないもの・燃えにくいものは、火葬に支障をきたす恐れがあるので、使用できません。

以下では、一般的に副葬品として認められないものを、いくつかご紹介します。

【棺に入れられないもの】

項目 具体例
火葬設備の故障につながる可能性があるもの ゴルフクラブ、釣り竿、竹刀など
爆発・破裂の可能性があるもの ライター、密閉された缶など
環境汚染の原因になるもの プラスチック製品、ビニール製品など
燃えないもの ビール缶、陶磁器など
燃えにくいもの 大きなぬいぐるみ、水分の多い食べ物など
燃やしてはいけないもの 現金など

上記はあくまで一例ですので、棺に納めたいものがある場合は、事前に葬儀社や火葬場に相談しておくと安心です。また、故人様がペースメーカーを装着されている場合、火葬時に爆発する恐れがあるため、必ず申告するようにしてください。

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まとめ

六文銭は、仏教において「三途の川の渡し賃になる」と考えられており、古くから副葬品として用いられています。また、地域によっては「あの世で使うお金に困ることがないように」という願いを込め、六文以上のお金を納めることもあるようです。

この習慣は現代においても広く知られており、大切な方を想う気持ちは今も昔も変わりません。なお、火葬に影響が出ないものであれば、基本的に何を棺に入れても問題はありませんので、故人様がお喜びになりそうものを納めていただければと思います。

記事の制作・編集家族葬コラム編集部
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