お葬式で位牌や遺影を持つ人は誰?火葬場へ移動する流れを分かりやすく解説
お葬式では、遺影・位牌・遺骨を持って移動するタイミングが何度かあります。基本的にはご遺族・親族の誰かが持つため、お葬式当日に慌てないためにも、事前に役割分担を決めておくのがおすすめです。
今回は、お葬式の際に位牌・遺影を持つ人の基準について解説します。また、遺影・位牌を持って移動する際の流れやマナーもご紹介しますので、併せて参考にしてください。
コンテンツ
お葬式で位牌・遺影を持つ人は?
お葬式では、火葬場へ移動する出棺時と、火葬が終わって火葬場から帰る際に位牌・遺影を持ち運びます。その際、事前に誰が何を持つのか役割分担を決めておくと、当日の流れがスムーズです。まずは、式場から火葬場まで移動する際に、位牌・遺影を持つ方の一般的な基準について解説していきます。
位牌を持つのは「喪主」
一般的には、喪主が位牌を持ちます。位牌は故人様の魂が宿っている仏具なので、移動する際には大切に扱いましょう。
位牌を持つときは、台座を右手で支え、左手は板の部分を持つようにします。片手で持つのは失礼にあたりますが、涙を拭くためなど、一時的であれば許容範囲です。
遺影を持つのは「ご遺族の代表者」
遺影は、ご遺族の代表者が持つものとされています。遺影を持つときは、胸の上に抱くようにしてしっかりと持ちましょう。
火葬場まで同行できる人
火葬場には、位牌・遺影を持って移動します。基本的には喪主・ご遺族・近親者のみが同行するため、一般の参列者は式場にて解散です。
親族ではないものの、ご遺族に同行を依頼された場合は、できるかぎり受けましょう。ただし、どうしても同行できない事情がある場合は、理由を説明して丁寧に断るのがマナーです。
反対に、火葬場へ同行したい場合は、遅くても通夜までにはご遺族に同行したい旨を相談しましょう。ご遺族は、同行する人数を計算して移動時の車や火葬後のお斎を準備しています。当日急に相談されても対応できない場合があるため、事前に伝えておくのがマナーです。
位牌・遺影を持って火葬場へ移動するまでの流れ
火葬場へ移動するまでには「花入の儀」「釘打ちの儀」などの儀式を行います。故人様のお顔を見られる最後のタイミングとなるので、節度ある対応ができるよう、事前に流れやマナーを把握しておきましょう。ここからは、花入れの儀・釘打ちの儀・出棺・火葬場への移動時におけるマナーについて解説していきます。
①花入れの儀
花入れの儀とは、故人様が収められている柩に花を添える儀式です。告別式の後、ご遺族は順番に柩へ花を入れていきます。基本的には血縁関係の濃い順に入れていくため、喪主→喪主の配偶者→親→兄弟→子どもといった順番が一般的です。
花は葬儀社のスタッフが用意してくれるため、自分たちで用意する必要はありません。希望の花がある場合は、葬儀社に事前に相談しておきます。所要時間は10分ほどで、花入れの儀をしている最中は、一般の参列者は外で待機しています。
②釘打ちの儀
釘打ちの儀とは、柩の蓋に釘を打つ儀式です。故人様が無事に三途の川を渡って極楽浄土へたどり着けるようにと、祈りを込めて行います。釘を打つ際は、最初に葬儀社のスタッフが金槌で半分まで打ち、続いてご遺族が小石で軽く2回打ちます。最後に、葬儀社のスタッフが金槌で最後まで打ち込んで終了です。
小石を用いる理由は、三途の川にある小石に見立てたといった説が有力です。釘打ちの儀が終了したら、出棺に移ります。
なお、近年は火葬の際に釘が燃えずに残るといった理由から、釘打ちの儀をしないパターンも増えています。また、教義によって釘打ちの儀をしない宗派も少なくありません。釘打ちの儀は、すべてのお葬式で執り行う儀式でないことは覚えておきましょう。
③出棺
出棺の際には、喪主からの挨拶を行い、柩を霊柩車へと運び入れます。その際、喪主は位牌、ご遺族の代表者は遺影を持ちましょう。喪主が柩を先導するか、柩に続くかは地域によって異なりますので、分からない場合は葬儀社に確認しておくと良いでしょう。
喪主からの挨拶の際には、故人様との関係や参列者へのお礼、故人様の略歴や生前お世話になったことへの感謝などが述べられます。その間、位牌は代わりの者が持ちます。挨拶をしている間、ご遺族は参列者の方を向いて並び、挨拶が終わったら深く一例するのがマナーです。
柩を霊柩車へ運び入れる際は、ご遺族・親族・近親者・友人の中から、力のある男性を6人ほど指名しましょう。このとき、足を運転席の方に向けて運び入れます。故人様が家に帰ってくることなく、無事に極楽浄土へ行けるようにといった意味があるため、間違えないよう注意が必要です。
④火葬場への移動
霊柩車には、運転手と葬儀社のスタッフのみ同乗するのが一般的です。僧侶は、喪主と同じ車で向かうか、もしくは自分の車で移動します。喪主と同じ車に乗る際は、上座である運転席の後ろに乗ってもらいましょう。
地域によっては、火葬場へ移動する際に独自の習俗を行うところもあります。たとえば、故人様の魂が戻ってこないように使用していた茶碗を割る、玄関ではなく縁側から運び出すなどです。古くから行われている習俗がある場合は、それに従って行動するようにしましょう。
位牌・遺影以外に火葬場へ持っていくもの
火葬場には、位牌・遺影のほかに「火葬許可証」「お菓子・軽食」を用意しましょう。ここからは、なぜこの2点が必要なのかについて解説していきます。
火葬許可証
火葬許可証とは、火葬する際に必要となる書類です。万が一手元になければ火葬ができないため、当日までなくさないようにしておきましょう。基本的には、葬儀社のスタッフが前もって預かり火葬場に提出してくれます。
また、火葬済みの押印をしてもらった火葬許可証は、遺骨を埋葬するときにも使用します。お墓へ納骨するのがお葬式当日でない場合は、納骨する日まで大切に保管しておきましょう。
菓子・軽食
火葬が終了するまでには、おおよそ1時間ほどかかります。その間、喪主・ご遺族・同行した参列者は控室で待機していなければなりませんが、このときにお菓子や軽食を食べて過ごすことが多いです。そのため、喪主やご遺族の方がお菓子や軽食を用意しておくといいでしょう。
火葬場に備えられている場合もあるため、用意する必要があるのか、事前に確認しておきましょう。
火葬場からの帰りに位牌・遺影・遺骨を持つ人は?
火葬が終了した後は骨上げを行い、遺骨を持って帰ります。その際、位牌・遺影・遺骨は喪主やご遺族の中から担当者を決めて持ち帰りましょう。
位牌を持つのは「喪主」
まず、位牌は喪主が持つのが一般的です。故人様の魂が宿っている大切な仏具ですので、両手で大切に持ちましょう。
遺影を持つのは「ご遺族の代表者」
遺影はご遺族の代表者が持ちます。こちらも大事なものなので、胸に抱えるよう、大切に持ちましょう。
遺骨を持つのは「ご遺族で無理なく持てる方」
遺骨は重量があるので、ご遺族の中でも無理せずに持てる方を選びましょう。女性の方や年配の方には、少々大変な作業となってしまいます。遺影を持っている方が若い方である場合は、役割を変えても問題はありません。
まとめ
お葬式の際、位牌・遺影を持って移動する機会が何度かあります。位牌は基本的に喪主が持ち、遺影はご遺族の代表が持ちます。遺骨は重さがあるため、無理なく持てる方を選びましょう。
位牌・遺影・遺骨は非常に大切なものなので、両手で大切に持ってあげるのがマナーです。お葬式当日に誰が持つかで慌てないためにも、事前に役割分担を決めておくようにしてください。
間違えのない葬儀社の選び方や注意点をはじめ、さまざまな葬儀の知識・マナーを分かりやすくお伝えします。