弔辞を依頼されたらどうすればいい?弔辞のマナーや伝えるべき内容とは?
近な方や親しい間柄の方にご不幸があった際に弔辞を依頼されることがあります。しかし、弔辞は滅多に経験することがないため、弔辞で何を話せばよいのか悩み、戸惑われる方も多いと思います。
の記事では、弔辞を依頼された際に慌てないためにも、弔辞でのマナーや弔辞を作成するポイントについてご説明します。
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弔辞を頼まれた際のマナー
弔辞(ちょうじ)は、ご葬儀の際に故人様への惜別の想いや弔意などを込めて読まれる「お別れのメッセージ」です。「惜別の辞」や「お別れの手紙」などと言われることもあります。なお、全てのご葬儀において必ず読まれるというわけではなく、社葬や無宗教葬などの規模が大きいご葬儀の際に読まれることが多いですが、近年では家族葬などの規模が小さいご葬儀では読まれることが少なくなってきています。
弔辞を依頼されるのは、友人や職場で付き合いが深かった上司、学生の時にお世話になった恩師などの故人様と生前親しかった方がほとんどです。そのため、そうした故人様と依頼主の想いを汲むためにも、弔辞を依頼されたら引き受けるのがマナーとなります。
どうしても弔辞を引き受けられない事情がある場合は、依頼主に早急に事情をお伝えし、丁重にお断りするようにしましょう。
弔辞を作成する際のポイント
ご葬儀において様々なマナーがあるように、弔辞を作成する際にも守らなければいけないマナーがあります。故人様はもとより、ご遺族や関係する方に不快な思いをさせないためにも弔辞を作成する際のマナーについて理解しておきましょう。
弔辞の書式
弔辞の正式な書式は、「奉書紙(ほうしょがみ)」という和紙や巻紙に、薄墨でしたためますが、右端から10cm程度の余白を空け、縦書き書き始めましょう。本文の行間を詰めすぎないようにすると見栄えがよくなりますし、読み間違い防止にもつながります。本文が終わったら、本文より少し下げたところに年月日を、その左隣のさらに下のところに氏名を記載します。弔辞の本文を書いたら「弔辞」としたためた奉書紙で、左前で弔辞を包みます。
なお、身近な人しか呼ばない家族葬などでは万年筆や、ペンで便箋に書き記して、白い封筒に入れても大丈夫です。この時に使用する封筒は、二重の封筒はご不幸が重なることを連想させるため、一重のものを使用します。
弔辞の内容
弔辞は、これといった決まった、書かなければいけない内容はありません。故人様への気持ちを丁寧に、ご自身の言葉でしたためるのがよいですが、何を書けばいいのかよく分からないという方は下記の内容盛り込むとよいでしょう。
- 故人様とご自身との関係
- 故人様の人となり紹介するエピソード
- 故人様への感謝の言葉
- ご遺族へのお悔やみ
- 故人様の冥福をお祈りする言葉
弔辞の長さ
一般的に、弔辞は2~3人程度の方に依頼されることが多いので、あまり長々と弔辞を続けてしまうと、その後の進行に影響が出てしまいます。そのため、弔辞の長さとしては、3~5分程度を目安にしましょう。
弔辞の本文を書き終えしたら、本番と同じ調子で読み上げてみて、どれくらいになるのかを確認するのをおすすめします。
「忌み言葉」に気を付ける?
弔辞もそうですが、ご葬儀などの弔事の際に文章をしたためる時に注意しなければならないのが、「忌み言葉」です。忌み言葉とは、ご不幸を繰り返す、ご不幸が重なることを連想させるため、注意が必要です。
重ね言葉 |
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重ね重ね(かさねがさね)/益々(ますます)/度々(たびたび)/重々(じゅうじゅう)/次々(つぎつぎ)/再三(さいさん)/いよいよ/くれぐれも/かえすがえす など |
繰り返しが連想されることば |
続く/引き続き/再び/再々/次に/なお/また/追って/追いかける など |
直接的な表現 |
死亡/逝去/死ぬ/生きる/存命中/自殺 など |
不吉な表現 |
浮かばれない/大変なことになる/消える など |
宗教・宗派で使っていけない言葉は避ける |
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弔辞を読む流れ
司会者に名前を呼ばれたら御霊前へ歩み出て、ご遺族・遺影・司式者の順に一礼をしていきます。弔辞の上包みは、弔辞台がある場合はその上に置き、弔辞台がない場合は巻紙の下に重ねて持ちましょう。
弔辞を読み終えたら、畳んで表書きを上にして御霊前の壇上に置きましょう。そして、最後にもう一度ご遺族・遺影・司式者の順に一礼をしてから、席に戻ります。
間違えのない葬儀社の選び方や注意点をはじめ、さまざまな葬儀の知識・マナーを分かりやすくお伝えします。