会葬御礼と香典返しの違いとは?マナーの比較、よくある疑問について解説します
喪主や施主にとって、参列者へのお礼は欠かせない仕事です。しかし、お礼といっても「会葬御礼」と「香典返し」の2つがあり、これらの違いが分からず困っている方も多いでしょう。
今回は、会葬御礼と香典返しの違いや、郵送するタイミングについて解説していきます。参列していただいた方や香典を包んでくれた方に感謝の気持ちを伝えられるよう、それぞれの違いについて把握しておきましょう。
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会葬御礼と香典返しの違いとは?
会葬御礼と香典返しは、両方とも参列者に送るお礼の品物であるという点においては変わりありません。しかし、送るタイミングやお礼の内容が異なります。それぞれどのような違いがあるのか、2つの特徴について解説していきます。
会葬御礼とは
会葬御礼とは、お通夜やご葬儀、告別式に参列していただいた方に対して、感謝の気持ちを込めてお渡しするお礼の品です。香典の有無に関わらず、参列者全員にお渡しします。
香典返しとは
香典返しとは、香典を包んでいただいた方に対して後日お渡しするお礼の品です。直接いただいた方以外はもちろん、出席はできなかったものの、代理を通して渡してくれた方や、郵送で送ってくれた方にもお渡しします。
会葬御礼と香典返しのマナーを比較
会葬御礼と香典返しは、それぞれで金額や送るタイミング、贈り方が異なります。ここからは、「金額相場」「品物」「贈るタイミング」「贈り方」「挨拶状の内容」の4つのマナーについて解説していきます。
金額相場
【会葬御礼の場合】
会葬御礼の金額相場は、1人あたり300~1,000円ほどとされています。参列していただいた方全員に渡すものなので、比較的安価なものを用意するのが一般的です。相場以上のものでも問題はありませんが、あまりにも豪華なものだと受け取る側が恐縮してしまう可能性があるので注意しましょう。
【香典返しの場合】
香典返しの品物は、いただいた金額の半額程度の品物が一般的です。香典返しを当日返しとして用意する場合は、おおよその金額を予想し、半額分を目安として品物を用意します。用意した品物以上の香典をいただいた方に対しては、後日あらためて半額分になるような品物をお送りするのがマナーです。
品物
【会葬御礼の場合】
会葬御礼の品物は、お茶・コーヒーなどの「消え物」や、タオルのような普段使いできるものを選ぶのが定番です。また、参列していただいたことへのお礼状と、お清めの塩を一緒に挟んでお渡しするのが一般的です。
【香典返しの場合】
香典返しの場合は、会葬御礼と同じように、「消え物」や日常的に使用できる品物を用意することが多いです。最近ではカタログギフト送るケースも増えてきています。当日返しを行った後、さらに追加で品物を送る際は、当日返しの品物と被らないように注意が必要です。
贈るタイミング
【会葬御礼の場合】
一般葬であれば、あらかじめ受付に会葬御礼を用意しておき、参列者が記帳した後に直接手渡しします。家族葬の際も一般葬と同じですが、受付がない場合は参列者が帰るタイミングでお渡しするのが一般的です。
【香典返しの場合】
香典返しは、四十九日法要が終わった後にお送りするものです。しかし、近年は当日にお返しする「当日返し」を採用する方も増えてきており、状況に応じて決める必要があります。
贈り方
【会葬御礼の場合】
会葬御礼は、基本的に当日に直接手渡しするのが一般的です。ただし何らかの理由で会葬御礼お渡しすることができなかった場合は、郵送で送っても問題はありません。
【香典返しの場合】
本来なら、喪主が直接お伺いし、お礼と一緒に香典返しをお渡しするのがマナーです。とはいえ、近年はお互いの都合も考えて郵送などで対応するのが一般的になっています。
挨拶状の内容
【会葬御礼の場合】
会葬御礼の挨拶状には、お通夜やご葬儀に足を運んでいただいたことへのお礼を記します。ただし、香典をいただいた方にも挨拶状は必要なので、内容が被らないように注意が必要です。
【香典返しの場合】
香典返しの挨拶状には、香典をいただいたことへのお礼を記します。このとき、参列していなかった方に対して「ご葬儀に参列しただき、ありがとうございます」といった文言は使用しないように注意しましょう。
会葬御礼と香典返しに関するよくある疑問
最後に、会葬御礼と香典返しに関してよくある質問に回答していきます。返礼品を選ぶ際や送る際に参考にしていただけると幸いです。
会葬御礼と香典返しを両方用意しても良い?
会葬御礼と香典返しは、両方用意しても問題はありません。ただし、品物の内容は変える必要があります。帰る際の手間を考えて、1つの袋にまとめてもかまいませんが、包みは別々にしましょう。
会社からいただいた場合はどうする?
会社から受け取った場合、香典返しは不要という可能性があるので、念のため会社の方に確認しておきましょう。また、社員の連名でいただいた場合、人数分の香典を用意する必要はなく、連名の代表者にまとめて返すのが一般的です。
会葬御礼や香典返しに相続税はかかる?
会葬御礼の費用は、ご葬儀の費用として扱うことができ、相続税の控除の対象になります。これに対し、香典返しの費用は相続税の控除対象とはならず、ご葬儀の費用から差し引くことはできません。
まとめ
会葬御礼と香典返しは、ともに返礼品という意味では同じですが、内容が少々異なります。会葬御礼とは、ご葬儀や告別式に参列していただいた方に対するお礼の品であり、香典返しは香典をいただいた方に対するお礼の品といった意味があります。いずれも消え物や普段使える日用品を選ぶなど、渡す方の負担にならないよう配慮することが重要なので、大事なマナーとして押さえておくようにしてください。
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