初七日法要での挨拶の仕方とは?法要の流れに沿って例文付きで解説!
仏教では、ご葬儀の後に追善供養を行いますが、その際に必要になるのが喪主からの挨拶です。法要ごとに挨拶の文言が異なるため、どのように挨拶すべきか悩んでしまう方も多いでしょう。
そこで今回は、初七日法要で喪主が行う挨拶のマナーについて、活用しやすい例文付きで解説します。参列者や僧侶に失礼がないよう、事前にマナーを把握しておきましょう。
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初七日法要の挨拶とは?
初七日法要では、喪主からの挨拶が行われます。初七日法要に参列する方の多くは、親族やごく親しい友人など気心の知れた方々が多いですが、だからといって砕けた挨拶をするのは好ましくありません。
初七日法要は、故人様にとって節目となる大切な日です。法要を滞りなく執り行うためにも、挨拶はマナーに沿ってしっかりと行いましょう。
初七日法要で挨拶を行うタイミング
初七日法要で挨拶を行うタイミングは、大きく分けて4つあります。
①法要の前
②法要の後
③会食(お斎)の前
④会食(お斎)の締め
挨拶が4回あることに対し、「挨拶の回数が多い」と感じる方もいらっしゃるでしょう。しかし、法要での挨拶は手短に済ませるのが慣例で、そこまで大きな負担にはならないのでご安心ください。
初七日法要で挨拶を行う方
初七日法要での挨拶は、基本的に喪主が行います。これは会食のときも同様ですが、挨拶の後に行う献杯の音頭は誰か別の方に任せても良いとされています。たとえば、仲良くしていた親族の方や、挨拶の得意な方に代わってもらうと良いでしょう。
初七日法要での挨拶の仕方は?例文付きで解説!
ここからは、初七日法要で行う挨拶の仕方を、以下の場面ごとに解説していきます。
①初七日法要前の挨拶
②初七日法要後の挨拶
③会食前の献杯の挨拶
④会食後の締めの挨拶
伝えるべき内容はある程度決まっているため、文言を少し変えるだけで問題ありません。「それでも心配」といった方は、紹介している例文を参考に考えてみてください。
初七日法要前の挨拶
法要の前にする挨拶では、以下の内容を必ず盛り込みます。
①法要に参列していただいたお礼
②故人様に対する思い
また、挨拶の前は「故人様→参列者」の順で一礼するのを忘れないようにしましょう。
本日は、遠路・ご多忙のところお越しいただきまして、誠にありがとうございます。皆様の支えがあったおかげで、無事初七日法要を執り行うことができました。
皆様に参列していただいて、○○(故人様の名前)も喜んでいると思います。○○が心配せずに仏様のもとへ向かえるよう、精一杯努力したい思います。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
初七日法要後の挨拶
法要後の挨拶には、以下の内容を盛り込みましょう。
①参列者へのお礼
②今後の意思表明
③会食への案内
また、挨拶はできるだけゆっくりと行うのがポイントです。
本日は、ご多忙の中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。おかげさまで、母○○(故人様の名前)の初七日法要を無事執り行うことができました。
○○がいないという事実に、まだ実感が湧かないのが正直なところです。いつも明るかった○○のためにも、いつまでもくよくよせずに、今後は家族全員で手を取り合い、前を向いて進んでいければと思っています。これからも変わらぬご支援のほど、よろしくお願いいたします。
つきましては、別室にて心ばかりの席をご用意しました。お時間の許す限り、ゆっくりとお過ごしいただければと存じます。本日は、誠にありがとうございました。
コロナで会食なしの場合の挨拶
昨今の事情で会食がない場合は、①②の挨拶を行った後、以下の文言で締めるのが理想です。
皆様とともに粗宴を囲みたいところではございますが、昨今の事情により、これにてお開きにしたいと思います。本日は、誠にありがとうございました。
会食前の献杯の挨拶
会食の前は、以下の内容を挨拶に盛り込みます。
①参列者へのお礼
②献杯の音頭
本日はご多忙の中、○○の初七日法要にお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。お時間の許す限り、○○の思い出話を聞かせていただければと思います。
それでは、献杯のご唱和をお願いいたします。献杯。
一般的に、弔事では「乾杯」ではなく「献杯」といいますので、間違えないように注意しましょう。
会食後の締めの挨拶
会食後の挨拶は、会場の予約時間が差し迫ってきたころか、もしくは会場内がある程度落ち着いた際に行います。会食開始から1~2時間後を目安に、以下の内容を盛り込みつつ簡潔に挨拶を済ませましょう。
①参列者へのお礼
②締めの言葉
本日はご多忙の中、最後までお付き合いいただきありがとうございます。久しぶりに会う方々もいらっしゃり、○○(故人様の名前)もさぞ喜んでいること思います。
名残尽きないところではございますが、これにてお開きにさせていただきたいと存じます。本日は、誠にありがとうございました。気をつけてお帰りください。
僧侶への挨拶
僧侶への挨拶も忘れてはならないので、以下のタイミングでお礼の旨を伝えましょう。
①法要前
②法要後
③会食の後
本日は、母の初七日法要につき、ご足労いただきまして誠にありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。
心のこもったおつとめ、ありがとうございます。今後ともよろしくお願いいたします。
本日は誠にありがとうございました。お布施をお納めください。
初七日法要で挨拶をする際のマナー
初七日法要で挨拶を行う際は、以下の3点に注意しましょう。
・簡潔な内容にする
・忌み言葉・重ね言葉を使わない
・自分の気持ちを素直に述べる
それぞれの内容について、詳しく解説していきます。
簡潔な内容にする
挨拶の時間はおおよそ1~2分でまとめるのが理想です。短すぎると失礼になり、反対に長すぎると参列者が疲れてしまうので、挨拶の時間に注意しましょう。
忌み言葉・重ね言葉を使わない
挨拶の中に、忌み言葉や重ね言葉が入らないよう注意が必要です。以下に紹介する言葉に注意しつつ、マナーに則った挨拶を行うようにしてください。
・死ぬ
・苦しむ
・迷う
・たびたび
・くれぐれ
・ますます
自分の気持ちを率直に述べる
喪主は、複数人の前で挨拶をしなければならず、人によっては緊張して失敗することもあるでしょう。しかし、極端にかしこまった挨拶や、定型文にならって思ってもいない言葉を口にする必要はありません。
故人様への想いや、お悔やみの気持ちを素直に伝えるのが大切です。変に身構えず、率直な気持ちを述べましょう。
初七日法要の挨拶を手紙などで伝える場合のマナー・例文
初七日法要で香典をいただいた場合、返礼品と一緒に手紙を添えるのがマナーです。手紙には、参列と香典へのお礼を記載します。また、お礼状にもマナーがあるため、送付する際には以下の点に注意しながら本文を書きましょう。
・忌み言葉や重ね言葉を使わない
・句読点は使わない
・縦書きで書く
法要を執り行った後でも、忌み言葉や重ね言葉を使うのは厳禁です。また、「法要が滞りなく終わりました」「つつがなく済みました」といった意味を込め、文章を止める役割がある句読点は使用しません。
謹啓
先般 母○○(故人様の名前)儀の法要に際しましては 御懇篤なる御弔慰を賜り誠に有り難く厚く御礼申し上げます
おかげをもちまして 初七日法要を相営みました
これ偏に皆様のおかげと深謝致す次第でございます
つきましては 早速拝趨の上御礼申し上げるのが本意ではございますが 略儀ながら書中を以て御挨拶申し上げます
敬具
令和○年○月○日
○○ ○○(喪主の名前)
まとめ
初七日法要の挨拶は、法要の前後や会食の前後など、要所々で喪主が行うものです。挨拶の長さは、おおよそ1~2分ほどが目安となっています。
また、初七日法要は故人様のご冥福をお祈りする儀式ですので、「うまく話そう」「ミスをしないようにしよう」と気を張る必要はありません。大切なのは、故人様を偲ぶ気持ちと、参列者への感謝です。多少詰まっても問題ありませんので、マナーを守りつつ心のこもった挨拶を行いましょう。また、初七日法要を葬儀当日に行う場合は、初七日法要の挨拶を行わない場合もあります。
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