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過去帳とは?位牌との違いや記入方法、作成にかかる費用まで詳しく解説


過去帳とは?位牌との違いや記入方法、作成にかかる費用まで詳しく解説

ご家族が亡くなられた際、命日や戒名を記載するものに「過去帳」があります。先祖代々受け継いでいく大切な仏具であり、月命日や年忌法要でも使用される重要な帳面です。しかし、数珠などに比べて使う機会が少なく、馴染みの薄いものでもあるため、「必ず用意しなければならないのか?」「どのタイミングで用意しておくべきなのか?」と悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。

今回は、過去帳の役割や用意するタイミング、作成にかかる費用や基本的な書き方などについて解説していきますので、お困りの方は参考にしてみてください。

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過去帳とは?

過去帳とは、故人様の俗名や戒名(法名)・逝去した年月日・享年などを記した帳面で、仏具の一種です。月命日や年忌法要などの際に使用するため、普段は仏壇の中にしまっておくことが多いです。

過去帳の役割・必要性

過去帳には、故人様の命日や戒名を記しておく役割があります。位牌にも同じ内容が彫られているため、必要ないように感じる方もいるかもしれませんが、なるべく用意しておいた方が良いとされています。

位牌は、五十回忌などの節目に寺院に納め、お焚き上げをしてもらわなければなりません。位牌がなくなれば、故人様の命日や法名を確認できなくなります。過去帳に書かれてある内容は、年忌法要の際に僧侶が参照するためにも必要なので、できれば用意しておきましょう。

特に、浄土真宗の場合は即身成仏の教えにより、位牌を用意する慣習がありません。戒名や命日を確認する手段が過去帳しかないので、必ず用意しましょう。

過去帳に記入するタイミング

過去帳の記入は、四十九日法要など、位牌を寺院へ納めるタイミングで行うのが一般的です。ただし、寺院によって少々異なるので、僧侶と相談して決めるのが良いでしょう。

過去帳の歴史

現在は、主に命日や戒名を確認するための仏具として活用される過去帳ですが、昔は寺院が檀家を把握するための帳面として使われていました。

江戸時代に「檀家制度」が発令され、民衆は必ずどこかの寺院へ所属するのが義務化されます。その際、効率的に檀家の人数を把握するため、各家庭でも過去帳をつけるようになりました。過去帳は、現在の戸籍のような役割があり、江戸幕府が民衆を管理する際に活用され、江戸幕府が終わった現在も過去帳の慣習は続いています。

過去帳と位牌との違い

過去帳と本位牌は、記されている内容こそ同じですが、役割がまったく違います。過去帳はあくまでも故人様の情報を記載する帳面です。

一方、本位牌や野位牌(白木の位牌)には、故人様の魂が宿るものとされており、故人様そのものといっても良いでしょう。日々の供養を行うために仏壇へ納めておくのが位牌ですので、双方は別物として扱いましょう。

過去帳にはさまざまな種類がある

過去帳と一口にいってもさまざまな種類が存在します。以前は特定のデザインしかありませんでしたが、近年はおしゃれなものも増えました。仏壇のデザインや好みのものを選んでも良いでしょう。

製品形式の違い

過去帳には、日記のように1ページごとに日付が記載されているものと、何も書かれていないまっさらなものの2種類があります。日付があるタイプは家庭で利用されている場合が多く、日付がないものは基本的に寺院で用いられています。どちらを購入するか悩んだ場合は、日付があるタイプを選ぶと良いでしょう。

色やデザインの違い

デザインには、「和綴タイプ」「折本タイプ」の2種類があります。和綴タイプとは、ノートのように紙が綴じられているもので、主に寺院が使用します。

一方、折本タイプとは、一枚の紙が蛇腹に折りたたまれているタイプの過去帳です。家庭で使用されている過去帳の多くが折本タイプとなっており、和綴タイプよりも安価に購入できます。

なお、色に関しては、宗派で特定の色が指定されているわけではありませんので、仏壇のデザインや好みに合わせて過去帳を選びましょう。

宗教による違い

神道にも過去帳と同じ役割を担うものがあります。「霊簿(れいぼ・りょうぼ)」「霊鑑(れいかん)」と呼ばれるもので、これらは基本的に仏教の過去帳と同じものとして扱われます。また、キリスト教の場合は信徒自身で用意するものはなく、教会の方で「信徒籍台帳」と呼ばれる帳簿を用意するのが特徴です。

過去帳の書き方

過去帳に決まった書き方はなく、故人様の戒名(法名)・命日・享年・俗名がしっかりと分かれば問題ありません。しかし、初めて過去帳を書く方にとっては、どこに何を記入すれば良いのか分からないことも多くあるでしょう。ここからは、過去帳への記入方法や注意点などについて解説していきます。

過去帳を記入する人

過去帳は、僧侶へ記入をお願いするのが一般的です。しかし、厳格に決められているわけではないので、誰が記入しても問題はありません。文字のきれいさに自信がなければ、達筆な親族にお願いするのも良いでしょう。

過去帳への記入方法

過去帳への記入方法に決まりはありませんが、一般的な書き方は存在します。

【3行1霊位の書き方】

・1行目…命日

・2行目…戒名(法名)

・3行目…俗名・享年

【2行1霊位の書き方】

・1行目…戒名(法名)

・2行目…命日・俗名・享年(1行の中で2列に分けて書く)

上記の書き方は一般的な例です。基本的には、戒名(法名)・命日・享年・俗名が分かるように明記されていれば問題はありません。

過去帳への記入で注意すべきこと

過去帳に記入する際は、筆記用具に配慮しましょう。基本的には、墨をすって筆で書くのが望ましいです。墨は日焼けに強く、後世までしっかりと情報を残せますが、ボールペンや鉛筆などは、月日が経つごとに色褪せてしまう可能性が高いです。

過去帳の作成にかかる費用相場

ここからは、過去帳を作るためにかかる費用について解説していきます。自分で用意する場合と、業者に記入をお願いする場合で費用が異なるので注意しましょう。

自分で記入する場合

自分で過去帳へ記入する場合、過去帳の本体と、筆やすずりなどの費用がかかります。過去帳本体の値段は、安いものであれば1,000円程度、高いものなら20,000円を超えることもあるので、予算に合わせて選ぶと良いでしょう。

寺院や専門会社に依頼する場合

仏具などを販売している業者へ記入を依頼する場合、1霊あたり1,000円ほどが相場です。なかには、「過去帳を購入してくれた方には、2霊まで無料」といったサービスを行っている業者もあります。

寺院へお願いする場合は、法要の一環として記入してくれるため費用はかかりません。しかし、「過去帳の買い替えに際して転記が必要」といった場合、5,000~10,000円を包むのがマナーです。

また、過去帳を紛失してしまった場合は、寺院の過去帳と照会して書き直す必要があります。その際は、手間代などを考慮して30,000~50,000円を包むようにしましょう。

過去帳の保管場所

過去帳は、仏壇の中に保管しておくのが一般的です。「仏壇から向かって右側」「本尊よりも下」といったマナーはありますが、大切にしまっておける場所があれば特に意識する必要はありません。

まとめ

過去帳とは、故人様の命日や戒名(法名)を記載しておく大切な仏具です。月命日や年忌法要の際に使用し、通常は仏壇の中で大事に保管しておきます。過去帳への記入は、基本的に僧侶が行ってくれますが、ご家族の代表者が記入しても問題はありません。

過去帳は、自身の代だけでなく、後世に引き継がれていく大切な帳面です。家系図のような役割も果たすため、色褪せにくい筆を用いてしっかりと記しましょう。

記事の制作・編集家族葬コラム編集部
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