一周忌での挨拶の仕方とは?法要の流れに沿って例文つきで解説!
一周忌法要とは、故人様が亡くなられてから初めて執り行われる年忌法要です。親族や友人など多くの方が集まり、故人様を偲びます。ただし、法要の中では喪主・参列者からの挨拶が必要なシーンが多々あり、「どう挨拶すべきなのか」「注意点やマナーはあるのか」など悩まれる方も少なくありません。
今回は、喪主・参列者の2つの立場に分けて、一周忌法要で執り行う挨拶の例文やマナーについて解説していきます。心からの挨拶を行い、一周忌法要を滞りなく終了できるよう、本記事を参考にしていただけると幸いです。
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一周忌法要の挨拶とは?
一周忌法要では、法要の各所で喪主からの挨拶が必要です。基本的には式の前後に開始と締めの挨拶を行います。忌み言葉に配慮しつつ、簡潔に済ませるのがマナーです。
忌み言葉とは、「消える」「浮かばれない」「落ちる」「四(死)」「九(苦)」など、不吉な物事を連想させる言葉を指します。また、「重ね重ね」「いよいよ」といった繰り返し言葉も、「不幸を連想させる」といった意味になるため、弔事の場では使用してはいけないとされています。
一周忌法要で挨拶を行うタイミング
一周忌法要で挨拶を行うタイミングは、以下のとおりです。
法要前 | 参列者がそろい、僧侶が入場した後に挨拶を行う |
法要後 | 法要が執り行われた後に挨拶をする |
納骨式 | 納骨式を行う場合、式の最後に挨拶をする |
会食前の献杯時 | 参列者がそろったら、開始の挨拶を行い、その後に献杯の音頭を取る |
会食後 | 閉会の時間で締めの挨拶を行い、献杯の音頭を取る |
上記の流れ以外には、僧侶へのお礼も必要です。僧侶へのお礼は当日の忙しさによってタイミングが異なります。なお、詳細は後述の『僧侶への挨拶』にて解説します。
一周忌法要で挨拶を行う人
一周忌法要での挨拶は、基本的に喪主が行いますが、喪主でなければならない決まりはありません。喪主が高齢で挨拶が難しい場合や、人前に出るのが極端に苦手な方などは、ほかの方に挨拶をお願いしても問題はありません。たとえば、挨拶の上手な親族や故人様と親しい関係だった方に頼むと良いでしょう。
一周忌法要での挨拶の仕方は?例文つきで解説!
ここからは、一周忌法要で行う挨拶の例文を、行うタイミングに分けて解説していきます。開催規模や天候などによってアレンジし、その場にふさわしい挨拶の内容を考えてみてください。
一周忌法要前の挨拶
一周忌法要を執り行う前には、開式の合図として喪主からの挨拶が必要です。「参列へのお礼」「法要を執り行う旨」を盛り込みつつ、簡潔に済ませましょう。
本日はお足元の悪い中、母○○(故人様の名前)の一周忌法要にお越しいただき、ありがとうございます。
ただいまより、母○○の一周忌法要を始めさせていただきます。
それでは○○(僧侶の名前)様、よろしくお願いいたします。
本来、一周忌法要では戒名を呼ぶものですが、近年は俗名を呼ぶケースが多いです。また、最後の「よろしくお願いいたします」は、僧侶の方を向いて行うようにしましょう。
一周忌法要後の挨拶
一周忌法要が執り行われた後は、喪主から締めの挨拶を行います。開始の挨拶と同じように、簡潔に済ませましょう。盛り込むべき内容は、「閉式の旨」「次の予定」「僧侶への挨拶」の3つです。
おかげさまで、母○○(故人様の名前)の一周忌を無事終えられました。
誠にありがとうございます。
ささやかではありますが、別会場にて食事の準備をしております。
お時間が許す限り、ぜひおくつろぎください。
○○(僧侶の名前)様、おつとめいただき、ありがとうございました。
会食を用意していなければ、予定の案内は不要です。納骨を控えている場合は、納骨式への案内も行います。また、最後の「ありがとうございました」を伝える際には、僧侶の方を向いて挨拶を行いましょう。
納骨式での挨拶
一周忌に合わせて納骨式を行う際は、納骨式の後にも喪主からの挨拶が必要です。
本日はお忙しい中、母○○(故人様の名前)の納骨式にお越しいただきありがとうございます。
私たち家族も、ようやく前を向いて生きていけるようになりました。
これも、皆様の励ましのおかげと感謝しています。
この後、○○にてお食事の用意をしております。
お時間がある方は、ぜひお付き合いいただけたらと思います。
本日は誠にありがとうございました。
納骨式は、一周忌と同じように一つの節目として捉えられています。そのため、「節目を迎えた」といった前向きな内容にするのが望まれます。
コロナで会食なしの場合の挨拶
コロナやほかの事情によって会食がない場合は、「参列へのお礼」「会食がない旨を説明」「僧侶へのお礼」の3つを盛り込み、簡潔に挨拶を済ませましょう。
本日はお忙しい中、母○○の一周忌法要にお集まりいただきありがとうございます。
おかげさまで、無事法要を終えることができました。
多くの方にお越しいただき、母も喜んでいると思います。
皆様とともに粗宴を囲みたいところではございますが、昨今の事情により、これにてお開きにしたいと思います。
○○(僧侶の名前)様、おつとめいただき、ありがとうございました。
会食前の献杯の挨拶
法要の後には、必ずではありませんが「お斎(おとき)」と呼ばれる会食が開かれます。その際、喪主は開始の挨拶をしなければなりません。具体的には、「法要に参列していただいたお礼」「献杯の音頭」の2つです。
本日はありがとうございました。
こうして母を偲ぶ席にお付き合いいただき、本当に嬉しく思います。
懐かしい方々のお顔を見ることができ、母も喜んでいると思います。
母の思い出話をしながら、冥福を祈りたいと思います。
それでは、献杯とご唱和をお願いいたします。
献杯。
会食後の締めの挨拶
終了の時間が近づいて来た頃合いで、喪主から閉会の挨拶を行います。挨拶は、「参列へのお礼」「返礼品がある旨」を盛り込みつつ、簡潔に済ませるようにしましょう。
本日はお忙しい中、たくさんの方にお集まりいただきまして本当にありがとうございました。
懐かしい話を聞けて、母もさぞ喜んでいると思います。
これにて最後のご挨拶とさせていただきます。
これからもご支援くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。
ささやかですが、お手元にお礼の品を用意しております。
お気をつけてお帰りください。
僧侶への挨拶
僧侶への挨拶は、法要後に僧侶が退席したタイミングが最適とされています。とはいえ、当日の状況によっては法要後に渡す時間が取れない場合もあります。その際は、以下のタイミングを見計らってお礼の挨拶を行いましょう。
本日は母の一周忌につき、足を運んでくださり誠にありがとうございます。
どうぞよろしくお願いいたします。
心のこもったおつとめ、ありがとうございます。
ささやかではございますが、どうぞお納めください。
今後ともよろしくお願いいたします。
本日は誠にありがとうございました。
ささやかではございますが、お布施をお納めください。
一周忌でお悔やみの挨拶をする際のマナー・例文
一周忌では、喪主だけでなく参列者も挨拶をする場面があります。たとえば、ご遺族や故人様の身内、友人などへお悔やみを述べる際です。基本的なマナーは喪主からの挨拶と変わらず、忌み言葉や重ね言葉に配慮する必要があります。
身内の人への挨拶
身内の方へ挨拶を行うときは、故人様へのお悔やみと、労いの気持ちを率直に述べましょう。
本日はお招きいただきありがとうございます。
ごぶさたしており申し訳ありません。
この1年はとても大変でしたね。
友人への挨拶
友人へ挨拶をする際は、法要と関係のない話は避け、故人様のマイナスとなるような昔話はしないようにしましょう。
その後、皆さんお元気にされていましたか?
もう一周忌とは、早いものですね。
手紙やはがきでの挨拶
法要へ参列できない場合は、手紙やはがきで挨拶を行うのがマナーです。
一周忌の案内をいただき、ありがとうございました。
本来であれば出席し、直接お会いしてお悔やみを申し上げたかったのですが、一身上の都合により書面での挨拶になってしまい、誠に申し訳ございません。
○○(故人様の名前)のご冥福と、皆様のご健康を心よりお祈り申し上げます。
まとめ
一周忌法要は、亡くなられてから初めて執り行われる年忌法要です。一般的には一周忌を持って喪明けとされるため、ご遺族にとっても重要な日となっています。喪主・参列者どちらの立場であっても失礼のないよう、本記事を参考に挨拶の仕方やマナーについて理解しておきましょう。
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