【世代別】香典の金額相場は?20代から50代までの相場、マナーを解説します
ご葬儀や法事・法要に関するマナーは、服装・供花・お供え物などそれぞれ細かく決められています。しっかり決まっているのであれば、マナーを覚えれば良いのですが、香典に関しては金額に決まりがないため、「いくら包めば良いのだろう?」と悩んでしまう方も多いです。
今回は、年代別・関係性別における香典の金額相場や、表書きの書き方・包み方・渡し方について分かりやすく解説していきます。
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【世代別】香典の金額相場は?
香典の金額は、故人様との関係性や年齢によってそれぞれ異なります。傾向としては、年齢が上がるほど金額相場も高額になっていく場合が多いです。次の項目では、年代別・関係性別における香典の金額相場を解説していきます。
50代以上は「相場の上限金額」を用意することが多い
50代以上の方は、金額相場の上限額を包むことが多いです。また、香典をいただいた経験がある方なら、おおよそいくらだったのかを確認しておき、その金額を基準に包むのもひとつの方法です。
関係性 | 金額 |
親族・親戚 | 30,000~100,000円 |
友人・知人 | 5,000~10,000円 |
同僚・上司 | 5,000~10,000円 |
近所の方 | 5,000~10,000円 |
50代以降になると、ご親族や友人・知人、お世話になった恩師のご葬儀に参列する機会も徐々に増えてきます。ある程度の相場を把握しておけば、いざというときに包む金額を迷わずに済むでしょう。
また、ご自身(または配偶者)の叔父・叔母が亡くなられた場合、香典の相場は20,000~30,000円といわれています。しかし、年代に関係なく10,000円前後を包む方が多いです。どのような関係性だったかによっても変わってくるため、とても親しくしていたのであれば30,000円を包んでも良いでしょう。
いとこや友人の親が亡くなられた場合、こちらも付き合いの親密度によって相場が変わります。一般的には、10,000~30,000円が相場です。友人の親の場合、よほど深い付き合いでない限りは5,000~10,000円が目安となっています。
なお、中学・高校時代の恩師や、習い事の先生、子どもがお世話になった先生などが亡くなられた場合には、5,000~10,000円が妥当な金額です。
30~40代の香典の金額相場
30~40代は、20代に比べて収入も増え、人付き合いの範囲も広がる年代です。多くの方は、相場の中間あたりの金額を包んでいます。
関係性 | 金額 |
親族・親戚 | 10,000~50,000円 |
友人・知人 | 5,000~10,000円 |
同僚・上司 | 5,000~10,000円 |
近所の方 | 5,000円ほど |
たとえば、「同僚・上司」の相場は5,000~10,000円になっているので状況に応じて金額を決めましょう。
20代の香典の金額相場
20代は、初めての就労や一人暮らしで何かとお金がかかります。自分の生活だけで精一杯といった方が多いため、相場の中でも一番低い金額にすることが多いです。
関係性 | 金額 |
親族・親戚 | 10,000~50,000円 |
友人・知人 | 3,000~10,000円 |
同僚・上司 | 5,000円ほど |
近所の方 | 3,000~5,000円ほど |
上記の表を見ると、「近所の方」の相場は3,000~5,000円になっています。20代の方は、自分の負担にならない程度の金額を準備するのが無難といえます。
香典を用意するときのマナー
香典には、包む金額やお札の種類、表書きの書き方など、さまざまなマナーが存在します。どれも大事な意味を持っているマナーなので、香典を渡す際に失礼がないよう、しっかりと押さえるようにしてください。
合計金額の万の位・千の位が奇数になるようにする
香典の金額を設定する際は、金額が「奇数」になるようにしましょう。なぜなら、日本では昔から「偶数=割り切れる数字=ご縁が切れる数字」のように、偶数が縁起の悪い数字とされてきたためです。
包む金額は、3,000円・5,000円・10,000円など、割り切れない奇数の数字にしましょう。また、奇数に設定するのは合計金額の万の位や千の位です。ただし、これはあくまで「縁起」としての数字であり、数学的に割り切れる数字ではありません。
奇数の枚数のお札を包む
香典は用意するお札の枚数にも配慮が必要です。前項でも解説したとおり、日本では偶数が縁起の悪い数字とされてきました。そのため、包む枚数も奇数にしなければいけません。
たとえば30,000円を包む場合、10,000円札を2枚と5,000円札を2枚で合計30,000円とするのは、お札の枚数が4になってしまうので縁起が悪いです。30,000円を用意する場合は、10,000円札を3枚にし、奇数にして包むよう配慮しましょう。
新札の使用を避ける
香典では、新札のお札は使わないことがマナーです。新札を用意するというのは不幸をあらかじめ予感していたと捉えられるため、もし適切なお札がない場合は新札に折り目をつけましょう。また、お札を入れる際は向きを揃えて入れるのがマナーです。
4・9を含む金額を避ける
「4」や「9」は、発音が「死」や「苦」を連想させるため、日本では「忌み数」として冠婚葬祭の場で避けられています。ご遺族に余計な負担を与えてしまうことになるので、香典の金額やお札の枚数が4や9にならないよう、包む際は一度確認しましょう。
表書きの書き方
表書きは、故人様が信仰する宗教・宗派によって異なります。それぞれの書き方を以下の表にまとめましたので、気になる方は一度確認してみてください。
仏教(49日より前) | 御霊前・御香典 (浄土真宗のみ「御仏前」) |
仏教(49日以降) | 御仏前・御佛前 |
神道 | 御玉串料・御榊料・御神前 |
キリスト教:カトリック | 御花料・御ミサ料 |
キリスト教:プロテスタント | 御花料・献花料・弔慰料 |
表書きの下段には、名前を記入します。基本的にはフルネームで記入しますが、連名などで包む場合は以下の表を参考に記入しましょう。
3名の連名(職場の場合) | 下段中央に上司の名前、左下に部下の名前 |
4名以上の連名 | 下段中央に代表者の名前、左下に「他◯名」「他一同」と記入 中袋に全員の名前と住所を記入 |
学校・会社関係での連名 | 「学校名・会社名○○一同」 |
会社全体で出す場合 | 下段中央に代表取締役指名、右側に法人名を記入 |
金額を記入する際は、漢数字の旧字体を用います。たとえば、1,000円であれば壱千円他、50,000円であれば伍萬円他と書き、また金額は不祝儀袋の裏面の左下に書くようにしましょう。
香典を渡す・送るときのマナー
最後に、香典を渡す際のマナーについて解説していきます。また、ご葬儀に参列できなかった場合の香典の送り方もご紹介しますので、併せて参考にしてみてください。
参列する場合の渡し方
お通夜やご葬儀に参列する際、香典は袱紗に包んで持ち運び、渡す直前に袱紗から取り出します。袱紗は香典と同じ大きさにたたみ、上に香典袋を乗せてお渡ししましょう。このとき、香典の向きはご遺族から文字が読めるようにしておくのがマナーです。
参列できない場合の送り方
どうしてもご葬儀に参列できなかった場合は、香典に手紙を添えて郵送するという方法もあります。一緒に送る手紙には、故人様に対するお悔やみと参列できなかったお詫びを簡単につづります。送るタイミングは、当日に届くようにするのが理想ですが、間に合わない場合は喪主の住所へ送りましょう。
まとめ
香典の金額相場は、故人様との関係性や年齢によって変化します。50代以上の方は、相場の上限金額を包むことが多いのですが、無理に包む必要性はありません。今回ご紹介した相場は、あくまで「目安」なので、自分の経済状況や故人様との関係性によって金額を決めましょう。
間違えのない葬儀社の選び方や注意点をはじめ、さまざまな葬儀の知識・マナーを分かりやすくお伝えします。