【場面別】四十九日法要での挨拶のポイント・例文を解説!押さえておきたいマナーも併せて紹介
故人様がお亡くなりになってから四十九日目に行われるのが四十九日法要です。ご親族や故人様と親交があった方を招いて法要を行いますが、そこでは喪主からの挨拶をするタイミングが何度かあります。
今回は、喪主を務める場合に知っておきたい四十九日法要での挨拶のポイントと例文をご紹介します。また、必ず押さえておきたいマナーについても解説していきますので、ぜひ最後まで目を通してください。
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四十九日法要で喪主が挨拶をするタイミングは?
喪主が挨拶をするタイミングは主に6回あります。
・法要開始
・法要締め
・会食前
・献杯
・会食後の締め
・僧侶への挨拶
法要締めの挨拶では、「中締め」と呼ばれる会食の有無で内容が異なります。
四十九日法要では、僧侶による読経だけでなく会食も同時に行われるため、挨拶をする回数がどうしても多くなってしまうものです。しかし、喪主の挨拶には参列者に対する感謝の気持ちが込められているだけでなく、次の予定を進めていく役割もあるため、適切なタイミングで簡潔に伝えるよう心がけましょう。
【場面別】四十九日法要での挨拶のポイント・例文
ここからは、挨拶のポイントと例文を場面別で紹介していきます。四十九日法要で挨拶をするタイミングは最大で6回ありますが、それぞれ伝えるべき内容が異なりますので注意してください。
法要開始の挨拶
僧侶を仏壇の前に招いてから法要開始の挨拶を始めます。
【例文】
本日は、お忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
これより、故○○(故人様のお名前)の四十九日法要を執り行いたいと存じます。
ご住職、よろしくお願いいたします。
【ポイント】
参列してくれたことに対するお礼と、49日目の法要の始まりを宣言します。
法要締めの挨拶
法要後、喪主から締めの挨拶をします。このとき、法要後に会食がある場合とそうでない場合とで、伝えるべき内容やポイントが変わるため注意しましょう。
会食がある場合の挨拶(中締め)
法要後に会食がある場合には、中締めの挨拶をして一旦区切りを持たせます。
【例文】
本日は、ご多忙中にもかかわらず、故○○(故人様のお名前)の四十九日法要にご参列いただきまして、誠にありがとうございました。
皆様のおかげで、無事に法要を終えることができました。
今後とも変わらぬご支援のほど、よろしくお願い申し上げます。
心ばかりではございますが、会食の席を設けておりますので、ぜひお召し上がりください。
本日は誠にありがとうございました。
【ポイント】
四十九日法要が終わったこと、今後のスケジュール、締めの言葉の順で伝えます。このとき、故人様との思い出話などを伝えるとより気持ちのこもった挨拶になるでしょう。
会食がない場合の挨拶
法要後に会食がない場合には、締めの挨拶をします。
【例文】
本日は、ご多忙中にもかかわらず、故○○(故人様のお名前)の四十九日法要にご参列いただきまして、誠にありがとうございました。
皆様のおかげで、無事に法要を終えることができました。
故○○(故人様のお名前)も皆様に会えて、きっと喜んでいると思います。
皆様と一緒に故○○(故人様のお名前)を偲びながら粗宴を囲みたいところではございますが、遠方からお越しの方もいらっしゃいますので、これにてお開きとさせていただきます。
本日は誠にありがとうございました。
【ポイント】
四十九日法要が終わったこと、参列してくれたことに対するお礼を伝えて締めます。なお、ご家族だけで法要を行う際には挨拶を簡略・省略化したりする場合もありますので、状況に応じて内容を変更してください。
会食前の挨拶
法要後は、参列者一人ひとりに対して食事を振る舞います。会食前の挨拶には「喪主からの挨拶」と「献杯の挨拶」がありますが、ここでは「喪主からの挨拶」について例文とポイントをお伝えしていきます。
【例文】
本日は誠にありがとうございました。
ささやかではございますが、お食事をご用意いたしました。
お時間の許す限り、ごゆっくりおくつろぎください。
故○○(故人様のお名前)の思い出話などをしながら召し上がっていただくことが何よりの供養となりますので、どうぞ召し上がってください。
【ポイント】
参列してくれたことに対するお礼、会食を行うこと、故人様の思い出話に花を咲かせてほしいことを伝えます。献杯の挨拶を喪主以外がする場合には、「では△△様、献杯の挨拶をお願いいたします」と挨拶をお願いしましょう。
献杯の挨拶
献杯とは法要などで杯を差し出すことです。献杯の挨拶は、喪主が行う場合と喪主以外が行う場合があります。
【例文】
それではお手元のグラスをお取りください。
(全員がグラスを取るのを待ってから)皆様ご唱和ください。
献杯。
【ポイント】
会食前の挨拶が終わった後は、献杯の挨拶をします。「献杯!」と声を張り上げるのではなく、落ち着いた口調で発しましょう。
【例文】
ただいまご紹介いただきました△△(自身の名前)と申します。
○○さん(故人様のお名前)とは学生時代からの友人で、家族ぐるみで仲良くさせていただいておりました。
このように皆様にお集まりいただき○○さん(故人様のお名前)もさぞ喜んでいることと存じます。
それでは、僭越ではございますが、○○さん(故人様のお名前)への思いを込めて献杯の音頭を取らせていただきます。
皆様ご唱和ください。
献杯。
【ポイント】
簡単な自己紹介をし、故人様との思い出を伝えてから献杯の音頭を取ります。全員が着席して、飲み物が行きわたっていることを確認してから挨拶を始めてください。
会食後の締めの挨拶
会食を終えるタイミングで、喪主から締めの挨拶をします。
【例文】
本日は、ご多忙中にもかかわらず、最後までお付き合いいただき誠にありがとうございました。
なごりはつきませんが、これにてお開きとさせていただきます。
皆様と故○○(故人様のお名前)の思い出話をさせていただき、改めて故○○(故人様のお名前)を身近に感じられました。
どうかこれからも変わらぬご支援のほどよろしくお願い申し上げます。
本日は誠にありがとうございました。
【ポイント】
参列してくれたことに対するお礼、お開きにすることを伝え、締めの挨拶をします。返礼品がある場合には、用意した品を持ち帰ってもらうよう、案内してください。
僧侶への挨拶
お布施を渡すタイミングで、喪主から僧侶へ挨拶をします。法要が始まる前、もしくは終わった後のどちらかで挨拶を済ませましょう。
【例文】
本日はお忙しい中、ご足労賜りまして誠にありがとうございます。
故○○(故人様のお名前)の四十九日法要、何卒よろしくお願いいたします。
心ばかりではございますが、どうぞお納めください。
【例文】
このたびはお越しいただきましてありがとうございました。
ありがたい法話もお聞きし、故○○(故人様のお名前)も喜んでいることと思います。
心ばかりではございますが、どうぞお納めください。
【ポイント】
挨拶は短くて構いません。メモ帳などを見ながら挨拶する必要はないので、心からの感謝の気持ちを伝えましょう。
四十九日法要の挨拶に関するマナー
ここからは、四十九日法要の挨拶に関して知っておくべきマナーをお伝えしていきます。
故人様・参列者への感謝を伝える
喪主からの挨拶文に必ず入れたいのが故人様・参列者への感謝の言葉です。故人様への気持ちと、わざわざ法要に参列してくれたことに対するお礼を伝えてください。
長時間にならないようにする
伝えたい内容が多すぎるからといって、挨拶が長時間になってしまわないようにしてください。目安としては、5分を超えないことが望ましいでしょう。
忌み言葉を使用しない
忌み言葉とは、冠婚葬祭に適していない言葉のことです。
・「浮かばれない」「迷う」:故人様があの世で迷ってしまわないように
・「切れる」「別れる」:夫婦の離縁を連想させるため
・「重ね重ね」「たびたび」:重ね言葉は不幸が重なることをイメージさせてしまうため
・「死」「生きる」:生死を感じさせてしまう直接的な言葉であるため
忌み言葉を使うことは厳禁なので、挨拶文には組み込まないようにしましょう。
故人様に失礼になることは言わない
たとえ親しい間柄だったとしても、故人様の欠点を述べるなどの失礼なことは決して口にしないようにしてください。故人様やご遺族の気持ちに寄り添った挨拶を述べましょう。
まとめ
施主はご葬儀や法事などで、参列者や僧侶に対して挨拶をする機会があります。故人様や参列者、僧侶に心からの感謝の気持ちを伝えるためにも、事前に挨拶文を用意しておくと安心です。また、法要の流れは会食の有無によってそれぞれ変わっていくので、今回ご紹介した例文を参考にしつつ、その場に適した挨拶文を考えてみてください。
間違えのない葬儀社の選び方や注意点をはじめ、さまざまな葬儀の知識・マナーを分かりやすくお伝えします。