妊婦さんがお葬式に参列する際の服装マナー!マタニティ喪服は本当に必要?
不幸は突然訪れるもので、妊娠中に訃報を受ける可能性は十分にあります。ご親族やご友人など大切な方がお亡くなりになった際、「参列しても良いのかな」と迷う方もいらっしゃるでしょう。妊婦さんがお葬式に参列しても問題ありませんが、お腹の状態によって手持ちの喪服が着られなくなってしまったという事例も珍しくありません。
今回は、「マタニティ喪服は必要?」「ヒールのあるパンプスを履くべき?」と悩んでいる方に向けて、妊婦さんがお葬式に参列する際の服装マナーについて解説します。
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妊婦さんがお葬式に参列する際の服装マナーは?
お通夜やお葬式の参列自体は問題ありませんが、なかにはお腹が大きくなっていて手持ちの喪服が着られなくなっている方もいるでしょう。百貨店やネット通販などでマタニティ用の喪服を購入できますが、これは必ず着用しなくてはいけないものなのでしょうか。
マタニティ用の喪服をレンタルできる
マタニティ用の喪服はレンタルできます。レンタルする方法には、大きく分けて3種類あります。
・葬儀社:葬儀社を経由して貸衣装店からレンタルする
・インターネットサービス:宅配サービスを利用する
・紳士服店:紳士服店などの実店舗に赴いて借りる
紳士服店や葬儀社を経由して貸衣装店からレンタルする場合にはすぐに手元に届きますが、インターネットの宅配サービスを利用する場合は到着日に注意しましょう。即日配送となっていることが大半ですが、交通状況などによってお葬式の時間までに届かない可能性も考えられます。
マタニティ用の喪服の着用が絶対ではない
マタニティ用の喪服が用意できない場合には、喪服でなくても構いません。妊婦さんやお子さんがお葬式に参列する服装には厳格なルールがないため、ご葬儀までに慌てて準備する必要はないのです。
このような場合、手持ちの洋服を着て参列することになりますが、服装選びでは気をつけたいマナーがいくつかあります。
マタニティ用の喪服がない場合の服装マナー・注意点
マタニティ用の喪服がない場合には、手持ちの洋服でも構いません。ただし、ご葬儀の場にふさわしい装いを心がける必要があります。
・光沢のない黒色の服を着用する
・柄や装飾がない服を着用する
・お腹周りがゆったりとした服を着用する
・夏場であっても羽織ものを持っていく
・足に負担がかからない黒い靴を履く
お葬式に参列する前に、上記5つのポイントを確認しておきましょう。
光沢のない黒色の服を着用する
黒色で光沢のないシックな服装を選びましょう。たとえ黒色の無地だとしても光沢があると派手な印象になってしまうため、お葬式にはふさわしくありません。
柄や装飾がない服を着用する
柄や装飾がついていないシンプルな服装を心がけてください。また、丈の短いスカートは肌の露出が増えてしまうほか、足元を冷やしてしまう可能性があるので避けましょう。
お腹周りがゆったりとした服を着用する
お腹周りを締め付けないよう、ワンピースやアンサンブルなどのゆったりした服装が適しています。安定期を過ぎて出産を迎えるころになると、胎児の成長に伴ってお腹が徐々に大きくなっていきます。ジャストサイズの服を選んだ場合、お葬式の途中で具合が悪くなってしまう可能性があるため注意してください。
夏場であっても羽織ものを持っていく
葬儀場内は空調が効いているため、エアコンの設定温度によっては身体を冷やしてしまうおそれがあります。
身体が冷えてしまうと赤ちゃんにも影響を与えかねないため、羽織ものを持参しましょう。カーディガンやストールを1枚持っておくと安心です。
足に負担がかからない黒い靴を履く
妊婦さんは、足に余計な負担がかからないよう、かかとの低い黒い靴を履きましょう。ご葬儀では3~5cmほどのヒールがあるパンプスを履くのが一般的ですが、転んでしまわないようローヒールやフラットシューズでも構いません。ただし華美な装飾がついておらず、つま先があいていない靴を選んでください。
そもそも妊婦さんがお葬式に参列して大丈夫?
「そもそも参列することがマナー違反にならないのかな」と悩んでいる妊婦さんもいるでしょう。一昔前までは、「妊婦さんがお葬式に参列してはいけない」「火葬場やお墓へ行ってはいけない」といわれていましたが、これは迷惑だからという意味ではありません。妊婦さんが無理をして体調を崩してしまわないようにと、体調を気遣った思いやりの気持ちが込められているのです。
妊婦さんがお葬式に参列することは決してマナー違反にはなりませんので、安心して参列してください。
お葬式への参列自体は問題ない
お葬式への参列自体は問題ありませんが、なかには「赤ちゃんを連れていかれる」「赤ちゃんにあざができる」などの迷信を聞いたことのある方もいるでしょう。
これらは妊婦さんの体調を気遣ったもので、医学的な根拠はありません。気にしすぎる必要はありませんが、地域によっては「お腹に赤い布を巻く」「鏡を外向きにしてお腹に当て、腹帯を締める」などの方法で邪気を祓うことができるとされています。
体調を最優先にして参列する
つわりがつらい妊娠初期や出産を控えた臨月は、体調を崩しやすい時期です。少しでも不安に感じるのなら、参列は見送った方が良いかもしれません。無理をして参列すると周囲に心配をかけてしまうため、周りの方に相談しながら判断してください。
やむを得ず欠席する場合のマナー
体調不良などでやむを得ず欠席する場合には、「弔電を打つ」「お悔やみ状やお香典を送る」などして弔意の意思をきちんと示しましょう。体調が回復してきたころに、直接訪問してお悔やみを伝えると丁寧です。その際には、先方の迷惑にならないよう事前にお伺いを立ててから訪問してください。
まとめ
妊娠中、必ずしもマタニティ用の喪服を着用する必要はありませんが、光沢がなく黒無地のシンプルなワンピースなどのふさわしい装いを心がける必要があります。冬の時期だけでなく、夏場でも身体を冷やさないために羽織ものを持参してください。
妊婦さんでもお葬式や法事などへ参列できますが、もし体調が優れないようなら無理をする必要はありません。欠席する際には、弔電を打つなどして弔意の意思を示すことを忘れないでください。
間違えのない葬儀社の選び方や注意点をはじめ、さまざまな葬儀の知識・マナーを分かりやすくお伝えします。