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老衰とは?前兆となる症状や老衰死までの経過、ご家族ができることを解説


老衰とは?前兆となる症状や老衰死までの経過、ご家族ができることを解説

近年は医療技術の進歩により、老衰で亡くなる方の割合が増えています。人は年を重ねるにつれて、さまざまな症状が現れやすくなるため、老衰について理解を深めおくことが大切です。

この記事では、老衰の定義をはじめ、前兆となる症状や老衰死までの経過について解説します。ご高齢の方の死去に備えて、ご家族ができることについても解説しますので、ぜひ最後まで目を通してください。

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老衰とは?

老衰とは、加齢によって心身の機能が衰えていく状態のことです。人は年齢を重ねるほど心身が衰えていくため、今までどおりの生活を送ることが難しくなります。

また、老衰が原因で亡くなることを「老衰死」といいます。一般的には「自然死」や「天寿を全うする」と表現されることが多いです。

厚生労働省による老衰の定義

厚生労働省は「死亡診断書(死体検案書)記入マニュアル(令和6年版)」において、死因としての老衰を以下のように定義しています。

<厚生労働省による老衰の定義>

高齢者でほかに記載すべき死亡の原因がない、いわゆる自然死の場合のみに用います。

つまり、老衰死は病気や怪我などが原因ではなく、加齢によって自然に亡くなることをいいます。老衰死を迎える方は年々増えており、厚生労働省の発表によると、令和2年(2020年)ではお亡くなりになった方の9.6%を占めていました。

日本人の死因の第1位は悪性新生物、第2位は心臓弁膜症などの心疾患ですが、第3位が老衰死となっており、多くの方が自然死していることが分かっています。医療の著しい発展により、近年は老衰死する方が増加傾向にあるため、最低限の知識は身につけておきたいところです。

何歳のご老人が亡くなると老衰死となる?

日本では、何歳からが老衰死となるのかについて定義はなく、医師の間でも意見は分かれているようです。厚生労働省の「簡易生命表(令和2年)」を見てみると、2020年の平均寿命は男性が81.64歳、女性が87.74歳であると分かります。これらの平均寿命を超えた上での自然死なら、老衰と判断する医師が増えているようです。

老衰死の前兆となる症状とは?

老衰死を迎えようとしているご高齢の方には、いくつかの兆候が見られることが分かっています。主な症状は、以下のとおりです。

<老衰死の前兆となる症状>

・体重が急激に減少する

・食事量が減少する

・身体機能が低下する

・睡眠時間が増加する

これらの症状が複数にわたって見られるようなら、ご家族は心構えが必要な時期に入ったと考えたほうが良いでしょう。以下では、ご紹介した4つの症状について解説していますので、いざというときの知識としてお役立てください。

体重が急激に減少する

老衰死を迎える時期が近づくにつれて、内臓機能は衰えていきます。その結果として、食事をしていても栄養が吸収されにくくなり、体重の急激な減少が見られるケースがあります。

食事量が減少する

消化機能の低下や飲み込みにくさなどから、これまでどおりの食事が摂れなくなり、食事量が減少する方も多いです。その様子を見て、ご家族は「最近、痩せたな」「食が細くなったな」と感じることが増えていくでしょう。

また、食事量が減少した後は、自力で食事を摂ることが難しくなっていくのが一般的です。このような様子が見られたら、老衰死を迎える心構えが必要になってくるでしょう。

身体機能が低下する

加齢に伴い、筋肉や骨などが衰えていくことで、身体機能も低下していきます。握力や歩行速度の低下、転びやすくなるなどの症状が見られたら、老衰死の前兆として受け止める必要があるでしょう。

また、内臓器官の機能も低下していくため、今までどおりの食事を摂ることが難しくなります。老衰が進行して食事を受け付けなくなった場合には、食べ物を細かく刻んでペースト状にする、介護食を利用するなどの工夫が必要です。

睡眠時間が増加する

症状がさらに進行すると、脳の機能が低下し、意識を保つことが難しくなります。その結果として起こるのが睡眠時間の増加です。

昼夜問わず眠くなることが増え、最終的には一日の大半を眠って過ごすようになります。このような状態になると、食事や活動の時間が短くなり、ますます老衰が進んでいきます。

初期症状が出てから死亡までの経過・期間

老衰が進むと、通常の食事を摂ることが難しくなるため、介護食に切り替えるのが一般的です。口から食事を摂れなくなったら、経鼻経管(けいびけいかん)や胃瘻(いろう)、点滴などで栄養を補給します。

適切な方法で栄養補給を行えば、長期にわたって生命を維持できる可能性があります。一方で、点滴などを行わない場合は、口から食事を摂れなくなってから1週間前後で亡くなることが多いようです。

なお、老衰と診断された後の余命には個人差があります。いざというときの心構えや準備をする上で、平均的な余命を把握しておくことは大切ですが、あくまで参考程度に留めておきましょう。

老衰から復活する場合もある?

老衰と診断された後にも、中治り(なかなおり)現象が起きるケースや、老衰以外の原因がある場合には復活することがあります。ここでは、老衰から復活する2つのケースについて解説します。

中治り現象が起きるケース

中治り現象とは、死期が迫っている方が一時的に回復する状態のことをいいます。この現象では、もうろうとしていた意識がはっきりしたり、食べ物が食べられなかった方が水やアイスを欲しがったりすることが多いようです。

発生原因は明らかになっていませんが、脳が生命を維持しようとして、ドーパミンなどの神経伝達物質を分泌するためと考えられています。大切な方ともう一度話せる可能性があるので、ご家族にとっては嬉しい現象といえるでしょう。

老衰以外の症状であったことが判明するケース

老衰以外の症状であったことが判明した場合にも、復活する可能性はあります。そのため、初期症状以外に気になる点があれば、早めに主治医に相談することが大切です。

例えば、睡眠時間の増加は薬の副作用をはじめ、脱水症状や内臓疾患、感染症などの病気にも起因します。老衰以外の原因を発見し、適切に対処すれば、症状の改善が期待できるかもしれません。

老衰死に備えてご家族ができること

ここからは、老衰死に備えてご本人のためにご家族ができることをお伝えしていきます。

積極的にコミュニケーションをとる

老衰死を迎える時期が近づくにつれて、患者様は意識を保つことが難しくなります。そのため、感謝の気持ちを伝えるなど、ご本人の意識があるうちに伝えたい言葉をしっかりと話しておくことが大切です。入院している場合は、こまめに訪問するなどして、できる限り後悔が残らないようにしましょう。

また、ご家族や友人とのコミュニケーションは、心のケアにつながります。安心してもらえるよう本人の話に耳を傾け、笑顔で接することも意識しましょう。

快適に過ごせる環境をつくる

老衰が進行すると、コミュニケーションをとることが難しくなります。さらに暑さや寒さ、光などの刺激にも敏感になるため、快適に過ごせる環境を整えてあげることも大切です。

例えば、室内の温度や湿度を調整したり、好きな音楽をかけたりすれば、心身ともにリラックスしやすくなります。ご本人だけではなく、ご家族も快適に過ごせる環境をつくり、より充実した時間を過ごしましょう。

また、身体機能が低下すると、今までと同じように入浴やトイレ、歯磨きをすることが困難になります。そのため、蒸しタオルで身体を拭くなど、ご本人の状態に合わせて身体を清潔にするお手伝いをしてあげましょう。

食べ物・飲み物を工夫する

老衰が進行すると、噛む力や飲み込む力が弱くなるため、飲食物にも気を配る必要があります。口から食事が摂れる場合は、食べ物を細かく刻んだり、柔らかく煮たりするなど、調理方法を工夫しましょう。食べやすさだけではなく、食事の量やご本人の好みに配慮することも忘れないようにします。

最終的に口から食事を摂れなくなったら、ガーゼなどに水を含ませて、唇を湿らせてあげましょう。ご本人が好きな飲み物や、アイスクリームなどで湿らせることもできるため、様子を見ながら飲み物を選んであげてください。

遺言書を準備する

ご家族で話し合った内容やご本人の意志は、遺言書またはエンディングノートにまとめておきましょう。遺言書には「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」がありますが、最も簡単に作成できるのは「自筆証書遺言」です。

しかし、間違った方法で作成すると、その遺言書は無効になってしまうため、準備する際には書き方をよく理解しておく必要があります。なお、エンディングノートは決まった様式がなく、遺言書のような法的効力もありません。

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延命治療やご葬儀について話し合う

ご本人の意思を尊重するために、延命治療の意思について相談しておくことも大切です。延命治療とは、病気の回復を目的とせず、人工呼吸・人工栄養・人工透析などを行うことを指します。する・しないに関わらず、希望を聞き取っておくことが重要です。

また、ご葬儀についても話し合っておきましょう。ご本人が希望するご葬儀の形式や、参列してほしい方の情報などを確認しておけば、より安心して最期を迎えることができるはずです。

しかしながら、上記の話題は非常にデリケートであり、直接聞くのは気が引けるという方もいらっしゃると思います。ご本人の希望を確認したいときには、文書で意思表示ができる「事前指示書」や「エンディングノート」を活用するのもおすすめです。

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ターミナルケアをする

ご本人が苦痛や不安を感じているようなら、ターミナルケアについても検討します。ターミナルケアとは、最期を迎えようとしているご本人のQOL(Quality of Life:人生や生活の質)の保持を目的とした看護ケアです。

終末期医療とも呼ばれており、痛み・不安・ストレスなどを緩和させるために、医師の判断による投薬やご家族・友人と過ごす時間を充実させます。ご本人が最期まで望む形で過ごせるよう、ターミナルケアについても早めに検討し、ご家族で話し合うことが大切です。

まとめ

今回は、老衰について解説しました。日本では老衰死を迎える方の割合が増えており、令和2年(2020年)ではお亡くなりになった方の9.6%を占めていることが分かっています。終末期が近づいてくると「発熱」や「むくみ」などが見られ、また危篤状態になると血圧が低下するなどの症状が現れます。

大切な方の最期を見守るのはとても辛いことです。しかし、大切な方だからこそ、お互いにとって後悔のないように最期の時間を充実させることが重要です。

記事の制作・編集家族葬コラム編集部
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