一周忌法要のお返しはいつ・なにを送るべき?選び方や金額相場、マナーを解説
一周忌法要は、故人様がお亡くなりになってから約1年後に執り行われる年忌法要のひとつです。状況によっては、大勢の方が一周忌法要に訪れる場合もあるでしょう。
一周忌法要でお供えをいただいたら、お返しとして引き出物を渡さなくてはいけません。ご葬儀の参列者に渡す「香典返し」とはマナーが異なる部分もあるため、必要な知識をあらかじめ身につけておきましょう。今回は、一周忌法要で必要になる引き出物について詳しく解説します。
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一周忌法要のお返しは必ず準備しよう
一周忌法要はご遺族やご親族、故人様が親しくしていた友人や知人だけを呼んで行われる場合がほとんどです。親しい間柄だとお返しを準備しなくても良いように思われますが、参列者には引き出物をお渡ししなくてはいけません。
また、一周忌法要を欠席すると連絡があった場合でも、お供えをいただいたらお返しを準備します。
一周忌のお返しは「引き出物」と呼ぶ
一周忌で準備するお返しは、「引き出物」などと呼ばれています。お返しと聞くと「香典返し」をイメージされる方も多いのですが、「香典」は四十九日法要までのお供えに対して使われるものです。金額相場や品物の選び方が異なるため、一周忌で準備する引き出物とは区別して考える必要があるでしょう。
お返しをするタイミング
引き出物を渡すタイミングは、会食後の参列者が帰る前が良いでしょう。都合によって会食を行わない場合には、持ち帰り用の折り詰めやお酒と一緒に引き出物を持ち帰ってもらいます。
あらかじめ準備していた引き出物よりもたくさんのお供えをいただいた場合には、一周忌法要後1ヶ月以内を目安に追加の引き出物を送るよう手配しましょう。
一周忌法要のお返しの金額相場
一周忌法要のお返しの金額は、いただいたお供えの5~7割が目安です。香典返しは原則として半返しですが、一周忌法要の場合には会食費と合わせた金額に応じて引き出物を準備しましょう。
たとえばいただいたお供えの金額が2万円で会食の費用が7,000円だった場合、3,000~5,000円程度の引き出物を用意すると良いでしょう。
一周忌法要のお返しの選び方
一周忌法要のお返しでは、香典返しのように「後に残るものは渡さない」というルールはありません。地域や風習などによっても異なりますが、食器や記念品などをお渡しするケースもあるほどです。
ただし年配の方や遠方から参列する方の負担にならないよう、重くかさばる品は控えましょう。
引き出物におすすめの品物
引き出物には、持ち帰りやすくかさばらないものや、香典返しでも選ばれている消え物を用意してみてはいかがでしょうか。
・カタログギフト
・お菓子
・お茶
・調味料
・洗剤
・タオル
引き出物には、日常的に使う調味料や洗剤、嗜好品のお菓子やお茶などが選ばれています。タオルは後に残るものですが、記念品としてお渡しする方が増えている傾向にある商品です。
なかでもカタログギフトは自由に商品を選べるため、年々人気が高まっています。しかし、自分自身で注文をしなくてはならず、さらに有効期限もあるため、相手にとって負担にならないかを考えてから選ぶと良いでしょう。
引き出物を購入できる場所
先ほどおすすめの品物としてご紹介した引き出物は、以下のような場所で購入できます。
・百貨店のギフトサロン
・ECサイト
・ギフト専門ショップ
・葬儀社 など
百貨店のギフトサロンには、お菓子やお茶などのほかにカタログギフトもそろっています。カタログギフトなら価格の範囲が幅広いため、選ぶのも容易でしょう。
また、最近ではネットショッピングを利用して引き出物を購入する方も増えています。自宅から出ずにさまざまな商品を比較検討できるため、イメージに叶う引き出物を見つけやすいのが利点です。
一周忌法要のお返しのマナー
一周忌法要のお返しを準備する際には、掛け紙の選び方やのし・お礼状の書き方に注意しましょう。ここからは、引き出物を渡す際のマナーについても解説していきますので、ぜひご覧ください。
掛け紙の選び方
一周忌法要のお返しには、落ち着いた色合いの包装紙を選ぶと良いでしょう。主に黒や白、グレーなどがおすすめです。少しアクセントがほしい場合には、深緑や菊の模様が入ったシンプルな柄を選んでみてください。
引き出物の渡し方
引き出物は、参列者が持ち帰りやすいよう袋に入れて用意しておきます。会食後に施主から参列者へ、感謝の気持ちを伝えながらお渡ししましょう。参列者の数が多い、あるいは法要をスムーズに進めたい場合にはあらかじめ会食の席に置いておき、参列者に持ち帰ってもらうという方法もあります。
また、会食を行わない場合には、折り詰めなどと一緒に引き出物を渡すのが一般的です。
のしの表書きの書き方
引き出物にはのしをかけてお渡しします。表書きの書き方は下記を参考にしてください。
・上段:志、粗供養、御礼
・下段:施主の姓、フルネーム、○○家
香典ではないため、薄墨ではなく濃墨で構いません。また、水切りは黒白の結び切りを印刷したものが一般的です。
お礼状の書き方・文例
お礼状は必ずしも必要ではありませんが、感謝の気持ちを伝えるためにもお礼状を添えるのがマナーです。お礼状を書くときは、基本的に縦書きにします。文面では、お供えをいただいたことに対する感謝の気持ちを記載しましょう。
・故人様のお名前
「亡父〇〇儀」「故◯◯儀」など
・参列していただいたことやお供えをいただいたことへのお礼の言葉
例:「ご多忙中のところわざわざご参列を賜りご芳情のほど誠に有難く厚くお礼申し上げます」
・略儀でお礼を述べることへ言及
例:「早速拝趨の上お礼申し上げるべきところ略儀ながら書中を持ちましてお礼申し上げます」
・差出人
施主の名前を書き、横に「親族一同」と書き添える
お礼状に関する注意点は「句読点を使わない」「重ね言葉を避ける」です。句読点は文章を止めてしまうため、行事が滞りなく進むよう避けられています。また、重ね言葉には不幸を繰り返さないという意味が込められているため、これらの注意点を念頭に置いてお礼を作成しましょう。
まとめ
今回は、一周忌法要でお返しする引き出物について、選び方や金額相場、渡すタイミングなどの注意点を解説しました。香典返しのように必ずしも消え物を用意する必要はありませんが、かさばらないものや重くないものを選ぶと参列者の負担を減らせるでしょう。
一周忌法要は、故人様と深く関わりがあった方との交流の場でもあります。しきたりを重んじる方や年配の方などさまざまな方が参列しますので、失礼にならないようお返しの品を選んでみてください。
間違えのない葬儀社の選び方や注意点をはじめ、さまざまな葬儀の知識・マナーを分かりやすくお伝えします。