喪主がやることとは?ご臨終からご葬儀後まで分かりやすく解説!
ご家族が亡くなられた際、ご葬儀を執り行うにあたって喪主を立てなければなりません。喪主は、ご葬儀の準備から後処理まで一手に引き受ける役割があります。とはいえ、喪主は人生で何度も経験するものではなく、いざ喪主を務めるとなった際、やることが分からなくて悩んでしまう方も少なくありません。
今回は、喪主の決め方やご葬儀での役割を時系列で解説していきます。大切なご家族のご葬儀を滞りなく執り行うためにも、大事なポイントを押さえておきましょう。
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喪主がやることリスト
故人様の逝去からご葬儀までに喪主がやっておくべき事柄は、以下のように多岐にわたります。
・死亡診断書の受け取り
・死亡届の提出
・ご遺体の搬送・安置
・葬儀社への連絡
・ご葬儀の打ち合わせ
・お通夜・告別式の準備
・訃報の連絡・ご葬儀の案内d
・弔問への対応
・ご葬儀での挨拶
・お布施の用意
・ご葬儀にかかる費用の清算
・納骨時の対応
・香典返しの準備・お渡し
上記の事柄のほかに、面倒な雑務も多々あるので、時間に追われないよう注意が必要です。
喪主はどうやって決めるの?
喪主を決める際の法的なルールは存在しません。そのため、一般的な慣習に従って喪主を決める場合が多く、主に以下のような方法が挙げられます。
1.遺言で指名された方
2.故人様の配偶者
3.故人様の子ども(長男または長女)
4.故人様のご両親(故人様が若い場合)
5.故人様の兄弟姉妹
ただし、その家におけるしきたりや地域の風習によって、喪主を誰にするのかが決まっていることもあります。心配な方は、ご家族や親族に相談をされて決めるのをおすすめします。
喪主がやること【ご臨終からご葬儀前まで】
喪主の仕事は、故人様がご臨終した後から始まります。とはいえ、大切なご家族が亡くなられている状況であり、気が動転する方や、悲しみのあまりすぐに動けない方が多いです。いざというときに少しでもスムーズに動けるよう、事前に喪主の役割を把握しておきましょう。
死亡診断書を受け取る
故人様が亡くなられた際は、担当の医師に死亡診断書を作成してもらいます。死亡診断書とは、死亡届と対になっている書類のことです。役所に提出しなければなりませんが、この書類は相続手続きでも必要になるので、提出する前にコピーしておくと良いでしょう。
また、死亡診断書の発行には3,000~10,000円程度の費用が必要です。危篤・ご臨終の連絡を受けた際は、速やかに支払えるように準備しておきましょう。
搬送先を決める
ご遺体は、一時的に病院でご安置されますが、長時間のご安置は行えないためなるべく早めに搬送業者に連絡する必要があります。事前に搬送業者を決めている場合は問題ありませんが、悩んでいる方は病院側に相談すると手配してくれます。無事に依頼が済んだ後は、ご遺体を安置所か斎場または自宅へ搬送してもらいましょう。
葬儀社に連絡する
すでに葬儀社が決まっている場合は、速やかに連絡しましょう。ご遺体を搬送してくれた業者に頼んでも良いですが、別の業者を探しても問題はありません。
葬儀社を決める場合は、「家から近いから」「費用が安いから」といった理由ではなく、口コミやプランの内容、電話対応での印象などを踏まえて選びましょう。葬儀社は、故人様をお送りする大切な儀式を任せる相手です。納得のいくご葬儀が執り行えるよう、慎重に選ぶことをおすすめします。
生前に葬儀社を選ぶことも多い
終活の一環として、故人様が生前のうちに葬儀社を選んでいる場合も多いです。生前に葬儀社を決めておくと、ご葬儀の内容や決済方法などで揉める心配がありません。
ご遺体を搬送・安置する
火葬までの間、ご遺体は所定の場所に安置しておかなければなりません。一昔前であれば、自宅で安置するのが一般的でしたが、近年はマンションやアパートに住む方が増えてきたため、葬儀社や専門施設を使う方が増えてきました。
葬儀社で安置する場合は、ご遺体の状態を保っておくためのドライアイス代や場所代が発生します。自宅での安置もドライアイスが必要になりますが、葬儀社に頼んで用意してもらうことも可能です。
葬儀社と打ち合わせをする
葬儀社が決まったら、担当者とご葬儀の打ち合わせを行います。打ち合わせで確認するのは主に以下のような項目です。
・ご葬儀の予算
・ご葬儀の形態(家族葬・一般葬など)
・会場の希望
・参列する親族の予定人数
・参列者の予定人数
・宗派
・菩提寺の有無
・希望の日時
・通夜振る舞いの内容
ほかにも、こまごました内容を詰めていく必要があり、打ち合わせの時間が長引いてしまうことも少なくありません。
お通夜・告別式の手配をする
お通夜・告別式の準備として、参列者の席順を決めたり、供花の配列を考えたりしなくてはなりません。また、遺影の準備や司会者との打ち合わせなど、やるべき事柄は多くあります。
基本的に、ご葬儀の決定権はすべて喪主が持っています。基本的なマナーは葬儀社の方が教えてくれますが、最終的な決定は喪主がしなければなりません。
訃報の連絡・ご葬儀の案内をする
ご葬儀の細かな部分が決まったら、職場や関係各所へ訃報を流し、参列していただきたい方にご葬儀の案内を出します。また、菩提寺がある場合は不幸があった旨を連絡しておきましょう。
喪主がやること【ご葬儀当日】
ご葬儀の当日、喪主を含めたご遺族は開始の1~2時間前に会場へ到着し、準備を行います。準備の内容は、供花や祭壇の最終チェック・僧侶への挨拶・戒名の受け取りなどです。ご葬儀が始まる前には各担当者が所定の位置につき、参列者をお迎えする準備を整えます。
弔問を受ける
喪主の最たる役割は、弔問への対応です。定位置である祭壇の脇で、弔問対応のために待機します。
弔問客が上司などの場合、出迎えに行きたくなってしまうかもしれませんが、喪主は故人様に付き添っているのがマナーなので、出迎えは不要です。弔問客の立場に関係なく、祭壇の脇を離れないようにしましょう。
挨拶をする
喪主は基本的に参列者の対応に専念し、ご葬儀の実務は世話役にお願いするのが通例です。ただし、ご葬儀終了時の挨拶は喪主の務めになっています。挨拶をする際は、以下のポイントに注意しつつ簡潔に3分ほどで終われるようにしましょう。
・参列してくださった方へのお礼を述べる
・故人様が生前お世話になったことへのお礼も述べる
・自分(またはご家族)にとって故人様はどのような方だったのか具体的なエピソードを交えながら話す
・通夜振る舞いの案内をする
・結びの言葉で締める
お布施を渡す
挨拶が終わったら、僧侶へお布施を渡します。渡す際は、「本日はありがとうございました」と一言添えるのがマナーです。また、直接の手渡しは失礼にあたるため、事前に袱紗から出し、切手盆に乗せて僧侶に渡しましょう。
もし挨拶が終わった後に渡すのが難しいと判断した場合には、ご葬儀の前に渡してしまっても問題はありません。その際は、「本日はよろしくお願いいたします」といった言葉を添えるようにしましょう。
喪主がやること【ご葬儀後】
喪主は、追善供養などの法要に関しても責任を持たなければならず、ご葬儀後にやるべき事柄も多くあります。ここからは、ご葬儀後に喪主が行うべき行動について解説していきます。
葬儀費用の精算をする
ご葬儀が執り行われた翌日以降に葬儀社から請求書が届くので、内容を確認したら速やかに清算を済ませましょう。また、通夜振る舞いの飲食代を後払いにしている場合は、飲食代の支払いも済ませる必要があります。いずれにせよ、お金が絡む問題は喪主の信用に関わるので、滞りなく終わらせなければなりません。
納骨先・埋葬先を決める
先祖代々のお墓があれば問題ありませんが、なければ新たにお墓を作るか、あるいは納骨堂の利用を検討しなければなりません。状況によって異なるものの、一定の費用がかかる可能性が高いので、もし一人で決められない場合は兄弟・姉妹と相談してみると良いでしょう。
香典返しをする
香典をいただいた方には香典返しを用意します。お渡しするタイミングは、四十九日法要が執り行われた後が一般的で、「四十九日法要を無事終えました」といった内容のお礼状を添付するのがマナーです。
また香典の相場は、いただいた額の半分あるいは3分の1が一般的です。渡す品物は「消え物」が良いとされており、具体的には食品・タオル・石鹸などが挙げられます。
喪主の親族(ご遺族)がやることは?
ご遺族がご葬儀でやるべきことの代表例は、ご葬儀会場での受付です。ほかにも、遺族控室へ来てくれた方への対応、ご葬儀の規模によっては駐車場係や火葬場までの運転手を務める場合もあります。
まとめ
喪主はご遺族の代表者で、故人様を供養するためのあらゆる場において責任を持たなければなりません。大切なご家族が亡くなった後は、悲しみと喪失感によって喪主を務め上げるのが大変です。しかし、やるべき事柄は多くあるので、本記事を参考にして1つずつ整理してみてください。
間違えのない葬儀社の選び方や注意点をはじめ、さまざまな葬儀の知識・マナーを分かりやすくお伝えします。