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仏教宗派とは?宗派ごとの違い、ご葬儀における特徴・マナーを解説


仏教宗派とは?宗派ごとの違い、ご葬儀における特徴・マナーを解説

日本には大きく分けて仏教と神道という2つの宗派が存在します。その他にもキリスト教や他の宗派も存在しますが、何らかの宗教を信仰している方のほとんどが仏教か神道に分類されます。

私たちの生活に仏教は深く溶け込んでおり、例えば、お墓参りや年に1度のお盆なども仏教活動です。私たちの生活の一部として浸透している仏教ですが、宗派が13種類にも分かれていることをご存じない方も多いです。13種類に分かれた宗派は、さらに56の派に枝分かれしています。

普段の生活では、仏教宗派を知らなくても何ら支障はありません。しかし、ご葬儀を執り行う場合には自分の宗派を知っておく必要があります。

本記事では仏教ができた歴史や、複数の宗派に分かれた理由、ご葬儀における宗派ごとの違いなどを分かりやすく解説していきます。

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宗派とは?

仏教が生まれてから現代に至るまでに、そのときどきで流行した考え方や、迷っている人々を救うためにもとの仏教から派生していったのが、「宗派」です。

仏教伝来・宗派派生の歴史

戒名の歴史は古く、江戸時代にまでさかのぼります。

仏教は2500年頃前にインドで生まれました。ブッダが修行と瞑想の末に編み出したのが仏教といわれています。その後仏教は中国・朝鮮半島へと伝わっていき、日本に伝来しました。

日本に伝来するまでの過程で、仏教はさまざまな宗派に枝分かれし、現在では世界各国で156もの宗派が存在するといわれています。

日本に伝来したのは538年、聖徳太子が摂政政治を行っていた時代です。それまで神様を信仰していた日本では、仏教を広めようとする勢力と神様信仰を守ろうとする勢力に別れ、対立するようになってしまいました。

その後、日本に仏教の文化が広がっていきます。その後は時代とともに力のある開祖が新たな宗派を生み出していきました。

現在の13宗56派に落ち着いたのは明治時代です。当時の政府が13宗56派を正式に認めたことによって現在の形に落ち着きました。

日本仏教の13宗派一覧

13宗56派の具体的な種類を、以下の表にまとめました。

浄土真宗 浄土宗
浄土捨世派
西山浄土宗
浄土宗西山禅林寺派
浄土宗西山深草派
浄土真宗 浄土真宗本願寺派
真宗大谷派
真宗高田派
真宗佛光寺派
真宗興正派
真宗木辺派
真宗出雲路派
真宗誠照寺派
真宗三門徒派
真宗山元派
真言宗 東寺真言宗
高野山真言宗
真言宗善通寺派
真言宗醍醐派
真言宗御室派
真言宗大覚寺派
真言宗泉涌寺派
真言宗山階派
信貴山真言宗
真言宗中山寺派
真言三宝宗
真言宗須磨寺派
新義真言宗
真言宗智山派
真言宗豊山派
真言律宗
天台宗 天台宗
天台寺門宗
天台真盛宗
臨済宗 臨済宗建仁寺派
臨済宗建長寺派
臨済宗東福寺派
臨済宗妙心寺派
臨済宗円覚寺派
臨済宗南禅寺派
臨済宗大徳寺派
臨済宗国泰寺派
臨済宗向嶽寺派
臨済宗天龍寺派
臨済宗永源寺派
臨済宗方広寺派
臨済宗相国寺派
臨済宗佛通寺派
臨済宗興聖寺派
日蓮宗 総本山
大本山
本山
曹洞宗 曹洞宗
法相宗 法相宗
律宗 律宗
華厳宗 華厳宗
融通念仏宗 融通念仏宗
時宗 時宗
黄檗宗 黄檗宗

ご葬儀においては宗派によって特徴・マナーが異なる

13の宗派にはそれぞれ異なった特徴やマナーが存在します。例えば数珠の形や戒名が違います。

ご葬儀においては宗派によって何が異なる?

同じ仏教であっても、13の宗派ではそれぞれご葬儀の方法に違いがあります。なぜなら、信仰している教えや「死」に対する考え方が異なるからです。次の項目ではそれらの違いを「読経」「作法・マナー」の2点にしぼって解説していきます。

読経

宗派による違いのひとつが、「経典」です。各宗派はそれぞれ主とする経典がありますが、宗派ごとに信仰の対象がバラバラなため、経典も異なります。

「南無」のあとに続く言葉によって、宗派が分かります。例えば、「南無阿弥陀仏」は浄土宗や浄土真宗、「南無妙法蓮華経」は日蓮宗、「南無大師遍照金剛」は真言宗、といった具合です。

作法・マナー

ご葬儀では、各宗派でマナーや作法が違う場合があります。代表的なのはお焼香の仕方やお線香のつけ方です。

ご葬儀における代表的な7宗派の特徴・マナーを解説

日本には13もの宗派が存在します。そのなかでも代表的なのが、「浄土宗」「浄土真宗」「真言宗」「天台宗」「臨済宗」「日蓮宗」「曹洞宗」の7つです。次の項目では各宗派の開祖や総本山、ご葬儀における特徴やマナーについて解説していきます。

浄土宗

【基本情報】

開祖 法然
経典 浄土三部経(阿弥陀経、無量寿経、観無量寿経)
成立した時代 鎌倉時代
総本山 知恩寺
本尊 阿弥陀如来
有名寺 平等院
高徳院
増上寺

【特徴・マナー】

特徴 ・念仏一会(ねんぶついちえ)
参列者が「南無阿弥陀仏」を10回もしくは一定時間唱える。故人様の魂が極楽浄土へ行けるようにという願いが込められている。
・下炬引導(あこいんどう)
線香もしくは松明を1本とり、円をかきながら「下炬引導(あこのげ)」を読み上げる。
焼香 額に3回いただく。
線香 1本

浄土真宗

【基本情報】

開祖 親鸞
経典 浄土三部経(阿弥陀経、無量寿経、観無量寿経)
成立した時代 鎌倉時代
総本山 本願寺派:西本願寺
大谷派 :東本願寺
本尊 阿弥陀如来
有名寺 特定のお寺はない

【特徴・マナー】

特徴 ・末期の水がない
・戒名ではなく法名が授けられる
・引導の作法がない
・死装束を着せない
・浄めの塩は用意しない
焼香 額にいただかずに1回
線香 1本を折って寝かせる

真言宗

【基本情報】

開祖 空海
経典 般若心経、大日経、金剛頂経、理趣経
成立した時代 平安時代
総本山 高野山金剛峯寺
本尊 大日如来
有名寺 新勝寺
正法寺
平間寺
護国寺
山岳信仰
金剛寺

【特徴・マナー】

特徴 ・灌頂(かんじょう)
故人様の頭に水をかける儀式です。仏の位に入れるようにという願いを込めて行います。
・土砂加持(どしゃかじ)
洗い清めた土砂を護摩焚きで焼き、故人様のご遺体にふりかける儀式です。故人様の苦悩を取り除くとされています。
焼香 3回額に推しいただく
線香 3本を三角形になるように立てる

天台宗

【基本情報】

開祖 最澄
経典 妙法蓮華経、阿弥陀経、大日経
成立した時代 平安時代
総本山 比叡山延暦寺
本尊 特定の本尊はなし。阿弥陀如来を本尊とする場合が多い。
有名寺 寛永寺
輪王寺
中尊寺
浅草寺
四天王寺

【ご葬儀における特徴・マナー】

特徴 ・列讃(れっさん)
シンバルなどの打楽器を鳴らして楽曲を奏でます。仏様となり成仏するようにと願いを込めて行われる儀式です。
・奠湯(てんとう)、奠茶(てんちゃ)
お茶をお供えし、最後に茶器をお供えする儀式です。
焼香 3回額にいただく。
線香 1本、もしくは3本
3本の場合は手前に1本、奥に2本立てる。

臨済宗

【基本情報】

開祖 栄西
経典 特定の経典はない。観音今日、大悲咒、般若心経、開経偈が読まれる場合が多い。
成立した時代 鎌倉時代
総本山 妙心寺
本尊 釈迦如来
有名寺 金閣寺
銀閣寺
西芳寺
竜安寺
東慶寺
瑞厳寺

【特徴・マナー】

特徴 ・授戒(じゅかい)
故人様の魂を仏様の弟子にするための儀式です。
・引導
僧侶が「喝!」と声を掛けることで、故人様の魂を極楽浄土へ旅ただせる儀式。
焼香 額にいただかず1回
線香 1本を立てる

日蓮宗

【基本情報】

開祖 日蓮
経典 妙蓮華教
成立した時代 鎌倉時代
総本山 身延山久遠寺
本尊 大曼荼羅
有名寺 大石寺
本門寺
法華経寺
誕生寺
清澄寺
本能寺

【特徴・マナー】

特徴 「南無妙法蓮華経」を何度も唱える
焼香 額にいただかず1〜3回
線香 1〜3本

曹洞宗

【基本情報】

開祖 道元
経典 特定の経典はなし。観音経、般若心経、妙法蓮華経、修証義などを唱える場合が多い。
成立した時代 鎌倉時代
総本山 永平寺・總持寺
本尊 釈迦如来
有名寺 泉岳寺
修善寺

【特徴・マナー】

特徴 ・鼓鈸三通(くはつさんつう)
鐃祓(にょうはち)と呼ばれるシンバルの様な楽器や、鈴、打楽器を鳴らし故人様の魂を極楽浄土へ送る儀式です。
焼香 1回目は額にいただき、2回目は額にいただかない
線香 1本

まとめ

日本には13宗56派もの宗派が存在します。そのどれもが違う考え方を持ち、それぞれ別の本尊をすえて信仰を行っています。仏教が日本に伝来してから、歴史を積み重ねるごとに宗派は枝分かれしていきました。ご葬儀の方法やマナーもそれぞれに特徴があります。

宗派ごとの特徴やマナーを把握しておくと、ご葬儀に参列する際に役立ちます。しかし、その本質はどれも故人様のご冥福を祈る心から生まれたマナーです。そのため、故人様を思う気持ちを持っていれば、多少マナーが違っても問題はありません。

記事の制作・編集家族葬コラム編集部
インターネット葬儀社が一般的になり、さまざまなトラブルが起こる昨今。
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