真珠がご葬儀で相応しいアクセサリーなのはなぜでしょう?
ご葬儀に身に着けるアクセサリーとして問題ないとされるのが「真珠」になります。しかし、真珠の色やアクセサリーの長さなど迷ってしまう点も多々あると思います。失礼のない装いでご葬儀に参列するためにもどのような真珠であればよいのか分かっておきたいものです。
この記事では、なぜ真珠を身に着けてよいのか、真珠を身に着ける際のマナーなどについてご説明します。
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洋装文化からみるモーニングジュエリー
長く和装文化であった日本では、喪服の際に身に着ける装飾品については結婚指輪以外はマナー違反であるとされていました。これについては現代でもいえ、和装では結婚指輪以外を身に着けてしまうのは華美すぎるので、マナーに違反であるとされています。
しかし、洋服においては正式にドレスアップするのが故人様やご遺族に対するお悔みの気持ちを表すことになります。西洋では弔事の際に身に着ける宝石を、「モーニングジュエリー」と言います。
モーニングジュエリーは、本来は「ジェット」が使用されていました。ジェットは、海の底に沈んだ木の幹が長い年月をかけて化石化した宝石のことをいいます。ヴィクトリア女王が、モーニングジュエリーとしてジェットを愛用していたことから主流となったとされています。なお、日本の皇室でも、女性皇族の方々はモーニングジュエリーとしてジェットを取り入れている点からも、いかに伝統的なマナーであるのかが伝わると思います。
真珠を初めてモーニングジュエリーとして使用した公人
それでは、モーニングジュエリーに真珠を使用したのはどなたなのでしょうか。それも実はイギリスの女王であり、先ほど取り上げたヴィクトリア女王を抜きイギリス史上最長座位を誇っているエリザベス2世です。
元英首相のウィンストン・チャーチル氏の国葬において、エリザベス2世が真珠のジュエリーを身にまとって参列されました。その装いを見た周りの方々もそれに倣ってそれ以降、モーニングジュエリーとして真珠が認知されるようになりました。
また、真珠には「涙の象徴」という意味があります。そこからご葬儀において相応しいと捉えられ、真珠を身に着けることで故人様やご遺族に対して哀しみの気持ちを表すアクセサリーとして定着していきました。
形状はどのようなものがいいの?
真珠の形状に関しては綺麗な球状で、球のサイズは約7~8mm位のものを選びましょう。ただし、二連になっているネックレスは悲しみが重なってしまうことを連想させてしまうため、一連のネックレスにしましょう。
また、長すぎるネックレスも同じように、不幸が長引いてしまうことを連想させてしまうため控えるようにしましょう。
真珠のアクセサリーを身に着ける際のマナーについて
ご葬儀の場ですので、真珠であろうとも華美なものは避けるようにするのがマナーになります。ただし、地域によっては真珠でもネックレスを身に着けること自体が華美な印象をあたえてしまうと捉えられてしまうこともあります。
しかしその一方で洋装においてアクセサリーは喪を表す装いに不可欠なものですので、ノーアクセサリーは失礼にあたると感じられる方もいらっしゃいます。
したがって、ご葬儀に参列する際にご心配な方は、事前に目上の方に確認するか、鞄の中に真珠のアクセサリーを用意をしておいて、様子を見て身に着けてもよいでしょう。
黒真珠は身に着けて大丈夫?
昨今ではご葬儀の席において、色味があまり目立たない「黒真珠」を身に着けられる方も増えてきました。しかし、黒真珠は白真珠よりも光沢があるため、派手な印象も与えてしまう場合があります。白真珠のほうが上品な印象で身に着けられるのは間違いありませんので、冠婚葬祭において白真珠であれば問題なく身に着けることができます。
しかし、黒真珠を身に着けられる方も増えてきているのも事実であるため、どちらだけが一概に正解と決めることはできません。
間違えのない葬儀社の選び方や注意点をはじめ、さまざまな葬儀の知識・マナーを分かりやすくお伝えします。